見出し画像

60.著作権の切れたものは自由に使ってかまわない!

1.パソコンに他人のレイアウトやイラスト作品を入力する場合の注意点

これは、著作権の存在する他人の著作物をパソコンに入力し蓄積することがどうなのかという点から考えねばなりません。

入力した情報を直ちに処理して消去する場合は問題ないが、消去しない場合は、複製権の侵害に該当するといわれています。また、入力した情報を利用することは原則として著作権侵害となります。

著作権のある他人の著作物をパソコンに入力保存し、それを元にしていろいろなレイアウトやイラストを作成するためにスキャナ等で下絵として取り込む場合の利用方法については、パソコンへの入力が問題となります。

著作権法では、「著作権者は、その著作物を複製する権利を専有する」(第二十一条)と規定しており、複製に関しては、「印刷、写真、複写、録音、録画、その他の方法により有形的に再製することをいう」(第二条十五号)と規定しています。

このため、パソコン内の記憶装置に情報を蓄積することが該当するといわれています。したがって、著作権の存在する他人のレイアウトやイラスト作品をパソコンに入力することは、著作権の一支分権である複製権の侵害になり、事前に著作権者から承諾を得る必要があります。

 

2.著作権の切れた著作物を利用する場合


著作権の保護期間の計算は、原則著作者の死後70年となり、著作者の死亡した日が含まれる年の翌年から起算し、70年が経過するまでと計算する(57条)。

終期は必ず暦年の終わり、12月31日となります。たとえば、令和4年1月26日に死亡した場合、翌年の令和4年(2022年)1月1日から70年を計算すると、終期は令和○年(2076年)12月31日となります。

このような暦年主義の計算方法は、死亡時だけでなく、公表時から起算する場合や、創作時から起算する場合も同様で令和4年(2022年)1月26日に公表された法人名義の著作物の場合にも、令和4年(2022年)1月1日から70年で終期は令和○年(2076年)12月31日となります。

さて、このような著作権が消滅している著作物を利用する場合はどうしたらよいのでしょう。

表現物には、⑴著作物(保護されている著作物)、⑵非保護著作物、⑶非著作物(単なる表現物)とがある。

⑴は当然、著作権法で保護されているものなのだから必ず著作者の許諾がいります。

しかし、⑵⑶に関しては著作権法の保護はないため無断で使ってもよいし、また、無断で使われても抗議はできません。

著作権切れ「ポパイ」
パブリックドメイン著作権切れ「日本の名画」
パブリックドメイン著作権切れ「ミロのビーナス」

 

3.このように条件下の中であれば誰でも自由に利用できます。

たとえば例として、音楽の分野ではバッハやモーツアルト、ベートーベンなどの著作権は、すでに消滅していいます。ただし、作者の没年が明確でなかったり、没年はわかっていても「戦時加算」という著作権の存続期間が延長されている場合もあり注意しなければなりません。

そこで音楽に関して、著作権が存続しているかどうかについて調べる手っ取り早い方法があります。それは、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)のホームページにアクセスすると、作家名の名前を検索すれば存続している作品かどうかすぐにわかります。

ジャスラック〈http://www.jasrac.or.jp/〉

 また、日本の歌曲、唱歌の作曲者の存続を調べる場合には、インターネットで「a-score」という用語を検索サイトに入力し実行すると、著作権の切れた楽曲の譜面をダウンロードできるサイトに入ることができます。

 唱歌の作者    〈http://www.dscore.com/cover.html〉

 歌の場合の注意点は、死後70年であろうが、公表後70年であろうが、作詞家と作曲家の共同著作物でもあり、作詞・作曲の両方の著作権が消滅していることを確認しながら利用することをおすすめします。

特非)著作権協会です。
ここまでお読みくださりまして感謝申し上げます。

日本を含み世界には、著作権が切れたものが無限に存在しています。

つい、最近までの著作権の保護期間は「死後50年」「公表後50年」でしたが、著作権法の法改正が行われ、「死後70年」「公表後70年」と保護期間が延びました。期間の長さにおいては賛否利用論あるのですが、著作権の保護期間は死後や公表後の前(生前)の日数を加算すると100年を超えるという驚きの長さとなのました。

創作者(著作者)にとっては財産権でもあるので、その方が良いという意見もあるようですが、利用者側にしてみればパブリックドメイン化するのが遅すぎるため自由に活用できないという不満もあります。

しかし、著作権法では「引用の定義」にあてはまるものは自由に利用できるのですから、ある程度はこの著作権の保護期間内でも制限はありますが自由に使えるわけですから大きな問題にはならないと思います。

しかし、実際に著作権の保護期間が切れた作品は誰にでも自由に使用できる権利があり、この著作権切れの作品はnote記事では説明しきれない無限の数といえるでしょう。

世界から埋もれてしまった作品を70年から100年以上過ぎた著作物を現代によみがえらせる。これも新しい、面白い試みだといえます。
さらに、時代は紙ベースから電子媒体となり、さらに伝達する力は強くなりました。

まさに「シンチョサクケン」の登場の時代といえるかもしれません。

パブリックドメイン「マリリンモンローの肖像」
太宰治の肖像
パブリックドメイン名画

※特非)著作権協会おすすめ電子書籍〈~無料・無断で使用できる著作権活用法①~「無断OK!著作権」〉全4巻まで好評発売中!note記事には書ききれない物語満載。お時間がありましたらお読みくださいね。下記で目次内容等を検索して見てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,778件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?