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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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2023年6月の記事一覧

子どもの変化

「教育のバランス」 幼児教育を通し、子ども達の成長発達を見ていると、指導内容にもよるのですが、2~3ヶ月のサイクルで変化していく状態が見えます。私達の身体は、日々新陳代謝を繰り返し、血液も、細胞も入れ替わります。この細胞の入れ替わりと、子どもの変化(能力的)に関係があるのかも知れません。乳幼児期の身体にとって必要な栄養素や運動、対する乳幼児期の脳に必要な栄養素と刺激、親としては共に関心を示すべきなのでしょう。 以前に紹介した「脳の神経細胞数から見た人間」の図があります。

「へいわっていいね」独り言

「子どもの心」 今朝、ウグイスの鳴き声で目が覚めた。実に気持ちの良い朝だ。我が家の周囲は樹木が多く、野鳥も多い。今日も平和な一日でありますようにとベッドから起きた。 先月亡くなった我が母の遺品整理がようやく終わった。昨日、雨の降りしきる中、主を失った家具がトラックの荷台に積み込まれ、長年一緒に過ごした家を後にした。業者は使わず、必要のなくなった家電製品を除き、全て処分は子どもや孫達の手で行われた。これで、今週末行われる49日法要と納骨を済ませると、子ども達、孫達一同で母を

読めない、書けない

「子育ての順序」 我が子の小学校入学を来年に控えた保護者がそろそろ慌て出すのが、文字数の読み書きです。子どもは、急に文字や数を読み書きするわけではありません。そんなの当たり前と考えても、では、文字や数に興味を持ち始めるにはどんな指導や刺激が大切なのかという疑問が沸きます。幼児が平均的に文字や数に興味関心を示す時期は3歳半と言われています。それは、我が国の家庭や周囲に文字や数の情報が幼児の周囲に満ちていることを示しています。しかし、平均と言うことは、興味関心を示すことが遅いこ

これからの幼児教育

「母親だからわかる幼児教育の必要性」 政府の進める教育改革に学制の変更がありました。それと同時に義務教育の年齢引き下げ案も論議されるまでになりました。諸外国では、幼児教育の重要性はかなり前から認知されており、学習のスタート、いわゆるヘッドスタートを巡る論議も盛んに行われていました。アメリカでは、セサミストーリーに代表される、言語教育に最重点が置かれました。子どもの知的発達に欠かすことの出来ない言語能力は、その国の国力に影響するとも言われています。 我が国では、幼児教育は民

イメージと理解

今日2回目の更新です。 これからの学習で、子ども達に必要とされる「問題解決能力」を養うためには、刺激や繰り返しだけでなく、学ぶ内容のイメージが重要となります。算数では、何かと数字中心に指導が進みますが、数字に至る手前の具体的思考と、具体的思考に至るまでの学習の導入が重要になります。 算数指導(?)でよく見られる数え主義と呼ばれる、指を折って数を数える指導では、小数・分数、掛け算・割り算などで躓く原因ともなっています。当初は速いのですが、問題の内容が次第に複雑になるにつけ、

ことばの軽さが気になる「独り言」

「全てはことばの乱れから」 先日、週刊誌の取材で、「小学校の入学式で、校長や来賓の挨拶に飽きた新1年生が暴言を吐いた。」ということを伝えた。大阪で問題となっている小中髙の校内暴力行為・恐喝・虐め問題に対応する大阪市についての取材だった。ことばの乱れは幼児から始まる。それは、子育ての過程で親から覚える事が多いのだが、幼稚園や保育園で友達から影響を受けることも多い。いずれにせよ、ことばの乱れの源は家庭にある。ことばを使い、物事を考え、理解し、伝えるのだから、ことばの乱れはそのま

授業に出てくる用語?

