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抑え込まれた欲望に魅了される📖私の消滅と塩田千春さん


先日、塩田千春展へ行った時、森美術館の書籍コーナーで、ふと惹かれた一冊📖



塩田千春さんの「トラウマ/日常」という作品が表紙となっていて、こんな出会い方で 読む一冊を選ぶのは初体験。


「記憶とは?」「人格とは?」と撹乱させられる、何とも覚束ない脳のカラクリで成立されたミステリー👁
語られる一人称に、感情移入先が混乱します👥


以前読んだ、中村文則さんの「去年の冬、きみと別れ」も思想の歪んだ登場人物ばかりだったけど、この作品も出てくる人達みんな歪んでる。
犯罪者の心理描写が、異端すぎてゾワゾワ。


こういう悪意や狂気の溢れた作品が、人を惹きつけるのは、誰でも心の中に少なからずそんな一面を持っているから?


心理学というものに答えを求めるなら、
「禁止されると やりたくなる」カリギュラ効果に影響されているようだ🧐

昔話に出てくる、
「覗いてはいけません」と煽られた、鶴の恩返しおじいさんの それ。


現実で放ってはいけない 悪意や狂気を、疑似的に放ってくれる作品を味わう事で、負の欲望を満たしているのかもしれない。


塩田千春さん表紙の世界観と相まって、「私って何から できあがってんの?」とザラザラ哲学的に内省させられる一冊でした☺︎


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