notopi

ネポムセーノ

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最近の記事

ポケモン考

世間をさすらう男性諸氏の大半は、定期的にヒゲを剃り落とします。かくいう私もそうです。ヒゲに対しては愛憎の念が入り混じっていますが、いちいち気にしてもいられません。心と顔を鬼にして、機械的にヒゲを剃るのみです。えぐり込むように剃るべし。 ヒゲを剃る際に気になるのが肌の質感です。私の肌の場合、ゴツゴツとしたその触感は岩肌を連想させます。ポケモンでたとえるとイシツブテです。ちなみに、落ちているイシツブテを見つけたら、遺失物として警察に届けましょう。 遺失者(落とした物の持ち主)

    • 肩の匂い

      私は筋トレを日課にしています。身体を鍛える理由はとくにありません。テリーマンとタッグを組む予定もありません(現時点では)。筋トレをした後は、身体から様々な匂いが放たれます。場合によっては、鼻たれ小僧も放たれることがあるそうです。高速度で射出する鼻水は凶器になり得ます。くれぐれも用心しましょう。 人間であれば誰しも、肩から独特の匂いを発します。肩の荷が下りることはあっても、肩の匂いが落ちることはありません。悲しいですね。人生というのは、悲しさと共に進行します。なので、全ての生

      • ミディ=クロリアン考

        全宇宙のスター・ウォーズ狂には説明不要かと思いますが、ミディ=クロリアンとは、あらゆる生命体の細胞内に生息している微生物です。なので、私や貴方の身体の中にもミディ=クロリアンは存在しています。健康診断を受ける機会があったら、ミディ=クロリアン値にも注目してみて下さい。 ミディ=クロリアンは、細胞の中の具のようなものです。なので「サイボーグ」と覚えれば良いでしょう。サイバネティックス(特定の部分を補うための機械)と一緒に覚えても良いかもしれません。R2-D2とC-3POを一緒

        • リンゴの木

          村のはずれの野原に、リンゴの木が生えています。その木はとても大きく、たくさんの葉っぱが風に吹かれてワサワサと揺れています。その賑やかな動きに誘われて、小鳥たちが一羽、また一羽とやってきます。リンゴの木の枝はしっかりしているので、小鳥たちは安心して羽を休めることができるのです。小鳥たちは、木の枝の上で踊ったり、歌ったり、昼寝をしたりして楽しく過ごしています。 リンゴの木に集まるのは、小鳥だけではありません。木の根っこの周りでは、リスたちがほっぺたをプウと膨らませながら、元気

        ポケモン考

          小鳥が残したもの

          どれぐらい昔かわからないほどの昔、ある山奥の村に、1人の青年が住んでいました。ある日の朝のことです。青年がいつものように目を覚ますと、見知らぬ小鳥が枕元で鳴いていました。「いったいどうしたんだい。なぜ鳴いているの」青年は小鳥にやさしく話しかけました。 小鳥は青年の指をチョンチョンと軽くついばんでから、おもむろに羽を広げました。その羽は、鮮やかな青色で覆われていました。「きれいな羽だね。自分が誰かもわからなくなるほどきれいだ」そう言って青年は、小鳥の羽をやさしく撫でました。

          小鳥が残したもの

          ザリガニのハサミ

          身も心も凍えるような寒い湖のほとりに、一匹のザリガニが住んでいました。ザリガニは、湖の周りに落ちているエサを食べて暮らしています。食べられないエサは、顔見知りのカラスにあげています。カラスはいつも、ザリガニがくれたエサを当たり前のように食べるので、ザリガニは不満に思っています。「せっかくエサをあげているのに、ありがとうの一言もないのかよ」ザリガニの心中に鬱積した憤懣は相当なものでした。 ザリガニの不満は、ある日突然、爆発しました。いつものようにカラスがエサを食べよう

          ザリガニのハサミ

          シマウマの島

          その島は「シマウマの島」と呼ばれています。シマウマの島では、たくさんのシマウマが協力し合って暮らしています。一匹では難しいことでも、二匹いれば難しさは半分になり、四匹いれば難しさは四分の一になります。お互いに助け合うことで、それぞれの暮らしを少しずつ楽なものにしているのです。助け合うということは、支え合うということです。シマウマの島では「命の支え合い」をそこかしこで見ることができます。その光景は、手のひらにそっと閉じ込めておきたくなるような綺麗で輝かしいものです。 シマウ

          シマウマの島

          ひな鳥の贄

          鬱蒼とした森の中に、子供たちが隠れ住んでいます。子供たちは、皆一様にやせ細っていました。もう何日も満足な食事を摂っていません。なぜなら、上空に巨大な鳥がいるからです。その鳥は、子供であろうが大人であろうがお構いなしにパクパクと食べてしまいます。そのため、食べ物を取りに出ようとした人間は、もれなく鳥の餌食になりました。食べ物を手に入れようとして行動したら、自分が鳥の食べ物になってしまうのですから、なんとも皮肉な話です。 しかしながら、人間はなにかを食べなければ生きていけません

