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「科学者が脳と心をつなぐとき」

泣きました。久しぶりに読書で泣けました。やっぱりいい文章って一気に読めますし、何だか脳に刻まれたのを感じますよね?そんな今回の本📕はこちら👇

「科学者が脳と心をつなぐとき」糸川昌成 著

おそらく速ければ2時間、遅くとも4時間位で読み終える一冊で、新書に近いサイズですがフォントが大きいので、新書より読みやすいと思います。

精神科の臨床医でもある遺伝子研究者が、様々な角度から統合失調症について語るという本書ですが、その前半では、現在(初版は7年前だが)の遺伝子研究からみた、統合失調症について語られ、その研究の過酷な実際や臨床を経験しているからこそ発見できることなどが赤裸々に綴られると伴に、かつての統合失調症との考え方の違いや、「抑える病から治る病へ」の大転換が、今後起こる可能性を期待させる内容です。

しかし、読み進めるにつれ、作者が何故にその過酷な道(精神科の臨床+遺伝子研究)を選択したのか?という疑問に突き当たります。後半ではその深い理由が明らかにされますが、この話しはマジで泣きます。

そして最終盤、精神科の臨床医と遺伝子研究者という二足のわらじを履いた作者だからこそ、誰もが納得できる深い一言を読者に伝えます。

それがこちら👇

脳と魂の違いが理解できた読者には、この言葉が深く突き刺さる筈だ!

遺伝子研究者が魂を否定しないどころか、魂とは何か?を本書では自らの体験を通して説明しています。そこには、浅い心霊的な意味合いや、オカルト的な怖いもの見たさなどではなく、人間社会で生きていくうえで本当に大切なものは何か?を気付かせてくれます。

また、ややもすれば薬の調整が必要のように考えがちな「再燃(悪化)」に関しても、それが症状なのか?現象なのか?を見分けなければ、いくら薬を脳に作用させたところで、根本的には改善できない(魂には作用しない)ことを科学的に指摘しています。

私の文章力では、ネタバレせずに本書の面白さを伝えるには、力不足ではありますが、もし、あなたのお勤め先が公立系の病院や施設であるならば、書庫や図書室に本書が紛れている可能性が高い(公立系の出版元みたい?)ので、ぜひお探しいただきたい!

そうでなかったとしても、サイズから言うと定価1400円+税は、やや高めの設定ですが、内容は0一つ増えても買って読む📖👓価値のある書籍ですから、是非とも、買って読んでいたただきたいと思います。

終わり

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