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イメージと理解


問題解決能力

今日2回目の更新です。

これからの学習で、子ども達に必要とされる「問題解決能力」を養うためには、刺激や繰り返しだけでなく、学ぶ内容のイメージが重要となります。算数では、何かと数字中心に指導が進みますが、数字に至る手前の具体的思考と、具体的思考に至るまでの学習の導入が重要になります。

算数指導(?)でよく見られる数え主義と呼ばれる、指を折って数を数える指導では、小数・分数、掛け算・割り算などで躓く原因ともなっています。当初は速いのですが、問題の内容が次第に複雑になるにつけ、指を折って計算する方法では立ちゆかなくなって来ます。文書問題など、具体的に内容を理解し、式を立てることが難しくなるのです。つまり、学習の内容理解が出来ていない計算能力では、様々な応用問題に対応が出来ないのです。

問題理解は、もう一つ、イメージが大切です。図にあるように、足し算のイメージ「あわさる・一緒にする・くっつける・加える・まとめる等」のことばをタイルを使ってイメージ処理をします。イメージ処理には、図には書きませんでしたが、足し算の意味である「合併」、時間的経過を意味する「添加」「増加」を具体的に操作することでイメージが出来てきます。すると、最も1年生の概念としては難しい、引き算の指導にもこうした具体的な操作を通した、イメージ処理が可能となります。引き算でも、概念として簡単な「求残」、これに対して「求差」「求補」「求大」「求小」など、数式だけではイメージ出来ない問題の理解も、タイルを使用した具体的な操作が可能となります。

これは、掛け算指導でも同じです。図のように「2ずつまとまって増えていく」、これは足し算のようにバラバラに増えていく計算とは違います。このまとまりの計算イメージが、その後学ぶ四則混合計算で役に立つのです。割り算も同様です。視覚からのイメージ、そしてタイルを使った具体的操作学習、フィジカルとイメージを融合した学習指導が、問題の本質をよりクリアにします。こうした系統性を持った指導こそ今の時代が求めるものだと思います。

問題を考えるとき、図に表したり、表にまとめたたり、線分図を書いたりする方法は、問題分析に他なりません。それは、問題の本質を理解していなければ出来ないことです。子ども達に求められている「問題解決能力」は、問題理解がまず必要です。ということは、指導の善し悪しが、子どもの能力に大きな影響を及ぼすということを意味しています。学力新時代は、子どもだけでなく、私達教師にも厳しい時代だと言えます。

2014/6/20


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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