ママチャリと徒歩で筑波山登山をした話
最近、ものづくりをするために体力をつけることを目的として、サイクリングをたまにしています。サイクリングと言っても、普段乗っているママチャリなのですが…
え?ものづくりのためにサイクリングをするとはどういう意味か?それはこちらをご覧ください。
私は脚を使うことが好きで、以前からゆるゆると低山登山をするのが好きでした。平地を歩き回るのも好きです。
そういうわけで、今回は1年くらい密かに抱き続けていた目標、サイクリングと登山を一気にやってしまう企画を実行しました。
この記事に書いてある内容は、私がやってみたことの紹介です。真似した結果不都合が生じても私は責任を取りません。
本編
早速本編です。サイクリングと登山を両方楽しんでしまいましょう。前日に色々と荷物を準備したので、朝起きて着替えて荷物を持って行くだけです。偉い。
今回は、つくば霞ヶ浦りんりんロードというサイクリングコースを走り、そのまま筑波山神社近く(標高220m)までママチャリで走っていきます(すごくキツい)。そこで自転車を降りて、筑波山(男体山と女体山両方)に登り、下山します。そこからは自転車で坂を降り、そのままりんりんロードを使って筑波大学まで戻ってきます。自転車38km (獲得標高170m)、徒歩13.5km (獲得標高877m) です。気合で頑張ります。
通常はつくば駅からバスで筑波山神社まで行き、そこから登るのですが、今回はその行程を自転車に置き換えたというわけです。
7:30-7:45 大学からりんりんロードまで行く
出発地は筑波大学の真ん中らへん、石の広場にします。日曜の朝は人が全然いませんね。
ノリノリで自転車の写真を撮ったのですが、ママチャリなので信じられないくらい映えないですね。仕方がありません。ただ、このママチャリは変速ギヤなしとは信じられないほど走りやすく、以前霞ヶ浦1周110kmも走った愛車です(後述します)。
はい、早速筑波山に着きました!(???)
ではなく、これは大学構内です。森!!
少し自転車を漕いで大学の敷地を出て、そのまま北東にずっと道なりに走っていきます。
少し走ると視界が開けてきます。今回の目的地、筑波山が遠くに見えます。手前には宝篋山(461m)があります。
このあたりで桜川という川を渡ります。この川は筑波山のさらに北を起点に、霞ヶ浦に注いでいます。
そのまま少し漕ぐと、つくば霞ヶ浦りんりんロードに当たります。
りんりんロードは茨城県の大きなサイクリングコースで、筑波山周辺や霞ヶ浦周辺をたくさん走れます。特に今回走った部分は旧筑波鉄道の廃線を使っていて、綺麗で平坦で走りやすいです。
ここまで4.8kmを17分弱で走りました。
サイクリング向けアプリでグラフを描画すると楽しいです。
これを見ると、3.0km地点近辺で急な下り坂があるとわかります。これは帰りにしんどいやつです…
7:45-8:20 筑波山口まで走る!