「指導法を考える」 和・差・積・商・加・減・乗・除・自然数・整数・等号・不等号・正の数・負の数・項・同類項・絶対値・符号・逆数・奇数・偶数・累乗・指数・係数・定数項・方程式、これらの単語は、中学1年生の1学期に出てくる数学の用語です。中学では、こうした語句の説明にあまり時間をかけて説明はしません。これが、子ども達の躓きの原因として上げられます。先生が行う「説明の理解不足」、後に致命的な学習結果として表面化します。その一番の問題点である「語句」の解釈は、例の子ども達が陥る「わ

学習はカウンセリング

「教育現場のカウンセリング」 学力で悩む子ども達の対応は、年を追う毎に、次第に難しくなってきています。こども達自身が学ぶ事の目標を見失い、学ぶ事を避けているように思えるのです。学習相談は、勉強が面白くて仕方がないと言う子どもではなく、どちらかと言えば勉強がわからない、出来ないという立場の子ども達です。また、学力に悩む子ども達の大半が、生活全般で自立心がなく依存度の強い子ども達です。このような傾向が塾における個別指導を発展普及させました。ところが、その個別指導で自立心のない大

知識偏重でありながら「独り言」

「知識獲得へ向けて」 急激な角度で学力重視に向かう教育界だが、その方向性に、現場も子ども達も、そして保護者もついて行けない状態ではないだろうか。こうした社会の変革期では、必ず犠牲者がでる。それは、時代の急激な変化に脳が対応できないからだ。先を読み、準備をするだけの余裕もない。子ども達の学力に目を向けると、知識偏重教育からの脱却を目指し、思考力重視へと大きく舵を切った教育界だが、思いの外子ども達の学習知識は浅く、必要とされる語彙力も不足している。ゆとり教育にどっぷりと浸かって

子どもと授業と緊張感

「温故知新」 長岡のK園長から、「あの授業」と言われ、当時を思い出しました。教務の責任者という立場で、実に多くの先生方が授業見学に来られました。先生方は、全国各地から来られます。ただ、生徒とは1週間に1度だけなので、当然ですが授業中は子ども達に集中します。最近、平成の子ども達には授業中に緊張感がないと感じています。たぶん、日頃から緊張する場面は多くないのかも知れません。それは、学習自体を軽視する傾向も併せ持っています。私の授業は全員参加型の授業です。知識では私は子ども達に勝

考え方を子ども達と

「意志の伝達を」 先日のテレビ出演で、司会の羽鳥さんから、ゼロ・トレランスの考えに「賛成ですか、反対ですか」との質問を受けました。私は、先に「賛成です」と結論を言いました。これは、子ども達に常に指導している事でした。私は、数学の担当ながら、国語指導も時に行います。数学の論理的思考を考え方に活かす為です。特に、小論文指導では、まず先に結論から始めようと伝えています。まず、「自分がどう考えているのかを明確にする」このことを小論文では大切にするよう指導しています。そして、次にその

子ども達の壁

「ことばの壁、思考の壁」 幼稚園や保育園と小学校の違いをご存じですか。意外と知られていないことですが「ことばの違い」なのです。昨日は、縦割り社会の弊害について教育とからめお話をしました。幼児と小学生指導で一番の壁がこのことばの違いなのす。小学校と幼稚園などの交流は、子ども同士の交流だけでなく先生同士の交流も必要です。しかし、これが行われていません。何故ならば、小学校の先生は学習指導が中心で、生活指導を大切に扱っている幼児指導とは、使われることばは大きな違いがあります。ことば

教育界の構造的問題 縦割りの弊害

「制度よりも…」 教育改革の一つの柱でもある、6・3・3制の見直しが白紙に戻されるようです。すると、教育改革の方向は一気に一貫教育へと流れていくと予想されます。現在行われている一貫教育は 正式な制度ではありません。実際、小中一貫教育校が何校あるか正確な数は分かりませんが、文部科学省の調査では、09年度に「〇〇学園」といった組織は全国47自治体で111を数えます。13年4月現在で教育課程の特例制度を活用して6・3制の区切りを変えて実施しているのは、4・3・2制が127校、5・

考える事が出来る為のことばを持て!

「言葉がけと読み聞かせ」 ことばの数と成績は比例する。私の教育論によく出てくる一節です。授業風景を思い描くと、授業を成立させているのが「ことば」であることが解ります。授業では、まず、挨拶から始まり、次に学習内容を伝え、説明に入ります。勿論、指示や質問、音読、黙読、演習などが織り込まれ授業が成立します。これら全てに「ことば・文字」が必要となります。時に、ことばは、空気と同じ存在になることがあります。意識せず使っている事が多いのです。昨日、私はテレビに生出演をしました。テレビ出