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アトツギ思考(アトツギ・シンキング)

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アトツギってなんだろう? アトツギ歴40年の自分が今感じていること、考えていることを改めて短い文章にまとめています。 未来の自分と、アトツギに悩む皆さんの役にたてれば嬉しいで…
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2020年10月の記事一覧

「年上の部下」の信頼を如何に得るか?

「年上の部下」の信頼を如何に得るか?

「誰よりも早く出社し、誰よりも遅く退社していました。」

「年上の部下から信頼を得るにはどうしたら良いですか?」という僕の質問への、ライフネット生命を創業した岩瀬大輔さんの回答の一部。たしか2010年くらい。BCGアラムナイ(卒業生)の勉強会でのヒトコマ。

★★★

多くのアトツギは歳若くして責任あるポジションに就くと思う。その時、必ず直面するのが「年上の部下」問題だ。

ナウシカとミト爺のよう

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家業の地雷…それは就業規則

家業の地雷…それは就業規則

「うちは、親父の頃から営業マンに残業代なんて出してないな〜。でも、営業手当はちゃんと払ってるよ。」

ちょっと前、地方中小企業アトツギの友人との会話。

「それたぶん地雷だから、今すぐ就業規則見直した方が良いよ。」とだけ伝えた。

★★★

僕はアトツギの後輩から相談される際は「長く続いている家業には金銭面だけでなく、いろんな資産と負債がある。それをよく見定めて、手を打ってね」というアドバイスをす

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社長適齢期っていつ?

社長適齢期っていつ?

「若くして社長になるメリットもあればデメリットもあり、経験を積んでから社長になるメリットもあればデメリットもある。どちらもトータルしたらだいたい同じくらいだ。だったら、早い方が良いんじゃないか?」

27歳で家業に戻った時に、先代(父親、当時63歳)から言われた言葉。

そして僕は、入社してから10ヶ月後、28歳で社長になった。

それから10年が経った今、若いアトツギからの「何歳で社長になるのが

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親子喧嘩は犬も食わない

親子喧嘩は犬も食わない

「経営会議や取締役会で、社長(親)は現場のことを全然わかってくれない。言えるのは自分だけなので立ち向かうべきでしょうか?」

アトツギあるあるの一つ。

これについても唯一絶対の解答があるわけではないんだけれど、僕はこう答えるようにしている。

親子喧嘩は犬も食わない。

今から3年前、僕は「オフィシャルな経営会議の場で、会長(先代)と議論すべきだ」という信念を持っていた。

それから2年間、3ヶ

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アトツギ視点で見る「風の谷のナウシカ」

アトツギ視点で見る「風の谷のナウシカ」

「みんな 必ず助ける!私を信じて荷を捨てなさい!」

★★★

三歳の娘がナウシカのDVDを持ってきて「これ観たい」と。

おそらく内容はわかっていないだろうし、ジャケットの表紙もそんなにかわいい感じでもないのにおもしろいな、と思って一緒に観ることに。

…涙が止まらない。

ナウシカって最高のアトツギムービーだと気づいた。

ナウシカのような国民的映画について今更ネタバレもないような気もしますが

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100年企業のミッションあるある

100年企業のミッションあるある

アトツギ「お父さん、うちの会社のミッションって何?」

先代「ミッション?そんなもんないよ。」

アトツギ「ガーン(ミッションがないなんて…うちの会社はなんてダメなんだ。)」

アトツギあるあるのヒトコマ。

僕も10年前に同じような会話を父親とした。

その時はミッションではなく「うちの創業理念って何?」という質問をしたような気がする。

そうしたら「そんなものは特にない。その頃、世間に必要とさ

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一代一事業

一代一事業

「うちの家訓は、一代一事業です。」

先日、Nagoya Atotsugi Venture Projectキックオフミーティングというイベントで登壇させていただく機会があった。その際、ご一緒した本多プラス株式会社の本多社長の言葉。

すごくしっくり来たので、うちの家訓にもしたい(笑)

繊維製造業を継いでしみじみと、産業には時代的な役割があるな、と感じる。時代にそぐわない事業を無理に延命することは

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子どもに感謝される株のお話

子どもに感謝される株のお話

「きみは何パーセント、持ってるの?」

アトツギの先輩(当時はまだ専務)の会社に遊びに行った際、お父様(当時の社長。初対面。)からいきなり訊かれた質問。

僕は28歳で社長というポジションは継いでいたし、株についても既に父親よりも自分の所有分の方が多かったので、「だいたい済んでます」とお応えした。

すると

「いやー、それは素晴らしいことだ。お父さんに感謝しなきゃいけないよ。うちはこいつ(先輩)

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遺言を書くのが、社長の最初の仕事

遺言を書くのが、社長の最初の仕事

「で、岩田くんは、遺言は書いてあるの?え、書いてない?社長失格だな、それは。」

これは、某自動車メーカーのディーラー(販売代理店)担当の友人との会話。

地方の販売代理店はファミリー企業が担っているケースが多く、その相続問題は自動車メーカーの経営課題の一つ。なので、自動車メーカーにはディーラーの経営者やアトツギをサポートする専門部署があるとのこと。そこまで考えてるというのは、さすがというか、企業

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アトツギは「鉄の下駄」を履いている

アトツギは「鉄の下駄」を履いている

「アトツギって、親とか家とか事業とか、自分以外の外部要因に縛られてるやん。もちろんプラスになっているところもあると思うけど…なんか鉄の下駄履いてるみたいに見える。下駄履かせてもらって高く見えるけど、歩くのめっちゃ遅いって感じ。」

京都出身のマーケティングスペシャリスト&クリエイターとの会話から出てきた言葉。

そうか、鉄下駄か。言い得て妙。

アトツギは損か得か?と言ったら、ケースバイケースとし

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