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あやの
2021年9月2日 17:26
いつもより静かな一日を過ごしていた。だからなのか、たくさんの音が私を迎えた。雨の音。鳥がさえずる音。心地よかった。目を覚まさずにそのままでいたかった。そんな中、暖かい音に包まれた。キッチンで料理を作る音。湯を沸かす音。耳を澄ますと聴こえてくる。おと。日常の音楽会にまたきっと足を運ぶ。
2021年9月25日 23:02
空から舞い降りた一縷の光。泉。温もり。白馬を連れた一人の少年に見守られながら、小さな身体で大きな声を上げる。周りに響き渡る、太鼓の音、手のひらを合わせる音、草履を引きずって懸命に歩く子どもの足音。それら全てをかき消すかのように。小さくも大きな声は、一本の木に届いていた。空へと真っ直ぐに佇む一本の木。風に揺られながら、淡くも力強い色を放って。甘く温かな香り。握りしめる小さな手
2021年9月27日 22:35
ある日のこと。突然、少年は言葉を話せなくなった。いや、話さなくなったという方が正しいのかもしれない。今まで、少年は言葉によって自分のことを守り続けてきたのだ。相手を傷つけないように、傷つけないように....と。けれど、相手を傷つけないようにするというのは表向きの理由であって、本当はただ自分が傷つきたくないからだった。僕なんか言葉を話せなければいい。そうやって生きていた方が、周りにも