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連続ブログ小説「南無さん」

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あなたが深淵を覗くとき、深淵もまたあなたを覗いている。
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2016年2月の記事一覧

連続ブログ小説「南無さん」第五話

秋は夕暮れ。弓なりになって雄叫びを上げた南無さんは、フッと糸が切れたように後ろへ倒れこむと、やがて静かに射精した。

寝転がっていると、公園の芝生が背中をちくちくとくすぐるようで、それが気持ちよくて、南無さんは二度目には勃起もせずにサラリと流し出した。さながら乳白色の泉が湧いて出たようである。

山に帰るカラスの一羽が、通りざまに糞を落としていった。南無さんの少し手前より投下されたそれは、慣性にし

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連続ブログ小説「南無さん」第四話

春はうららか、南無さんの朝は起き抜けの放尿から始まる。

寝床からかわやへ向かう間に、申し訳程度に身につけていた布はすでに脱ぎ捨てられている。生まれたままの姿で放たれる黄金色の水は、ジョボジョボと深淵の闇へ吸い込まれていった。一糸乱れぬ大放尿。梵我はここに一如である。

日課を終え、南無さんはかわやを後にする。その表情は穏やかでありながら、澄み切った鋭さをもたたえていた。

残尿はない。陰茎を振る

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連続ブログ小説「南無さん」第三話

バシッ! と、空をはじく音があたりにこだまする。

乾坤一擲、放たれた南無さんの一撃は空を裂き、彼方へと飛来。日本列島を上空より俯瞰したのち、遠く琵琶湖へ着床した。

フゥ、いまのは、なかなかの抜き手だった。

自身でも頷くほどの、勢いのある射精。

標高3,776米、富士山剣ヶ峰。吹きすさぶ烈風に身を晒しながら、南無さんの体からは汗が吹き出し、湯気が立ち上った。どれほどのカロリーを消費したのだろ

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連続ブログ小説「南無さん」第二話

ひどく冴えた冬の朝のことである。南無さんの体に異変が起きた。

すなわち、徐波睡眠下における下腹部海綿体への過剰送血、いわゆる朝起ちである。

これを必定、生命の危機と感じた南無さんは、取るもの取り敢えず、穿くもの穿き敢えず、枕を引っ掴むや否や、キラキラとカウパーの尾を引きながら、家を飛び出してしまったのだった。

全裸の南無さんを見かねたのか、道行く青年がこれに声をかけた。

おいおい、あんた、

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連続ブログ小説「南無さん」第一話

南無さん、南無さん。

白昼往来、己を呼ぶ声に南無さんが振り返ると、そこには一人のTENGAが立っていた。南無さんはこれに何用かと尋ねる。

南無さん、いまあなた、いやらしいことを考えていた。そうでしょう。そこでゼヒ、ぜひわたしを使ってもらいたい。いかがだろうか。

南無さんはこの手の押し売りには慣れていたので、社交辞令としてTENGAをひと撫でふた撫でぐらいしてから、やっぱりいいよ、今日は気分じ

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