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【目印を見つけるノート】563. 『ポプテピピック』から見る諧謔のカルチャー

テレビを見ていて、刺激を受けたりすることがあるのです。
きのうの(おとといになるのか)深夜にやっていたアニメ『ポプテピピック』のリミックス版をあげます。面白いです。再放送になるのですが、前と声優さんを取り替えてしまった。この冒険は天晴れですね。
このアニメは主人公の女子学生(表現古い?)二人の短いエピソードが続く構成なのですが、その声を女性から渋い男性声優さんにスイッチしてしまう大胆さといったら。原作のコミックスは拝見していませんが、これはなかなかできないことでしょう。

『ポプテピピック』再放送、まさかの声優変更前代未聞の”リミックス版”にネット騒然
(オリコンニュース10/10付)
https://news.yahoo.co.jp/articles/01c94f9ed507ab57b7b974b9c66c40852da9e05d

不条理ユーモアということで紹介されていますね。私は個人的にそれに加えて「サブカルパロディ」だと思います。例えば一昨日のお話では勇者や魔法使いや動物がラフスケッチ(下書き)で登場、召喚された主人公二人が一同を毒舌責めにするというのがありました。背景もラフスケッチだったのが、今回は描かれているようで、その自作パロディ・解体的な作り方にも唸りました。

そういえば、このアニメの主人公を見ていると、『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめさんのコミックス)の『きんどーさん』をしきりに思い出すのですが、今の10代には同意を得られません。このコミックスを思い出すと芋づる式に『すすめ!!パイレーツ』(江口寿史さん)と『1・2のアッホ』(コンタロウさん)が出てくるのですが、年代限定のお話でしょうか😑
私、生まれていなかったかも💦(嘘)
あ、『パタリロ!』(魔夜峰央さん)も好きです。

笑えたなあ。大笑い。

そういえば私はパロディとかギャグとかナンセンスなアニメもずっと好きです。
いくつか2010年代のものをあげますね。

『じょしらく』……落語家の女性4人の日常を描いていますが、パロディが多々出てきます。女性のキャラが強烈です。ちょっと辛口かな。

『ジュエルペットサンシャイン』……子ども向けのファンタジーですがシリーズでも異色の昭和パロディ多々。

『ガッ活!』……中学生のHRのエピソードなのですが、ギャグ、ナンセンスのセンスが秀逸です。生真面目な委員長のちほちゃんがいいですね。

『日常』……こちらはほのぼのナンセンスといいましょうか。基本は学校生活とサイエンティスト少女とロボットとカラスの日常なのですが絵柄がとてもかわいい。いつもとばっちりをくらうモヒカンの少年に同情を禁じ得ません。

『おそ松さん』……『おそ松くん』の六つ子のその後という設定で、パロディとナンセンスの嵐でした。私はチビ太くんが屋台のおでん屋さんになっていることに感動しました。

ああ、意外に見ていますね、アニメ。

パロディ、ギャグ、ナンセンスという文化は昔からあったと思います。物心つくかつかないかの小さい頃に『ゲバゲバ90分』というTV番組がありましたけれど、あれはまんまそれだった。それが小説にもあったように思います。今テレビで『日本沈没』のリメイクドラマをやっていますが、小松左京さんがその小説を出した後に筒井康隆さんが『日本以外全部沈没』という本を出されました。私は読んでいないので恐縮なのですが、タイトルからして諧謔です。もっと後ですが、清水義範さんの著作も好きでよく読みました。将棋実況番組の形で夫婦喧嘩を描かれていたり、官能小説が文字化けしまくったりして、大笑いして読みました。

諧謔、というのが今は少なくなったのかなと思います。大笑いやクスリ笑いのできる小説がベストセラーになったというのもとんと聞きません。もちろん、他の人の尊厳を損なうような表現はダメだと思いますが、それ以外にできるものもあるでしょう。

小説にしても、テレビにしても大笑いやクスリ笑いのできるものがあまりないと思えてしまうのは無知だからでしょうか(お笑い番組はありますけれど)。
でも、アニメの中に諧謔がキラリと光っているのは素敵だと思います。

最近、お腹が痛くなるほど笑いましたか。

笑う絵文字🤭🤣🤩というのがありますが、私などはここのところお腹が痛くなるほど大笑いをしていないです(自分比)。ですので🤣はあまり使わないのです。
転げ回って涙が出るほど大笑いをしたいですね。

それでは、DJのパロディを。
スネークマンショー『咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3』

アメリカのラジオ・パーソナリティ、ウルフマン・ジャックのスタイルで諧謔をやや超えている?ラジオ番組や音盤を作ったユニットです。桑原茂一さん、小林克也さん、伊武雅刀さんの3人がメンバーです。なかなか刺激的な内容が多いのですが、大人気でした。YMOとのコラボもしていましたね。

諧謔(ユーモア)、コメディ・パロディ・ギャグ・ナンセンスというのは、卓越したセンスと少々の毒気、新しさが必要だと思います。ナンセンスといってもノーセンスならば受けないでしょう。

アニメがその継承者なように思える今日この頃です。

さて、これからまた出発です。
みなさま、どうかよい一週間を。
お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

追伸 あ、『ケロロ軍曹』を忘れていました。

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