ここからはサイクリングロードを11.0km走って一気に筑波山の麓まで走ります。とても平坦(平均勾配1%)なので、非常に快適です。
ルートは以下の通りです。終着点のすぐ北東が目的地・筑波山です。画像の真ん中右あたりの山が宝篋山(先ほどから登場している山)です。
りんりんロードの今回走った部分は車が通れない道で、信号もほぼなくて快適です。
3.5km地点あたりに小田城跡があります。せっかくなので写真を撮ってきました。
4月も中旬ですが、桜が残っていました。自転車で桜の中を駆け抜けるとすごく気持ちが良いです。相変わらず映えないママチャリと共に、桜の写真を撮りました。
だんだん筑波山が近づいてきました。2つの峰があるのがよくわかります。
無事筑波山口(これはバス停の名前で、りんりんロードだと筑波駅と言うらしい)に着きました。かっこいいロードバイクの写真を撮る気分で撮影をしました。
11kmを30分弱で走りました。下のグラフで出ている破線は別日のデータですが、いつもより少し遅めでした。登山用に水分を大量に持っていたのでそれが重かったということにしておきます。
ここで少し休憩をしました。ここはつい最近、2023年の末に改修工事をしていたため、トイレなどがすごく綺麗です。
8:30-9:00 筑波山神社までヒルクライム
ここがサイクリングで一番過酷なパートです。筑波山口から筑波山神社近くまで、3.2kmの道で160mくらい登ります。と言っても登りはラスト2kmくらいで、その2kmで勾配10%くらいの坂を登ります。信じられないくらいしんどいです。
私のママチャリは変速ギヤがありません。電動アシストなどあるわけがありません。与えられたペダルの重さを受け入れて、ただ淡々と漕ぎます。さらに、ママチャリ自体も結構重いです。平地を走るならともかく、急な坂を登るものではありませんでした。きついです。
登ったルートはこちら。これだけの短いコースに30分近くかかりました。自転車(というかママチャリ)に坂は大敵です。このルートを含むコースはりんりんロードの「ヒルクライムコース」になっているのですが、自転車で走ることが想定されているのが信じられません。ロードバイクならもっと楽なんですかね…気になります。
途中の写真は別日に撮ったものしかありません!過酷すぎて撮る余裕がありませんでした。道中でロードバイクに乗った方が後ろから追い抜きながら、「その自転車じゃキツいよ~!ファイト!」と言ってくださいました。励みになりました。ただ、確かにキツかったです。
徒歩での登山もあるのであまり無理せず、きつすぎるところは一部歩いて無事たどり着きました。見晴らしの良いところから景色を眺めながら、あの平らなところからここまで登ってきたんだな…と思いました。
さて、ここからは徒歩です。
9:30-10:30 筑波山御幸ヶ原まで登山
筑波山神社で安全祈願をして、少し休憩をしてから出発です。
今回は御幸ヶ原コースを選びました。御幸ヶ原とは、筑波山の2つの峰の真ん中の少し平らな部分(標高800m)のことです。ここまで登っていきます。
筑波山は日本百名山の中では一番標高が低く、877mです。結構気軽な雰囲気を醸し出している山で、私自身筑波大学に入学してからこれで4回目の登山です。ただ、気軽さは雰囲気だけで、道は結構険しいです。
こちらも疲れていて写真がないのですが、山頂付近はほぼ崖みたいな道もあり、結構大変でした。筑波山は特に下山が怖いです。私はこのとき登りでしたが、休憩していたら下山中の人が目の前で滑って転んでしまい、びっくりして声をかけました(幸い怪我はなさそうでした)。
途中、綺麗な休憩所がありました。前回(2023年4月)登ったときにはなかったような気がするので、ごく最近に作られたのでしょうか。この日は日曜で天気が良かったので、たくさんの人が休憩していました(写真はたまたま外側に人がいなかっただけです)。
御幸ヶ原コースは、途中で男女川(みなのがわ)の源流付近を通ります。この川は非常に細い川なのですが、百人一首にも登場する有名(?)な川です。
そのままゆるゆると登ると、ついに御幸ヶ原に到着です。他の登山者と写真を撮り合いました。
途中まで自転車で来たので、そのままヘルメットを被って登りました。すごく蒸れるのですが、安心感はとてもあります。服は以前30km散歩したときに途中立ち寄ったホームセンターで買った涼しい長袖です。
コース公式では登り110分のコースだそうですが、60分くらいで登れました。ただ、まあまあしんどかったです。もう少し途中で休憩すべきでした。
