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#書評

今さらながらボードリヤールの『消費社会の神話と構造』を読んだら、なかば予想通りとは言えひどい本だった

今さらながらボードリヤールの『消費社会の神話と構造』を読んだら、なかば予想通りとは言えひどい本だった

前々から気になってしょうがなかった本の新装版を見付けたので読んだ。

【タイトル】消費社会の神話と構造 新装版
【著者】ジャン・ボードリヤール
【翻訳】今村仁司、塚原史
【発行日】2015.9.16
【発行所】紀伊国屋書店

フランス語の原著は1970年に出され、邦訳は同じ2人の訳者で1979年に出された。その後今村は2007年に亡くなり、ボードリヤールも偶然同じ年に亡くなっている。「訳者あとがき

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【書評】鷲田清一「思考のエシックス 反・方法主義論」

【書評】鷲田清一「思考のエシックス 反・方法主義論」

 前回の投稿に引き続き、またがっかりした本です。しかし、批判的に読むことで「学び」につながったことは間違いない。(そういうわけでハッシュタグに「最近の学び」も追加しました。)なんだかどうも、壮大なタイトルの本はだいたい、内容がタイトルに負けているのではないかと思ってしまう。それでも最後まで読んだのは、山崎正和がこの本を褒めていたからでもある(※)のですが、おかげで僕の中で山崎正和の株も下がってしま

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【書評】「デザイン・マーケティング・ブランドの起源」泉 利治 著

【書評】「デザイン・マーケティング・ブランドの起源」泉 利治 著

 つねづね、「ブランド」とか「ブランディング」という言葉は、なんでこんなに意味のわからないものになってしまったんだろうかと思っている。そのため、その原因の解明に少しでも役立ちそうな本やその他の情報源は、常時探しているというか、いわゆる「アンテナを張った」状態になっている。そこで、この本をネット上でたまたま見付けた時、即座にアマゾンで注文した。

 著者の泉氏はホンダの系列企業で車のデザインを行い、

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