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猫のように暮らしてみたい(その14)

「成功体験」という言葉を聞いたことがあるだろう。

できなかったことができるようになると、
脳からドーパミンという物質がだされ
「幸福感」「心地よさ」を感じるのだ。

人は生まれてからずっとこの「成功体験」を積み重ねて成長していく。

出来たね、上手だね、もっと頑張って、
と周りの皆の期待に応えるべく努力して生きている。

例えばアスリートなどは厳しい練習を積み重ね、
記録を次々更新していくたびにドーパミンが多く分泌され
より大きな幸福感を得るためさらに練習を重ね鍛錬してゆく。

何の迷いもなくオリンピックを目指して頑張りますと発言できる。

「成功体験」の裏付けがあるからだ。

オリンピック選手でなくても普通の一般的な人でも
「成功体験」を手にしている。

自分が心地いいと感じるもの、
喜びや充実感を得られるものは誰にでもあるだろう。

例えばゲーム好きやアイドルの追っかけ、収集家、
賭け事などもそうだろう。

誰しもが好きなものを集めたり味わったり歌ったりすると
気分がいいと感じるだろう。

ある程度までは健全でいいことのはずだ。

ただドーパミンの厄介なところは
世間的に良い方向のものだけに分泌されるのではないということだ。

うつ病には依存症と言われる症状もある。

薬物依存症、アルコール依存症、たばこ依存症、
ギャンブル依存症、買い物依存症、ゲーム依存症、
恋愛依存症、自傷行為依存症と多くの症状がある。

この依存症の状態の時も「成功体験」のような経験に
基づいているためその行為を止めることが容易ではなくなるのだ。

心地よい体験や高揚感を脳は覚えていて
私たちをその行動に走らせてしまう。

興奮状態になって自制するのはとても困難であり、
家族やパートナーの理解や協力が必要になってくる。

脳が出すドーパミンという麻薬のような脳内物質から
逃れることは容易ではないのだ。


猫を何匹か飼っていると、
それぞれ性格のようなものがあることが分かる。

猫だからみんな同じじゃないのだ。

ちなみにウチには3匹の猫がいる。

一番年上は13歳のちょこ。

そんなに食べるわけでもないのに全体にふくよかでむっちりしている。

丸くなって片手を顔の上に乗せ目隠ししているような恰好で
寝ている姿がかわいい。

あったまってくると両腕をピンと伸ばしクロスさせて
その隙間に顔をうずめている、これもお気に入りのポーズだ。


でも他の子は同じポーズはしない。

大人しくて温厚でとても優しい子だ。

ほとんど毎日一緒に寝ている。

右腕の下に丸くなってゴロゴロと喉を鳴らしてくれる。

いつも眠りにつくまで話しかけている。

大抵は昔の事だ。

今でこそ一日中家にいるが、
働いていた頃は寝るだけに帰っているようなもので、
その間娘たちにとても寄り添ってくれていたのだ。

だから今度は自分が年を取ったちょこに寄り添っていたいと思っている。

でもやっぱり自分が癒されてしまう事が多い。


自分に対して信頼してくれているのか甘えているのか、
まるで毛繕いをするように手を舐めてくる。

優しい気持ちが伝わってきて「ありがとうね」と声をかける。

そのままいつの間にか眠りにつくのだ。

とても安心で幸福だと感じる時間だ。


                   つづく。。。


今日も読んでくださった方、ありがとうございます。



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