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#詩

凍て鶴に星がまたたきはじめたか

凍て鶴に星がまたたきはじめたか

季語:いてづる( 三冬 ) 現代俳句

凍て鶴は、寒さで凍てついたふうの鶴のこと

首を羽の間にはさんで
片足立ちでじっと立ちつくすそうです

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空壜

空壜

路地の奥、無数の役割のないパイプの奥

そのドアを開けて、さらに奥、

勤勉に廻転する室外機の上に佇立するのは、

すべての夜とすべての朝陽の、

〈時間〉をもつ透明な王―

そこに立つ、ということのみごとさを

容易に跳ね返しながら、

峻厳として、存在しない。

認識とかかわる存在をすべて否定の閾値にくりいれ、

かれは〈無〉さえも関数にする。


狭隘な路地裏はそれでも宇宙である。

一つ

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「雨のカロン」

「雨のカロン」

煙るシトラス、燻り続けるペパーミント、
風の街は雨を待つ、街路に立つ子は、
傘に仕込んだライフルで、天を貫く銃声あげた、
暗い雲が閉ざしいるから水門さえも撃ち抜ければと、
無言の空は砂漠をさらに拡げろと、
水の色の雨をくれない、

雨のカロン、俯く視線、かつての湖、
へばりつく影は青、爪先に蹴る土は褐色、
水に消えた国を棄てたら、渇きの果てに声のない街、
雨のカロン、歩みに並行する無色、

ガラス

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