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390.「撮られたくない自由」と「撮る自由」撮られる側の心理を知ってほしい。

美しく撮ってもらいたい自由と権利がある。


写真を撮る人って、
自分だって写真を撮られる場合もある。

プロのカメラマンは人を写すけれど自分が映るのが嫌いな人もいる。
そうですよね、撮られることが仕事ではなくて、撮ることが仕事なんだから。

でも、どうしてプロの人の写真は撮らせるけれど、
一般の人だと嫌がるの?

それには、大切な理由がある。

プロのカメラマンの人たちは、相手の良いところ、良い部分を見つけるのが上手い。そして、その人のさまざまな良い部分を分析して、美しいものを撮るというアーテイスト精神がある。

だから、たかが一枚の写真のために数十枚、数百枚と撮り続けて、その中からたった一枚を選ぶという執念がある。
まさに芸術の世界かもしれない。

それがプロとしての大切なプライドだと思う。

でも、残念ながら素人カメラマン、一億総スマホカメラマンたちは、そこまで考えて撮影している人は少ない。

なぜなら、そこまで考える必要はないし、自分が楽しむだけが目的だから。
でも、「自分が楽しむため」だけのものだからといって、人を傷つけるのはおかしい。
また、その程度では傷なんてつかない。
傷つく方がおかしいなどというおかしな理論まである。

プロのカメラマンの方々を真似すればいいと言っても、そう簡単には真似できない。カメラの技術もあるけれどカメラマンには優れた感性が必要となる。それが創作の世界、真・善・美の3つが独自の世界だからだ。

だけど、一般のスマホで撮る人たちに知ってほしいことがある。

確かに「撮る自由」はあるが「撮られたくない自由」もある。
どちらが重いかといえば「撮られる人の自由の方が重たい」、なぜなら、必ず了承、許可がいる。

撮る側は撮らせてもらう立場だ。

もし、撮らせてもらう立場が嫌なら、その相手を撮らなければいいこと。
だけど、撮りたい。
撮ってどうするのか?といえば、人に見せたい、あげたい、記録にしたい、SNS等でたくさんの「いいね」をもらいたい。

自慢したいんだよね…。
それらも悪いことじゃあない~

だけど、「撮られる側の心理」を理解してほしい。

それは、撮られる側はまず自分の姿を気にする。
何を気にするかといえば、自分がどう撮られているか?
自分が気に入った姿(表情)なのか、どうか?
女性の場合はさらに要注意。

最近は、免許証や証明書の写真など自分が良く見える、格好いい写真がほしいため、わざわざ写真屋さんまで出向いて自分の写真を撮ってもらう人も多い。また、修正をお願いする人も多い。

それぐらい、写真に写る自分の姿を気にしている人が多いことが分かる。

スナップ写真だとむずかしいが、記念写真の場合は髪の毛をとかしたり、お化粧をし直す人も多い。
このように、人の肖像写真は配慮が必要。
だからこそ、確認と了承が迫られている。

このことを理解しないで簡単にXやフェイスブック、インスタグラムなどに投稿して、その後のクレームトラブルが多いのは、ほとんどその写真が気に入らなかったり、承認を取っていなかったものばかりだということがわかる。

人は、誰でもコンプレックスというものがある。誰が見ても、どんなに美しくても、本人は自分が嫌いであったり、自分の嫌な部分を見てしまう。

その写真が実際のものよりも、美しかったり、自分が気に入ってうれしいものならばオッケーする。だからこそ要注意、撮る場合は相手に対する配慮が必要となる。

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「撮る自由」と「発表の責任」とは

顔写真の法律問題~肖像権・パブリシティ権・プライバシー権 福岡の弁護士 田代隼一郎(福岡弁護士会所属)


※本内容は、しばらく「肖像権」シリーズとなります。
我が国、1億数千万人、すべてがスマホを持つ、一億総カメラマン時代。
現在、様々な場所でこの写真、映像の問題がトラブルとなっています。写真や映像を撮影した者には「著作権」があり、写された者には「肖像権」があります。「撮る側」には「撮る権利」があるといいますが、撮られる側には「撮られたくない権利」というものがあります。
もっとも大切なことは「撮る側」は人を傷つけてはならないという最低限度のルールやマナーが必要になります。
撮っただけであくまでも「個人的利用」「私的使用の範囲」だという人もいますが、たとえ、公表し、使用しなかったとしても、「隠し撮り」「盗撮」のような、悪質なものもあります。「撮る行為」というのは利用の仕方によっては「暴力」と化します。あまりにも安易に写真や映像が簡単に撮れる時代だからこそ、注意と配慮が望まれます。

本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
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