御幸ヶ原で30分くらい休憩しました。エナジーゼリーみたいなものをいくつか食べたのですが、ゼリーだけではなく固形物をお腹に入れないとお腹がたぽたぽするような感じになって良くないなあと思いました。
11:00-12:00 男体山/女体山登頂
筑波山は男体山(871m)と女体山(877m)の2つの山頂があります。御幸ヶ原は男体山と女体山の真ん中の部分なので、ここから両方の山頂に行けます。今回は、帰りのコースが女体山側から出発なので男体山を先に登りました。
御幸ヶ原から男体山に行く道は少し険しく、ここで足が攣りそうになって少し焦りました。途中で休憩して水分や栄養を補給して持ち直しました。
またしても登山者と写真の撮り合いをしまして、自分の写った写真をゲットしました。ありがたい限りです。
男体山登頂後は御幸ヶ原まで戻って、そのまま女体山の山頂を目指しました。女体山は(男体山よりも高いからか)さらに人が多く、ささっと行ってささっと降りました。
筑波山口にはケーブルカーとロープウェイがあり、女体山近くにはロープウェイの駅があります。せっかくなのでロープウェイ駅近くにも行ってみました(正確な理由はトイレに行きたくなったからです)。ロープウェイ駅近くは広くて人が少なめで眺望も良く、良い場所でした。
帰りのコース(白雲橋コース)は女体山がスタートなので、少し休憩してそのまま下山開始です。
12:00-13:30 下山
筑波山は前述の通り結構急で崖みたいな道もあるため、下りは怖いです。滑らないように注意しながら慎重に下りました。実は登りよりも時間がかかりました。
女体山の山頂近くはほぼ崖な道がしばらく続くのですが、なんとこの日はその崖にずっと行列ができていました。すごい人の多さでした。
若干疲れていたのもあり、ただただ無心で歩き続けました。途中具合が悪いという人がいて、声をかけたら飲み物がなくなったとのことだったので、余っていた飲み物を渡してきました(今でも少し心配しています)。この日は最高気温24℃と、4月中旬にしてはかなり暑かったため、私自身も暑さに慣れていないところがあり、しんどかったです。
最後に鳥居の外に登山道でない光景が見えたときは少し嬉しくなりました。
無事下山して、筑波山神社でお礼参りをしました。
少しお腹が空いたので饅頭を買って食べました。
これで無事徒歩が終わりました。あとは帰りの自転車のみです!
13:35-13:45 筑波山口までダウンヒル
登りはしんどくて30分かかった坂も、帰りは7分しかかかりません。しかも、ほぼ漕がずに降りられます。スピードが出すぎると怖いので、ブレーキに加えて全身で空気抵抗を受けるようにして、気をつけて下りました。
この坂は40km/h制限なのですが、自転車で35km/hくらい出して走ると結構怖いので、車ってそんなにスピード出せるんだ…と思いながら下りました。
無事筑波山口に戻ってきました。「あの山に登ったんだなぁ」と思いつつ、少し休憩をしました。
このとき、筑波山口でたまに会うネコに会えました。
14:20-15:00 りんりんロード入口まで帰る
行きに走ったサイクリングロードをただただ無心で漕いで戻ります。筑波山周辺は、霞ヶ浦による海風なのか知りませんが、暖かい時間は筑波山に向かって風が吹きがちです。この時間はちょうど暖かい時間で、結構強い向かい風でした。坂で辛いのはまだ良いのですが、向かい風で辛いのはなんだか少し嫌な気持ちになります(?)。しかも、風は空気と自分の相対速度の2乗に比例して抵抗力が大きくなります。2乗はちょっと許しがたいです(物理現象に反論しても仕方がない)。
登山後だし、スピードを出せば出すほど2乗に比例して向かい風から受ける抵抗が大きくなるので、とにかく走り切ることを第一にスピードはあまり気にせず無心で走り、無事りんりんロードを降りました。平地11kmとは思えない過酷さで、31分かかりました。
さて、もう少しで大学です。脚がまた攣りかけていたので、少し休んでからラスト4.8kmを走ります。
15:10-15:30 筑波大学まで帰る
この道をまっすぐ漕いで、大学に向かいます。
そういえば、行きにそこそこ急な坂を下りました。ということは、帰りは上りです。若干怯みつつも自転車を漕いでみると、思ったより楽でした。どうやら筑波山神社までのヒルクライムで感覚がおかしくなったらしいです。
そして、無事に筑波大学の石の広場に到着しました。事故なく無事に当初の予定をこなせました!!
