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「へいわっていいね」独り言

「子どもの心」

今朝、ウグイスの鳴き声で目が覚めた。実に気持ちの良い朝だ。我が家の周囲は樹木が多く、野鳥も多い。今日も平和な一日でありますようにとベッドから起きた。

先月亡くなった我が母の遺品整理がようやく終わった。昨日、雨の降りしきる中、主を失った家具がトラックの荷台に積み込まれ、長年一緒に過ごした家を後にした。業者は使わず、必要のなくなった家電製品を除き、全て処分は子どもや孫達の手で行われた。これで、今週末行われる49日法要と納骨を済ませると、子ども達、孫達一同で母を送ることが出来る。今朝も、親子間で起きた殺人事件が報道された。しかし、びしょ濡れになりながら荷物や家具をトラックに積み込む「母の孫達」の姿を見て、親が何を残すべきか、何を伝えるべきか教えられた。孫達が、家具を処分した後、主を失いがらんとした家に入り、手を合わせている光景に、言葉には言い表せない感情が沸いてきた。正に万感胸に迫る思いだった。

1冊の絵本を紹介したい。作者は 安里有生さん、絵は長谷川義史さん、そして絵本の題は「へいわってすてきだね」(今月23日の沖縄の「慰霊の日」にあわせ、全国で順次、ブロンズ新社から発売。税抜き1400円)」

作者は沖縄県に住む当時6歳の男の子安里有生君だ。彼が見たこと、感じたことを素直な心で捉え、表現した詩に感動された人気絵本作家の長谷川義史さんが絵本にした。その一節をご紹介すると、

ねこがわらう。
おなかがいっぱい。
やぎがのんびりあるいてる。
けんかしてもすぐなかなおり。
ちょうめいそうがたくさんはえ、よなぐにうまが、ヒヒーンとなく。
やさしいこころがにじになる。
へいわっていいね。
へいわってうれしいね。
みんなのこころから、へいわがうまれるんだね。
ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。
このへいわが、ずっとつづいてほしい。
みんなのえがおが、ずっとつづいてほしい。

我が国では、政府が強引に押し切ろうとしている集団的自衛権問題がある。国民の安全と幸福、そして平和のためと綺麗なことばで着飾ってはいるが、戦争やむなしという事に変わりはない。平和という意味を考えると、そこには人の心のあり方が大切なのだと思えてくる。特に、この詩からその事が素直に感じ取ることが出来る。

紹介記事の中に、『長谷川さんは言う。「平和のために戦いに行くなんて、そんなことから平和は生まれへんねん。優しい心からじゃなきゃ。それを安里君が教えてくれている」』

時同じくして、 麻生太郎副総理兼財務相が集団的自衛権をいじめに例えるというニュースが飛び込んできた。先の都議会の女性蔑視のヤジ、石原伸晃環境相の「最後は金目」発言、立て続けに起こる問題発言の中身は全て「蔑視」という点で共通している。「おごる平家久しからず」ではないが、政権を奪われた時の自民党にまたも戻ってしまったようだ。いっそのこと、子ども達に政権を譲ってみては如何だろうか。正直な所、こんな事を書くこと自体、嫌悪感が走ってしまう。心の中にある本音は、時としてことばによって表現される。一度出たことばは、その人の心を表しているのだから説得力がある(?)。最早、失言という名の本音が、政治家の思想信条と人格を表しているようだ。

平和を論じるとき、子どもの視線や意見も十分取り入れるべきだと思う。何も、大人だけが論じることではないだろう。なんのしがらみも、利害関係もない子ども達の素直な気持ちや考えをもっと大切にすべきだ。麻生さんに申し訳ないが、今回失言をされた政治家の方々の本音の部分に「いじめ」の本質があることをご認識頂きたい。いじめの構造を作り上げているのは、こうした大人の考え方が根底にあることを。

「へいわってすてきだね」是非お読み下さい。

2014/6/23


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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