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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2022年11月の記事一覧

頭蓋骨

ふとした瞬間に、これで合ってただろうか?、となることがある。
昔は間違いなくAだったはずなのに、改めて見てみたらB になっている。そんなことがないだろうか?
これをマンデラ効果と言う。
このマンデラ効果には様々な説があるが、一説によると、勘違いをしていた人たちだけがパラレルワールドに行っていた、という説もあるんだとか。

部活に入らない学生からすれば、放課後は既に最強の時間。ましてテストなども控え

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シマリス

「シマリスって、本当に、本当に可愛いですよね。」
 ほのかは理科準備室に入るとすぐに席を探し始め、座り始めた。そして軽い挨拶だけすると、スマホを見ながら少しばかしにやにやしていた。そして少しすると、そのようなことを言い出したのだった。

「急にどうしたんですか。」
「いや、シマリスって可愛いじゃないですか。」
「それは分かりますけど。何の脈絡もなかったので。」
「はあ。」
 ほのかは少しため息をつ

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画用紙

「きりつー、きょーつけ、れい。」
「「「お願いします。」」」
「はい、お願いします。みんな座ってください。」
 子供たちは隣の子と少しおしゃべりをしながら、ガタガタという音を立てて、席に着いた。
「はい、授業始めるから静かにしてね。」
 天野がそう言って教室を見回すと、子供たちは少しずつおしゃべりをやめた。
「はい、よくできました。」
 うんうん、と頷き話を続ける。
「それでは今から図工の授業を始

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スニーカー

 それは陽介にとってなかなかに珍しい誘いだった。
 学校帰りに本屋やゲームセンターに寄ったり、休みの日にお互いの家を行き来したり、そういうことは多々あった。
しかし意外なことに、休みの日に予定を合わせてまでどこかに出かけるということはあまりなかったし、もしそんなことがあったとしても映画やカラオケなど明確な予定を決めた上でのことだった。
それゆえに今回の、買いたいものがあるからついてきてほしい、とい

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