筑波大学までのスピードと標高グラフです。
疲れました。本当に疲れました。ただ、1年くらい前から目標にしていたことが達成できて大満足です。
準備編
さて、ここからは準備編です。中高6年間物理研究会でロボットを作ったり物理をやったりしていて運動に縁がなかったので、ママチャリ+徒歩で筑波山に登るためには色々と準備や下見、トレーニング(?)をしました。それをここに書いておきます。
発端: しまなみ海道をサイクリング
1年ほど前、2023年2月に瀬戸内海を旅行しました。そのときに尾道から今治まで、観光しながらゆっくり4日間かけて自転車でしまなみ海道を走り、瀬戸内海を渡りました。これは小学生時代からやってみたかったことで、それが叶えられて非常に満足の旅でした。このときは4日間で合計100km自転車で走りまして、思ったよりも自転車で長距離走れることがわかりました。
しまなみ海道は名前の通り、島自体と、島を結ぶいくつかの橋とで構成されています。つまり、起伏が激しいのです。その坂をレンタサイクルのママチャリ(ただ、私の愛車とは違って3段変速がついています)で攻略できたので、意外と坂が上れるのでは?という気持ちになりました。
さらに、旅行中は途中でいくつか山にも登りました。低山登山が好きなので、こちらも非常に楽しめました。
そういうわけで、つくばに帰ってきてから、深夜テンションで「筑波山にママチャリと徒歩で登りたい!」と思い立ちました。
実験1: ママチャリ+徒歩で宝篋山に登る
ただ、いきなり筑波山に登るのはさすがに危険な気がしました。そこで、筑波山のすぐ南にある宝篋山までママチャリで行き、徒歩で登って降りてママチャリで帰るということをしてみました。これが2023年の6月でした。
宝篋山は標高461mと、筑波山の半分くらいです。さらに、位置も大学に近く、大学から片道9kmくらいで麓まで行けます(筑波山は筑波山口まででも16km)。
これは無事達成できました。この実験で、ママチャリ+登山のスタイルを大体確立しました。
実験2: ママチャリで霞ヶ浦一周110km
茨城県には、日本第二位の面積を持つ湖、霞ヶ浦があります。つくば霞ヶ浦りんりんロードはその名の通り、霞ヶ浦も走ることができます。そのため、ママチャリで長距離を漕ぐ練習も兼ねて、2023年7月の猛暑日に霞ヶ浦一周ショートコースを走りました(どうしてよりによって猛暑日に…)。
霞ヶ浦周辺はほぼ平地ですが、猛暑の中110kmを愛車(変速なしママチャリ)で走ったので、すごく疲れました。ただ、とりあえず平地を長距離走ることができるとわかりました。
トレーニング: 筑波山口までの往復
あとはトレーニング(?)して体力をつけるのみです。2023年の終わりごろから頻繁に筑波山口までを自転車で往復しました。主な目的としては「ものづくりのための体力作り」なのですが、裏目的として、今回の登山のためのトレーニングがありました。
何度か同じ道を走ることで、体感でペースを掴むことができるようになりました。また、徐々に走るスピードが速くなって少し楽しくなってきました。こんなことを言いつつも、乗っているのは変速なしママチャリなんですが…
実験3: ヒルクライムをやってみる
筑波山口から筑波山神社までの上り坂は結構きついことが地図からも明らかでした。そこで、2024年の4月上旬(つい最近)に、いつもの筑波山口往復のついでに下見がてらヒルクライムをやってみました。
すごくきつかったのですが、完全に不可能ではないことと、急すぎるところとママチャリでも頑張れば漕げるところがあることがわかりました。そこで、きついところは無理せず歩く方針にして、筑波山登山と合わせるときにもヒルクライムを入れてみようということにしました。
直前準備
サイクリング+筑波山登山の前日は頑張って早めに寝ました。いつも少し遅くまで起きてしまうので、早寝するために体調が悪い状況で登るのはまずいので前日に軽く運動して疲れるようにするなどの工夫をしました。
さらに、サイクリングは特に荷物の重さでキツさが変わると考え、持って行く水の量を吟味しました。そして、麦茶1300mLとスポーツドリンク1500mLを持っていくことにしました(結局スポーツドリンク500mLは下山中に別の人にあげたので飲みませんでしたが)
他にも、上着や万一のときのための着替え、怪我したときのための道具などをまとめて前日に準備しました。
当日は、朝起きて体調が万全なことを確認して、着替えて出発しました。
まとめ
色々と準備した結果、無事ママチャリ+徒歩で筑波山に登れて満足です。
そろそろママチャリを卒業すべきな気がしているので、新自転車の購入を検討中です。
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