私の両親には、「いつか住みたい」と思い続けていた場所がありました。
中部地方のとある海沿いにあるその町は、
若き日の父と母が初めて出会った地であり、
毎年の家族旅行の行き先でもありました。
子供たちが独立したあとも、夫婦で何度も訪れていた大切な場所です。
とても気に入っていたその町に、父と母がふたりで移住したのは六年前。
六十代後半での決断でした。
今も、楽しそうに暮らしています。
長年の夢をかなえるまでにどんなことがあったのか、
私たち家族の記録として、これから書いていきたいと思います。
では、次回から本編に入ります。