          ひな鳥の贄

          自販機の売り切れ

          この文明社会において、自販機はそこかしこに佇んでいます。その姿はまるで歩哨のようです。自販機に気取られないように、そっと近づいて耳を澄ますと「ビィィィン」という作動音が聞こえます。ローワン・アトキンソンの姿が思い浮かんだ人は極めて正常です。 夜の自販機は、独特の存在感を放っています。暗闇に輝くその姿は、ライトセーバーを彷彿とさせます。自販機からジェダイ機に名称を変更しても良いかもしれません。ジェダイ評議会の判断を待ちましょう。言わずもがなですが、根回しは欠かせません。 そ

          自販機の売り切れ

          羊とスープ

          僕がベッドに入って、なかなか眠れずにいると、傍にいたお母さんが「眠れないときは、羊を数えなさい」と言いました。 「なんで羊を数えるの?」 「羊を数えるとよく眠れるからよ」 「なんで羊を数えるとよく眠れるの?」 「昔からそう決まっているのよ」 「誰が決めたの?羊が決めたの?」 お母さんは困ったような顔で、僕の顔を見つめています。僕は「質問ばっかりして悪かったかな」と思いましたが、気になるものは仕方がありません。気になったままでは、眠れないのですから。 お母さんは、しばらく考

          羊とスープ

          一人の老人

          遥かな昔、一人の老人が傾いだ木の根元に住んでいました。老人は、生まれてから今の今まで、その木と共に暮らしてきました。村の子供たちは、その老人のことを「木の老人」と呼んで、からかったり、はやしたてたりしましたが、老人は全く気にしませんでした。老人が気になるのは、目の前にある大きな木だけです。大きな木はとても美しく、枝からスクスクと生えた葉っぱに太陽の光があたると、きらきらと光り輝きました。老人は、葉っぱが輝く様子を見て、眩しそうに目を細めました。葉っぱの輝きは、老人の生きる希望

          一人の老人

          スター・ウォーズとファイナルファンタジー

          暑くて外に出る気力が湧かないので、スター・ウォーズとファイナルファンタジー(XII)に登場するキャラクターを重ね合わせてみました。お手すきの際に、はるか彼方の銀河系から覗いてみて下さい。 まずは主人公の登場です。バルフレアはハン・ソロです。議論の余地は一切ありません。俺のせいじゃない(迫真)。彼を狙う賞金稼ぎのバッガモナンは、ジャバ・ザ・ハットです。貸した金 返せよ by借金大王 お次はフランです。獣枠ですね。フランはチューバッカです。フランもチューバッカも、ブチ切れたら

          スター・ウォーズとファイナルファンタジー

          ハイヒール考

          今回はハイヒールについて考えてみようと思います。She gets high heel. ハイヒールという履物を目にする度に、その不安定な形状が気になります。 ハイヒールと地下足袋を比較した場合、どう考えても後者の方が優勢でしょう。足が地に着いている感じがしますよね。 ハイヒールのグラグラ感は、かなりスリルがあります。まるでヘルタースケルターです。イギリスでは、遊園地などに設置されている螺旋状の大型滑り台のことをヘルタースケルターと呼んでいます。I got blisters

          ハイヒール考

          わらび餅慕情

          わらび餅慕情をご紹介します。紹介というか、わらび餅に対する雑感ですね。世間には、わらび餅が好きな人がたくさんいます。ですが、実際には「わらび餅そのもの」が好きというよりも「わらび餅風味のもの」が好きな人の方が多いと思います。 「わらび餅風味のもの」は現世に大量に存在します。チョコ、クッキー、アイスなどがその筆頭です。彼らは、わらび餅本体から受け継いだ風味を一身に宿して、今日も今日とて売り場に姿を現します。わらび→消費→滅びという順繰りですね。Aisumasen (I'm S

          わらび餅慕情

          クマとウサギとカエル(仮)

          『クマとウサギとカエル(仮)』をご紹介します。米原万里さんの著作で紹介されていた小話です。正式なタイトルは不明なので(仮)です。「諧謔の童話」とでも呼ぶべき秀作なので絵にしてみました。それではご覧下さい。 ある日、クマとウサギが森を歩いていました。彼らの目的はわかりません。徳川埋蔵金でも探していたのでしょう。 すると突然、魔法使いのカエルが現れました。涅槃仏ならぬ涅槃蛙は「それぞれに3つの願いを叶えてやろう」と言いました。神龍ならぬ神蛙ですね。  まずはクマの1つめの願

          クマとウサギとカエル(仮)

          153匹の魚

          「153匹の魚」は新約聖書に登場するエピソードです。イエスの弟子達が漁に出ました。弟子の代表格はペトロです。ペトロは、イエスの右腕として活躍しました。左腕に該当する人物はわかりません。エクゾディアとかで良いと思います。 漁を始めてからしばらく経ちましたが、魚はまったく捕れません。釣果ゼロです。そんな人には『釣りバカ日誌10』のハマちゃんの名セリフをご紹介しましょう。「もしかしたら釣れるかもしれないという期待感が釣りの本質だ。たくさん釣れてうんざりするよりも、一匹も釣れなくて

          153匹の魚