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子どもに感謝される株のお話

「きみは何パーセント、持ってるの?」

アトツギの先輩(当時はまだ専務)の会社に遊びに行った際、お父様(当時の社長。初対面。)からいきなり訊かれた質問。

僕は28歳で社長というポジションは継いでいたし、株についても既に父親よりも自分の所有分の方が多かったので、「だいたい済んでます」とお応えした。

すると

「いやー、それは素晴らしいことだ。お父さんに感謝しなきゃいけないよ。うちはこいつ(先輩)が次男だから色々あったけど、最近ようやく目処がついてね〜。」

と笑顔でおっしゃった。株の目処がついたことが、よっぽど嬉しかったんだろうな、と素直に感じた。

株の話は、ほんと難しい。

まず家族内だと、兄弟がいると複雑性が増す。冒頭の先輩は長男さんが独立していたのでまだシンプルだが、社内に2人以上いると難しい。僕の友人で、とても優秀な次男経営者がいるが「生まれた順番だけで、株の比率が違うというのは納得いかない。俺のほうが成果を出しているのに…」と漏らしたことがある。彼の気持ちもわかるだけに、何も言えなかった。

また、家族以外でも、昔は信頼の証として、取引先などに気軽に株を譲渡することが多かったと父親から聞いたことがある。もらった世代は信頼関係がちゃんとあるかもしれないが、世代が変わったらどうなるか?株主として配当を要求してくるかもしれないし、買取要請に応じてくれるかもわからない。

大きい会社だと、自社株を買う為にアトツギが借金するので、その返済で毎月の給料はふっとぶ…なんて話も聞く。当然、相続税も大きい問題だ。

と、株の話は奥が深い。でも、とっても大切な話。将来、子どもに感謝されるように、しっかりと向き合っていきたいと思う。

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