見出し画像

「入社式」はなぜ必要?

新年度が始まると、どの会社も新入社員を迎える入社式を行います。

入社式は日本企業独特の文化のひとつ。

当然のように毎年開催していますが、ふと「これって何のためにやってるの?」と疑問を覚えたことはないでしょうか?


入社式は「グループ・イニシエーション」そのもの


入社式は、新人にとって新しい組織や環境に適応するためには必要な営みです。

なぜなら、「人間は社会的動物である」と言われるように、絶えず他者との関係において存在する生き物だからです。

どんな人間も何かしらの社会や組織に属しており、それらに参入し、適応していくためには「通過儀礼」が必要になってきます。

入社式はまさにこの「通過儀礼」そのものなのです。


こうした「通過儀礼」のことを、心理学や人材開発の分野では「グループ・イニシエーション」と呼びます。

新人はもちろん、既存メンバーにとっても、入社式は次のような位置づけを持っています。

  • 新しいメンバーにとって、この組織内で一人の構成員として認められるための儀式

  • 既存のメンバーにとっては、新しいメンバーの存在を認識して、受け入れる準備を整える儀式


「入社式」という呼び名はもう古い!?


しかし、終身雇用が崩壊した現在、「入社式」の位置付けも変わり始めています。

というのも、かつて日本では「就職」というよりも、一つの会社を勤め上げる「就社」に重きが置かれていました。

しかし、今の時代、生涯ずっと一社で働き続ける時代ではなくなりつつあります。

もちろん、この考えはやや乱暴な一面もあります。

その人が、他の選択肢も考え、結果的に生涯一社に勤め上げる働き方も受け入れられるべきで、働き方が自由に選べるようになったと言った方が正しいでしょう。

ただ、いずれにせよ、「定年まで一社で勤め上げる」というのは過去の話になりつつあります。

こうした時代の変化を踏まえ、入社式の位置付けも変わってきています。

例えば、日立製作所さんは、「入社式」とは言わずに「Career Kickoff Session」と呼び名を改め、キャリア自律を呼び掛けています。

ここには早期離職を促す意図はなく、むしろ、自律的にキャリアを作っていって欲しいとの願いを込められたものです。

ゆめみも同じく、「入社式」ではなく「ウェルカム・パーティー」という名前で新入社員を仲間としてお迎えしています。

キャリアの幅が広がり、多様になる今の時代、入社はゴールではなく、スタートです。

この流れは不可逆で、今後どんどん加速していきそうですね。


★元ネタtweetはこちら


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?