衛藤彬史(えとう・あきふみ)

農村について研究しています。 1987年東京生まれ。大学で京都に。兵庫県養父(やぶ)市…

衛藤彬史(えとう・あきふみ)

農村について研究しています。 1987年東京生まれ。大学で京都に。兵庫県養父(やぶ)市での地域おこし協力隊、神戸大・学術研究員等を経て、2020年より兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)の研究員。専門は農村計画学 https://akifumieto.net/

最近の記事

主題歌”二度寝”から読み解く「ふてほど」ラスト考察(核心編)

TBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」にどっぷりはまっております今日この頃。 前回の記事では、劇中に登場するバスは主題歌との兼ね合いで導入されたのでは!?という憶測について述べました。 そして、この憶測を書いているうちに、新たな憶測が浮かんでしまい、急遽、稿を分けて第2弾を書いています。 この記事では、「ではなぜバスが導入されることになったのか」について深堀りして妄想してみたいと思います。 ※ネタバレがあります。 はたしてバスは歌詞との兼ね合いだけで導入されるだろ

    • 主題歌”二度寝”から読み解く「ふてほど」考察

      TBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」にどっぷりはまっております今日この頃。 監督は宮藤官九郎(クドカン)、いわく「自分たち世代(50歳代)にはウケると思うんだけど、下の世代にはどうかな…?」なんて発表会見では言っておりましたが、むしろ昭和の空気感と令和の空気感のどちらにも理解できる部分がある30歳代(キャストでいえば仲里依紗世代)にしっかりハマっているように感じます(きわめて狭い私的領域での反応から)。 かく言う私もギリギリ昭和世代(1987年生まれ)なので、生まれ

      • ウンブリアレポート~イタリア・オリーブオイルをめぐる旅

        (なんかNHKの番組っぽいタイトルになってしまいました) 2024年2月にイタリア・ウンブリア州にある「丘陵地帯のオリーブ畑」を現地視察しました。この一帯はGIAHS(世界農業遺産)※に認定・登録されています。 オリーブ産地をめぐる旅。イタリアという国がこれほど身近に、かつ魅力的に感じられるようになるとは。 0日目:移動~フランクフルトと漫画寿司 かわいい我が子2人と妻を残しイタリアへ。送り出してくれてありがとう。必ず実りある調査にしよう、と心に誓い空港でお別れをして

        • 妖怪の世界に「これからを生きる」ヒントがある(かも)

          子どもと「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメを見ている。 シーズン3のエンディング曲は吉幾三が歌っていたのか、と驚く。 歌のみならず作詞・作曲も手がけ、歌詞と曲調に水木しげる先生の世界観をしっかりと踏襲しながら、独特に訛り、タイトルに自分の名前まで混ぜ込む遊び心。 さすがは吉幾三、と当時とは違う感想を持った。 そして、当時と異なる感想としてはもう一つ。 ♪ おばけは死なない~ 病気もなんにもない シーズンを追って歌い手が変わっても、変わらず流れるオープニング曲の中で、覚えている

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          原発とエクセルギーハウス

          日本産水産物を中国が全面禁輸にしていることについて思うこと 風評被害。。 日本政府は基準を下回る数値で安全であるとして、中国に禁輸の撤回を求めている。 とはいえ原発事故を起こし、事故処理水を薄めて海に流す国ということには変わりないので、中国側の言い分も理解できる。 (ビッグモーターで受付だけやってる人も白い目で見られるのと一緒) * クリーンエネルギーと言いながら、再エネだけで電力需要を満たせず原発廃止を撤回する動き等は国際的にもあって混乱が見られるが、原発電力の真の

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          ChatGPTと研究

          流行りのChatGPTについて、研究用途で使えそうか、ちょっと実験してみました。 結論から、使い方によってはかなり便利、という感じでしょうか。 「すごい」と言われる理由もわかりますし、「使えない」と言われる理由も分かるな、という感じです。 ChatGPTとは 昨年11月にリリースされ、いろいろと言われているChatGPT。 実際に使ってみるのが一番!ということで試してみました。 文献レビュー まず試したいのは文献レビュー。 既往研究を調べること、その上で自分の研究を位

          オランダ渡航記1/3 Almere フロリアード2022編

          オランダ渡航(10/1~10)のメモを書いてみました。 1つは備忘録として、 もう1つは、 渡航前の情報収集で、こういう情報が意外に役に立ったなーと思ったブログやHPの感じを真似て、書いてみました。 だいぶ長くなってしまったので、前編・中編・後編と3部に分けてお届けします。 全体テーマは「持続可能な農」ということで、アップサイクルの動きを中心にいろいろと見て回りました。 今回は前編。 ということで、まずはアルメレ(Almere)フロリアード2022編です。 10/1

