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LOVE LIKE FIRE

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記事一覧

歌詞短評/おやすみ/THE SPELLBOUND

彼らは多分に詩的だ。 余白があって、解釈して消化するのが難しいことがある。その分浮かぶ情景は豊かで、音像と相まって奥行きつーか、パースペクティブつーか、遠くまで…

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1か月前

2024/05/08

犬が死んで一年経った。 お前のことを考えたらまだ涙がぽろぽろ流れた。 昨日は途端に食欲がなくなって、風呂に入る気力も雲散霧消して、着替えもできずに眠りに落ちた。 …

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1か月前

歌詞短評/ケプラー/THE 2

「君に恋してる」って伝えるために、古舘佑太郎は遠回りする。 宇宙の果てまで広がって、宇宙人なのか、かぐや姫なのか分からないけれど、照れてしまうからデケー建前拵え…

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2か月前
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乱文

再々々配達、明滅する視界の切れはし、自己不肯定感、大音量で鳥肌かきけす、スワイプが空を切り、アクセルがあればシフトチェンジさ、立ち尽くすしうずくまるし丸まって眠…

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2か月前

57577

紙の端切った指先痛みが(は)不意のあなたの言葉のようで 夜に雨秋を呼んでる音燦々洗濯物が少し湿るな 一生分の(それは言い過ぎ[だった])孤独を今抱えて走れ怒涛(or淡々)…

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2か月前
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TENDER/BLUR/SUMMER

知らない人ばかりのところに流れ着いた、おそらく合流することは叶わない。とはいえ彼(ら)をいるべきに送り届けたという充足があった。 日は落ちきって、会場の光源が際立…

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2か月前

盛夏/二〇二三

また東京で夏を過ごすのかと考えた。東京での記憶は学生のときのことが殆どになるが、そちらはどうも曖昧だ。あんな溌剌とした場所に自分は本当に4年もいたのかと自信がな…

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3か月前

追悼

犬を撫でに帰るか、というのが自分に認める唯一の帰省理由にあったけれど、ホームシック気味でそう思いつくたびに、もう通用しないのだとハッとなり(本当にはっとするもの…

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3か月前
1

歌詞短評/おやすみ/THE SPELLBOUND

彼らは多分に詩的だ。
余白があって、解釈して消化するのが難しいことがある。その分浮かぶ情景は豊かで、音像と相まって奥行きつーか、パースペクティブつーか、遠くまで連れてこられる感じがある。ここまでが僕のスペルバウンドへの前提条件。

この歌のおやすみは、時間的な意味合いを飛び越えている。「太陽の中でおやすみ」或いは、「TVは浮かんだままこの部屋を照らすだけ」とか。前者は開けた場所での日向ぼっこが浮か

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2024/05/08

犬が死んで一年経った。
お前のことを考えたらまだ涙がぽろぽろ流れた。

昨日は途端に食欲がなくなって、風呂に入る気力も雲散霧消して、着替えもできずに眠りに落ちた。

あたたかいお前を抱えてうとうとするのが好きだった。
突風みたいに走るお前に負けないように一緒に走るのが好きだった。
慌てなくても誰も取ったりしないのに急いでご飯を食べるお前を眺めるのが好きだった。
暑い日に湿ったお前の鼻先が触れると冷

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歌詞短評/ケプラー/THE 2

「君に恋してる」って伝えるために、古舘佑太郎は遠回りする。

宇宙の果てまで広がって、宇宙人なのか、かぐや姫なのか分からないけれど、照れてしまうからデケー建前拵えて、でも本音は隠せないから大声で歌う。

後半、頼りにした宇宙の規模感にときめくのではなく、そこでも打ち拉がれて、自分の社会的ポジションに苦虫を噛み潰し、不甲斐なさを嘆く。でも伝えることをやめられない。「地上で」なんて言ってるが、大好きっ

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乱文

再々々配達、明滅する視界の切れはし、自己不肯定感、大音量で鳥肌かきけす、スワイプが空を切り、アクセルがあればシフトチェンジさ、立ち尽くすしうずくまるし丸まって眠ってしまう、遠のくあなたよ、何者にも別になりたかないけど自分には何にもないとは思ってしまう、捲れないページ、左の耳鳴り、頭痛を伴う曇天、絵は描けないけど炒めものは作れるよ

57577

紙の端切った指先痛みが(は)不意のあなたの言葉のようで

夜に雨秋を呼んでる音燦々洗濯物が少し湿るな

一生分の(それは言い過ぎ[だった])孤独を今抱えて走れ怒涛(or淡々)晴れる哉首都

買い出しに行ったのにアレ忘れた(笑)!とか騒ぐ週末さえ難しく遠く

またしても自信のなさがまき戻し揺れずあなたの前に立てれば(以下解釈の分岐)

髪切りて風そよぐ首秋麗変わるかなとか考えずには

煤払い真面すぎ

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TENDER/BLUR/SUMMER

知らない人ばかりのところに流れ着いた、おそらく合流することは叶わない。とはいえ彼(ら)をいるべきに送り届けたという充足があった。

日は落ちきって、会場の光源が際立って浮かぶ、暑さはだいぶ和らいだが、ひといきれが少し苦しい。
予習はそこそこ、聞いたなという曲、聞いたっけ?という曲、止まることなく進んでいく。

もう少し英語が分かっていたらなとか思う、もう少し歌詞を知っていたらなとか思う、もう少し上

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盛夏/二〇二三

また東京で夏を過ごすのかと考えた。東京での記憶は学生のときのことが殆どになるが、そちらはどうも曖昧だ。あんな溌剌とした場所に自分は本当に4年もいたのかと自信がなくなる。違うひとなんじゃないか。

代わりに母親の地元であった大森のお祭りに、仏頂面の祖父に手を引かれて歩いたことが思い出される。幼児と老人の食い合わせは悪く、まともなコミュニケーションがないから怖くて堪らなかった、今は何だか申し訳なかった

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追悼

犬を撫でに帰るか、というのが自分に認める唯一の帰省理由にあったけれど、ホームシック気味でそう思いつくたびに、もう通用しないのだとハッとなり(本当にはっとするものなのだ)、

クソどうでもいい日常の動作(ゴミを捨てるとか)であっても、そういえば犬とあんな事があったと、思い出に満たない記憶の逆流が起きて立ち尽くす、みたいなことが何度も続いていた。

もう帰る気にもなれないのでは?と、ずいぶん悲観的な考

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