あなたはどのタイプ?4つの「メンタルモデル」

「こうなったら、ああなるよね」

このように、誰しも無自覚に持っている思い込みのことを「メンタルモデル」と言います。

もともと認知科学の分野で生まれた概念ですが、今ではビジネスの世界でも使われ始めています。内容を見てみましょう。


メンタルモデルの興隆:認知科学からビジネスへ


メンタルモデルとは、人が無自覚に持っている価値観や思い込みのことを言います。

たとえば、ガラスのコップを見て、皆さんはどんな用途に使うものだと思うでしょうか。「飲み物を入れるもの」「花を飾るもの」「オブジェとして飾るもの」など、その考えは人によってさまざまでしょう。

まさに同じものを見ても、その人が持つ枠組みによって受け止め方が違ってきます。これがまさにメンタルモデルなのです。

さて、このメンタルモデルは、心理学者、ケネス・クレイク(Kenneth Craik)氏が著書『The Nature of Explanation』で提唱したと言われます。

その後、1983年に『Mental Models』と題する本が2冊(フィリップ・ジョンソン・レアード 著、デドレ・ゲントナー&アルバート・スティーブンス 著)出版されたことで、徐々にメンタルモデルの概念が広まっていきました。

ビジネスの世界では、経営学者ピーター・センゲ氏が著書『学習する組織』の中で重要な要素として取り上げたことで、注目されることになりました。

メンタルモデルは、今では認知科学だけでなく、ビジネスやデザインの分野でも幅広く応用されるようになりました。


あなたはどのタイプ?4つのメンタルモデル


これまでに述べてきたメンタルモデルについて、できるだけわかりやすく説明しましたが、実際には非常に奥深い概念であり、理解するのが難しい側面があります。

さらに、自分自身のメンタルモデルを知ろうとすると、気づいていなかった痛みに向き合う必要があり、そのプロセスで無意識の抵抗が生じることがあります。

したがって、メンタルモデルの詳しい内容は専門家に譲るとして、ここでは入り口としてたびたび紹介される4つのメンタルモデルを紹介したいと思います。実際のメンタルモデルは非常に複雑で、単純にタイプ分けすることは難しいですが、自分のメンタルモデルを理解する第一歩として、近い傾向のあるタイプから始めてみることが良いでしょう。

①価値なしモデル このタイプの方は、自分には価値がないという考えを持っています。そのため、成果(例: 仕事のパフォーマンスなど)を通じて、自分を認めてもらいたいと願っています。常に他人軸で生きているため、自分を見失いやすい側面があります。この傾向に気をつけることが重要です。

②愛なしモデル 過剰に他人に尽くしてしまう傾向のある人です。その根底には、自分自身への自信がなさがあります。そのため、他人を不快にさせる言動や行動をできるだけ避けようとする傾向があります。同時に、思うように愛されないと、失望感を抱く側面が現れることもあります。

③欠陥欠損モデル 自己否定に陥りやすい傾向の人です。「自分はダメだ」と思ってしまい、どれだけ努力しても、他者から何か求められると不安になってしまい、心の平穏を感じにくい傾向があります。場合によっては組織から離れてしまうこともあるため、要注意です。

④ひとりぼっちモデル 周囲との関係を割り切って捉え、埋められない孤独を感じ続けるタイプの人です。世界や他者はもちろん自分自身も割り切って捉えがちな一方で、動物や自然などの非言語が感じられる世界を好む傾向があります。

これらの4つのタイプをもとに、自分自身のメンタルモデルへの理解を深めることで、無意識に囚われている縛りから解放され、新しい自分の可能性に気付くことができるでしょう。

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