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「雨のカロン」
煙るシトラス、燻り続けるペパーミント、
風の街は雨を待つ、街路に立つ子は、
傘に仕込んだライフルで、天を貫く銃声あげた、
暗い雲が閉ざしいるから水門さえも撃ち抜ければと、
無言の空は砂漠をさらに拡げろと、
水の色の雨をくれない、
雨のカロン、俯く視線、かつての湖、
へばりつく影は青、爪先に蹴る土は褐色、
水に消えた国を棄てたら、渇きの果てに声のない街、
雨のカロン、歩みに並行する無色、
ガラスでできた地球儀は、いつかの海辺に沈めてしまった、
深海にて球体は、宇宙の星のふりをするだろう、
鉄塔には降水予知機が鎮座まします、しかしは観測されたことがない、
神はその高みの視座に、表情ひとつ変えなかった、
無慈悲にさえ慈悲はあるのだ、そうすり替えては手を振って、
人の這う地上から飛び去った、
雨のカロン、傘に仕込んだライフルが、
神の手さえもすり抜けて、渇きに散る地に優しい水を、
雨のカロン、シトラス、ミントが香る街、
昼夜いとわず引き金を弾く、
頭上から、眺めるだけの救いの者へ、
どうか空が泣きますようにと、
photograph and words by billy.
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