にゃにゃん(山名琢翔)

ものづくりとものづくりが好きな人が好きな人 情報処理学会2023年度山下記念研究賞 オ…

にゃにゃん(山名琢翔)

ものづくりとものづくりが好きな人が好きな人 情報処理学会2023年度山下記念研究賞 オセロAI世界1位 クマ財団5,6,7期 IPA未踏2018スパクリ

マガジン

  • MAKERS

    • 322本

    DMM.make AKIBAでモノづくりや事業を行う企業やクリエイター、アーティストなど”MAKERS”の皆さんの活動をご紹介していきます。

  • オセロAIの教科書

    オセロAI世界1位の私がオセロAIの作り方を初歩から高度なところまで解説します。全編無料です!投げ銭してくれたら喜びます!

  • 物理チャレンジ JPhO第一チャレンジ実験優秀賞

    物理チャレンジJPhO第一チャレンジ実験優秀賞をいただいた実験について、紆余曲折を解説します。

最近の記事

ママチャリと徒歩で筑波山登山をした話

最近、ものづくりをするために体力をつけることを目的として、サイクリングをたまにしています。サイクリングと言っても、普段乗っているママチャリなのですが… え?ものづくりのためにサイクリングをするとはどういう意味か?それはこちらをご覧ください。 私は脚を使うことが好きで、以前からゆるゆると低山登山をするのが好きでした。平地を歩き回るのも好きです。 そういうわけで、今回は1年くらい密かに抱き続けていた目標、サイクリングと登山を一気にやってしまう企画を実行しました。 この記事

    • 自分の変なところと向き合う

      2023年度の中頃から、徐々に自分の興味が自分自身へと向き始めた。 ものづくりが好きで仕方がなくて、自分が目指すものづくりの理想についてあれこれと考えていたのが2021年度頭から2022年度いっぱいくらいであったのだが、いつの間にかその興味にはある程度満足し、興味の先が、驚くべきことに、自分の内面に向かっていた。 この興味の変遷は自分の過去の展示を見ると明らかで、少しおもしろくもある。 2022年10月には、コンピュータと人間の付き合い方についてじっくり考えて、ロボット

      • ハタチ以降の「持続可能な」ものづくり

        にゃにゃんです。 OpenEsysアドベントカレンダーの最終日を担当します。OpenEsysは筑波大学のものづくり団体で、現役メンバー15人程度で活動しています。ワチャワチャと楽しみながらものを作っています。 私は物心ついたときからものづくりが大好きで仕方がなかった人間なのですが、そんな人間でも、大学生になって体の成長が完全に止まると、ものづくりに対して色々と「これまで通りにはいかない」と思うことが増えてきます。 そんなわけで、私の人生の根幹であったし、これからも根幹で

        • 広義ものづくりに挑戦

          OpenEsysアドベントカレンダー、昨日に引き続き、今年度代表の山名が2日目も書きます。 2日目はものづくりを見つめ直す内容の記事です(本当か?) 広義ものづくりとはOpenEsysはものづくり団体です。ものを作ります。では、その「もの」って何なのでしょうか? 私はいつもロボットとかソフトウェアとかを作っているので、それを「ものづくり」と思い込んでいますが、それは固定観念だという気がしました。 ということで、この記事ではみなさんのものづくりの概念を壊す、広義ものづく

        ママチャリと徒歩で筑波山登山をした話

        マガジン

        • MAKERS
          322本
        • オセロAIの教科書
          13本
        • 物理チャレンジ JPhO第一チャレンジ実験優秀賞
          3本

        記事

          ものづくり文化をつくること

          筑波大学OpenEsysアドベントカレンダー、2023年もやります。 https://adventar.org/calendars/8987 初日は今年度の代表を務めております、esys20の山名です。2020年入学ですがまだ2年生をやっています。まあそんなこともあります。 OpenEsysとは?OpenEsysは筑波大学の工学システム学類の公認団体で、ものづくりを楽しむ人たちの交流を目指して活動している団体です。 去年までは構成員を工学システム学類の人のみとしていま

          ものづくり文化をつくること

          筑波大学をまた休学します

          半年前、休学が明けて筑波大学に復学しました。 復学し、コロナ禍も(運営上)明けて、ようやく大学を楽しくのびのびと過ごせるのだと期待していました。 しかし、私の近辺だけで言えば、これは叶いませんでした。どうにも一部の先生方とうまくいかず、それが授業を通して不都合となって顕在化しました。また、工学システム学類のカリキュラムがあまり私に合っていないと感じるようになりました(とは言え、カリキュラムの問題だけであれば、少し時間をかけるだけで済むのですが…)。結局、この春学期にはそう

          筑波大学をまた休学します

          趣味とものづくり

          筑波大学が、私の知らない様子であった。 2020年には「あまりにも人がいないので、石の広場に雑草がたくさん生えている」と言われていたほどだった。それが今や溢れる自転車のために、道が通れないほどである。 2023年度は、復学したと同時に全面的な対面授業の再開であって、この文章を書いているときにはすでに、授業が始まって1週間ほどが経過した。率直に言えば、この大学生活は非常に面白そうである。 振り返ってみると、2022年は若干の脅迫的な意識をもって、ものを作っていた気がする。

