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The Beatles 全曲解説 Vol.74 〜I Need You

後の伴侶に捧げたあったかナンバー “I Need You”

『Help!』4曲目。
ジョージの作品で、リードボーカルもジョージが務めます。
映画では、 “The Night Before” と同じく、戦車に囲まれながら野原で演奏する場面で登場します。

“Don’t Bother Me” から2年ぶり、ジョージ2作目のオリジナル曲です。
前作は少し捻くれた感じの歌詞が光るニヒルな楽曲でしたが、今回は優しいメロディに素直な愛を歌った、非常にあたたかな作品となっています。

まだまだ作曲を始めたばかりの時期の作品のため、気を衒ったものではないシンプルな作品ですが、ジョンやポールとの差別化を図る工夫はここでも見られます。

特徴はなんと言っても、ボリュームペダルを使用した、ほんわかとしたギターサウンドでしょう。
ビートルズの楽曲で、ここまであからさまにギターにエフェクトを加えた楽曲は初めてです。

ジョージは、ビートルズメンバーの中でもとりわけ独自のサウンドの追求に余念がありません。
12弦ギターをいち早く導入したのもその現れと言えます。
この傾向については、後発のアルバムでも頻繁に触れていくことになるので、筆者も復習に腕が鳴ります!

そんな、クールなジョージにしては甘すぎるくらいに優しいこの曲ですが、題材になったのはこの女性の登場です。

パティ・ボイド(1944-)。
のちにジョージの妻となる女性です。

彼女は1964年、映画『A Hard Day’s Night』の撮影中にジョージと出会います。
彼女は当時無名のモデルで、映画にも端役のエキストラとして出演したに過ぎませんでしたが、ジョージに声をかけられたことをきっかけに急接近。
1966年に、ジョージと結婚するに至ります。

そんなパティですが、ご覧の通りかなりの美人で、結婚後もかなりモテました。
実はジョンやポールですら彼女を狙っていたのでは?
と言われるほど。

そして彼女、後にあるロックスターの大名曲にも影響を与えていくことになるのですが、それはまた後の機会に詳しく触れたいと思います!

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