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伝説のつるぎ 大熊健司
2021年2月28日 00:13
小さい時からよくいたずらをしては怒られていた。怒られたその場では頭を下げて謝っていたが、地面を見ながらあっかんべーをし、次の日にはまた怒られるのが日常だった。今まで数えきれないほどのいたずらをした。先生の車に落書きをしたり、好きな女子にちょっとあれないたずらをしたり、商店街の店の看板にオリジナルサインを書きまくったり、自分の誕生日会の時に手巻き寿司に高級チョコをはさんで食べたこともあった。も
2021年2月21日 00:02
「え、なんで素振りしてるの?」「それは本気でビンタしてくれって言ったからだろ。」「いや確かにそういったけど……」「けどなんだ?」「素振り必要?」「しっかり振りぬいた方が痛くないってどこかで見たことあるから、その練習だよ。」「なるほど、僕のことを思ってなんだね。」 その通り、そもそもこのビンタは不本意ながら陽介のためにするのだ。「もとはといえば別にビンタなんかしたくないんだから。」
2021年2月14日 00:41
僕は昔から人間が嫌いだ。奴らは聞いてもいないのに何かを訴えかけてくる。 でも植物は違う。彼らはいつも静かに微笑んで、僕の話を聞いてくれる。 ああそうだ。僕も、そんな人間に過ぎないのだ。 卒業後の進路として研究職を考えたこともあったが、そこまでの覚悟はなかった。つぶしがききそうという理由だけで教職を選択していた僕だったが、教師になる気などさらさらなかった。でも就職を真剣に考える時期になっ
2021年2月7日 00:20
「ハル、久しぶり!」「純ちゃん!元気にしてた?」「もっちろん!」 お馴染みのとびっきりスマイルでそう答える。「これ、お土産。」「ありがとう!」「それベルギーのチョコレートなの。相当甘いから気を付けて。」「わかった。みんなで食べるね。」 そう言いながら陽乃はカラフルな手提げをカバンにしまった。「今年はベルギーに行ったの?」「他の国にも行ったけど、メインはベルギーね。」「そうだっ