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          コーヒー焙煎と品種改良の話

          コーヒーの焙煎を始めて8年ほどになります。 完全なる趣味でしたが、電動の焙煎機も導入し、今では焙煎のセミナーまでするようになりました。 コーヒーを焙煎している、と言うと、すごくこだわりが強そうに思われることが多いのですが、 セブンイレブンのコーヒーも美味しく飲める人なので、美食のたぐいとはちょっと違うと思っています。 コーヒー焙煎を始めたきっかけ きっかけは山奥の家に住み始めて、近所にコーヒーを飲めるところがなかったことです。 もともとコーヒーは好きなのですが、豆を買い

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          自給する共同体:中央管理から分散自律へ

          (この記事は日本都市計画学会 ライフスタイルが紡ぐまちのみらい研究会webページからの転載記事です) 社会背景行財政の縮小による公共インフラの維持管理問題 国内において人口減少が及ぼす影響と課題の1つに、行財政の縮小による公共インフラの維持管理問題がある。 全国的な人口減少に伴い、ほとんどの地方で行財政がますます悪化する中、公共インフラの維持・管理にかかる費用負担が課題となっている。道路・水道・電気・公共交通といったいわゆる公共インフラの維持・管理に加えて、高齢化の進展も

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          学術の意義と業界と

          珍しくGoogle アラート*1で「過疎地交通」に関する論文が4件ヒット*2したので、見てみるとすべて土木学会の論文集でした。 (おそらく特集でも組まれたのではないかと思います) 私は所属していませんが、土木学会は昔から交通を主要なテーマの1つに据えているわりと大きな学会です。 これまで都市(あるいは地方都市)を主な対象にした、またバスや鉄道を対象にした運行計画や路線計画など、いわゆる交通計画(交通行政や運送法上の交通)に関する論文が多かった印象ですが、今回は”過疎地”の

          夢に見た鬼ごっこ

          ルールの知らない鬼ごっこが始まる夢をみた。 その鬼ごっこの名前は夢の中では「色おに」だったが、 起きたら知っている色おにではないとわかる。 一人一つおまじないの呪文を持っていて、 鬼に捕まりそうなときにその呪文を言うとタッチされても鬼にならない。 一番最初に鬼になる人には、じゃんけんで勝った人からこっそりとその人用の呪文が伝えられる。 終わった後に、みんなの呪文を一番多く知っている人の勝ち。 そういうルールの鬼ごっこを、ルールが分からないまま参加している夢だった。 始まっ

          EU離脱にまつわる不確かな憶測

          コロナ禍ニュースの陰で、ブレクジット交渉のゆくえや合意点を報じる内容が各種メディアで相次いでみられる。 英政府の瀬戸際戦術、進出企業に危機感 (日本経済新聞:10.5 朝刊) 英「瀬戸際戦術」不発…EUと貿易協定合意 「多くの漁業者 落胆」 (読売新聞:12.26 朝刊) 変異ウィルス確認に関する話題で、一層世間的な注目が集まる英国であるが、今回は国家運営の視点から英国の動向に注目したい。 交渉は英国にとって不利だったのか一連の交渉を受け、「FTAが維持されたことで産業

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          自動運転と都市の未来

          自動運転が当たり前になったとき、何が起こるか―― ちょっと考えてみたいと思います。 自動運転と都市の未来自動運転技術への期待が高まっている。 定路線のバスなどについては、国内でも各地で公道での実証実験がスタートしているし、シンガポールでは2015年から限定エリアでの自動運転バスを走行させており、技術面での課題は少なくなってきている。 他方、制度面における国の動きとしても、国交省の示すロードマップには「2025年をめどに限定地域での無人自動運転移動サービスの全国普及等を目指

          web調査におけるバイアスと対応

          今回は社会調査の1つの方法としてある、webアンケートについて。 web調査とサンプルバイアス インターネットの普及と、このたびの新型コロナの影響もあり、社会科学や統計を専門とする研究者に限らず、インターネットを用いたアンケート調査(web調査)を検討したり実施したりする機会がこれまで以上に増えているのではないかと思います。 筆者も実際にwebアンケートを使った経験がありますが、配布から回収まで短期間で済む、データ入力が不要なためミスがなく集計が簡単など、多くの利点を感

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