「ロッキー4」ディレクターズカット版完成によせて
以前から製作が噂されていた「ロッキー4/炎の友情」のディレクターズカット版が、ついに完成を迎えたようだ。
シルヴェスター・スタローン氏(以下スタローン)監督・脚本・主演作:「ロッキー4/炎の友情」(1985年)。
シリアスなヒューマンドラマ・恋愛映画としての色が濃かった初代「ロッキー」と異なり、本作は娯楽アクション・スポ根色を全面に打ち出していた。よって初代「ロッキー」のようにアカデミー作品賞を獲り得る作品とはならず酷評の声も多かったようだが、娯楽映画的な観点からすれば傑作と言ってもよい。
「Burning Heart」「Heart's On Fire」等の楽曲を効果的に用いた軽快なMV風演出・非常にダイナミックな(少々やり過ぎとも言える)ロッキーの雪山修行シーンは、何度観ても心を踊らされる。そして事実上本作の直接的続編となる映画「クリード 炎の宿敵」(2018)が問答無用の大傑作となったことで、本作の世間的な汚名は払拭されたのではないか?と感じている。
そのディレクターズカット版が、先の11月11日、アメリカにおいて一日限定で劇場公開された。オリジナル版の持ち味である短い尺は維持したまま(91分→93分)、40分もの追加映像に差し替えられているそうだ。なんという贅沢な作り!
海外のファンの感想を調べれば詳細は判明するはずだが、俺はネタバレを避けたいので極力情報を仕入れないようにしている。
事前予想の範囲では、本作で悲劇的な運命を辿るロッキーのライバルかつ親友:アポロ・クリードと宿敵イワン・ドラゴとの戦いが、より具体的に描かれるのではないか?と考えている。ディレクターズカット版は「ROCKY vs DRAGO」という副題が付けられてはいるが、オリジナル版においても両者の特訓・試合シーンは十分過ぎるほど綿密に描かれていた。一方、「クリード 炎の宿敵」で息子世代:アドニス・クリードとヴィクター・ドラゴが対峙したことを考慮すれば、両親の因縁を強調しておくことは想像に難くない。
そんな「ロッキー4」ディレクターズカット版は、残念ながらまだ日本における上映・配信の予定が決まっていないようだ。劇場で鑑賞したい想いは強いが、アメリカでもたった一日しか上映していないのだから望み薄だろう。一日でも早く日本国内で配信が開始されることを、一スタローンファンは今か今かと心待ちにしている。
(見出し記事はスタローンのインスタより引用しました。)
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