          趣味とものづくり

          筑波大学に復学します

          2022年6月から、筑波大学を休学していました。 休学願を出して受理された瞬間から、驚くほどに心が軽くなりました。 結局、休学していた2022年度は人生の中でも特筆すべきほど充実していました。細かな活動についてこの記事では触れませんが、主に活動領域を広げた点において、この上なく有意義な時間でした。 さて、2023年度も終わります。休学の終了が近づいてきました。2月下旬には復学届を提出したので、もう4月から復学することは決定しています。もう少し休学を楽しみたい気持ちもあり

          筑波大学に復学します

          半世紀前の本で魔法を解く「電子計算機の誕生(高橋秀俊)」を読んで

          最近の私は、オセロAIの制作を通して計算機そのものへの興味を抱いています。(*1) 出会い私は筑波大学に所属しているのですが、こないだ体芸図書館(*2)でふらふらと散歩していたところ、面白そうな本を見つけたので借りて読んでみました。 奥付を見ると、かなり古い本であることがわかりました。発行は昭和47年ですので、ちょうど50年ほど前の1972年です。そして著者は1915年生まれです。 ざっくりした内容全体的な内容は主に、著者が大きく関わったパラメトロン計算機のPC-1(1

          半世紀前の本で魔法を解く「電子計算機の誕生(高橋秀俊)」を読んで

          最古の記憶はものづくり

          両親の言うことには、私はハイハイがとても上手だったようです。高速に、どこまでもハイハイで移動したと言います。ですから、両親は私が危険なところに勝手に行かないかと気をもんでいました。都合の良いことに、その頃の私は丸めた新聞紙をとても怖がっていたらしいです。ですので、危険なところには新聞紙を丸めて置いていたそうです。 いつしか私は紙に対しての恐怖心を全く克服し、紙を操ることに強烈な興味を抱いていました。 紙工作で一番最初に手を出したのは、おそらく折り紙でした。折り紙との付き合

          最古の記憶はものづくり

          技育展2022優秀賞を受賞しました。

          サポーターズが主催する大規模な学生向け技術コンテスト「技育展」今年も参加しました。参加記としてこの記事を公開します。 技育展、何が良いって、今回であれば15個ものテーマがあって、それぞれのテーマに沿って学生エンジニアが熱く自分の作品を語るんです。テーマは与えられつつも、何を作るかは自分で決める。このちょうどよい設定が最高に好きです。 実は技育展は2020年に始まったイベントで、私は2020、2021と「無駄開発」部門を連覇しています。そうです。この「無駄開発」というテーマ

          技育展2022優秀賞を受賞しました。

          オセロAIがオセロに飽きたと言うので体を与えてみた

          この記事はオセロロボットIsevotの製作にあたって執筆したものです。 この記事ではオセロAIと人間のオセロプレイヤーを比較するような内容も出てきますが、私は決して人間のオセロプレイヤーが"弱い"などとは思いませんし、むしろ人間同士のオセロに極上の楽しみを感じます。 ゲームAIが人間に勝ったときチェス、オセロ、将棋、そして囲碁。これら全てのゲームにおいて、人間はすでにAIに及びません。この事実は、今でこそ当然のものとして受け入れられているでしょうが、AIに人間が負かされた

          オセロAIがオセロに飽きたと言うので体を与えてみた

          結局、我々は人間である。

          1. コンピュータによるオセロと人間によるオセロ技術者でありオセロプレイヤーである私は、おそらく非常に異質であろうことに、オセロAI、つまりコンピュータにオセロをさせること、を通じて人力でのオセロを始めた。オセロAI制作の腕前は、例えばコンテストで世界1位を取り、独自に評価関数の研究をする程度のものである。一方で人力で行うオセロの腕前は、日本オセロ連盟3級、弱いということはないが決して強くはない程度のものである。 1997年8月、当時のオセロ世界チャンピオンの村上健氏と当時

          結局、我々は人間である。

          知性を過信している

          私が生まれる4年前、人間は自らの存在意義の揺らぎを目の当たりにしたような気がする。 1997年は特別な年である。5月にはチェスにおいて世界チャンピオンのガルリ・カスパロフ氏が、8月にはオセロにおいて同じく世界チャンピオンの村上健氏が、立て続けにコンピュータに敗れた。人間が自らの能力で特別信じて疑わなかったであろう「知性」は、コンピュータに及ばなかった。 それから四半世紀の時が流れ、一人の大学生が世界最強のオセロAIを作って、さらに人力でもオセロを楽しんでいる。 1997

          知性を過信している

          筑波大学を休学します

          にゃにゃんです。今回は大学を休学する話です。 大前提として、私は2020年に筑波大学に入学して2021年度から2022年度にかけて留年しています。詳細はこちら 心機一転、大学生活を送ろうとしてみた春休みはとてもやる気に満ちていました。4月からまた大学に通うんだという強い決心をしていました。 4月の頭に大学で新2年生向けのオリエンテーションがあったのですが、そこで全てを諦めることになりました。 4月頭、私は東京で展示会があってオリエンテーションはその期間だったので、その

          筑波大学を休学します

          「ものつくる病」に寄せて

          にゃにゃんです。 以前、「ものつくる病」という短編SF的な文章を投稿しました。 SFなので「現代の社会とは一切関係がありません」と書いたのですが、少なからず現代の社会に影響を受けて書いたような気はするので、今回は背景の解説です。 この記事は私の知識の範囲で私の理解によって書いたものです。色々な考え方があるでしょうから、あまり鵜呑みにしないでください。 ロストテクノロジーこの作品の主題は多分、ロストテクノロジーだと思います。私自身が技術を志す人間であるからか、私は技術が

          「ものつくる病」に寄せて