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145.倒産した出版社の著作権は、どうなるの?


20・著作権の切れた音楽をブログで流したらクレームがついた。


 Q19 著作権の切れている音楽を自分のブログに流していますが、レコード会社からクレームがつきました…。しかし保護期間の過ぎているものですし、どこでも低価格で販売されているものです。何か問題があるでしょうか?


 

©NPО japan copyright association

ベートーベンやバッハの音楽は著作権が切れています。
従って、誰でも自由に使用することができます。
この点においては何も問題はないのですが、注意が必要です。
 
著作者の死後五〇年を経過したものは法律上「パブリックドメイン」と呼ばれ、その音楽の譜面等をコピーしても、演奏しても自由なのですが、購入したCDをコピーして自分のブログにそのまま流すことは問題があります。
 
著作権が切れていたとしても、その音楽を演奏しているオーケストラがいるわけですから、「著作隣接権(実演家の権利)」があり、許可なく使用するのは問題があります。また、そのCDを製作しているレコードの「原盤権」があり、著作隣接権には、その二つの権利があります。
現在市販されている著作権切れの音楽は、オーケストラや演奏家に依頼してCDを製作しているのがほとんどと思われます。このように、独自に演奏家を探し録音することが本来の著作権切れ音楽を合法的に活用する方法です。
 
つまり、他人の労力には何かしらの権利があり、音楽の世界には必ず「著作隣接権」があるということです。
 
どうしても自分のブログやホームページ等で利用、またはCDを製作して販売を考えているのでしたら、「著作隣接者」からの許諾を取るか、自らが演奏するか、または友人、知人、専門家に依頼して製作することをおすすめします。


 

21・著作権の切れた絵を投稿したらクレームがついた
 
Q20 著作権の切れた江戸時代の絵があります。それを使用してフェイスブックに投稿したり、ホームページに掲載したらクレームがつきました。そこでわたしは、「これはパブリックドメインで誰もが自由に使用してもかまわないと思う…」と言ったところ、相手は「よく画像を見てほしい、色彩やイメージに独自に手を加えているもので当社の作品だ」と怒っています。どうしたらよいのでしよう?


©NPО japan copyright association


 
 
著作権の切れている江戸時代の絵であれば何も問題はありません。
しかし、SNSやフェイスブックに投稿したり、ホームページに使用した絵はどこから入手したものなのでしょう?
 他のホームページから使用しているのでしょうか? 
それとも出版物から?
美術館からでしょうか? 
先ずこの入手先から考えねばなりません。
 
確かに一〇〇年以上前のものですから、何も問題はないのですが、他人のホームページから無許可で勝手に使用すれば、著作権はなくとも「画像権」が発生しています。
これは著作権の切れた写真であっても、ホームページに掲載するために、専門家に依頼して撮影されているものであったり、美術館から使用許諾をいただいて掲載しているものであったり、苦労して撮影したものであったりと、写真画像の場合はさまざまな形態があります。
 
また、その絵が何らかの処理がされていたとすれば、ますます勝手に使用することはできません。むしろ「画像侵害」となる恐れがあります。
 
それは色彩であったり、全体のイメージ、デザイン処理されている場合です。
ですから、他人の写真画像からのものは、たとえ著作権がなくとも使用許諾が必要となります。
 
これらの解決方法は、自らが美術館などに出向き使用の許可をいただく、または画像元からの許可をいただく、または古書などをお借りするか、購入するかして、自らが画像撮影者になることです。そうすれば、今度はあなた自身が画像権利者になります。
 

22・倒産した出版社の著作権は?
 
Q21 どうしてもお借りしたい著作物があり、許可をいただこうと思っていた出版社が倒産してしまいました。もちろん雑誌も廃刊されてしまっています。この場合の著作物はどうなってしまうのでしょうか?


©NPО japan copyright association

出版不況と呼ばれている現在、毎月何かしらの新しい本が発行され、毎月どこかしらで廃刊を迎えている出版業界です。
出版社には出版権があるだけで、著作権を持っているところはほとんどないと考えてもよいでしょう。
中には著作者から著作権を譲渡されている出版社があるかもしれませんが、ほとんどの著作権は著作者に帰属しているはずです。
 
どうしてもお借りしたい著作物があるのでしたら、内容によって「引用」(著作権法第三十二条)という方法を使用すれば良いですし、何かの商品として考えるのなら、直接その著作者から許可をいただくという方法もあります。
 
また、その出版社に著作権があり、倒産してしまったため連絡も取れず、許可の取りようがない場合、「完全に出版社が消滅し、その権利の継承者がいない場合、著作権法では著作権が消滅する」と決められています。
もちろん、何らかの手立てを考えてしっかりとした調査が必要になります。

©NPО japan copyright association


 「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)


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トラブルに巻き込まれた時のために、次の連絡先を自分の「お気に入り」に保存しておくとよいでしょう。
 
 
■警察庁:インターネット安全・安心相談
http://www.npa.go.jp/cybersafety/
http://www.npa.go.jp/cyber/
■各都道府県別相談(サイバー犯罪)
https://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm
■文部科学省
「24時間いじめ相談ダイヤル」 0570-0-78310
http://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm

総務省電気通信消費者相談センター
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/madoguchi/tushin_madoguchi.html
法務省 人権侵害の窓口
http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_chousa.html
 ■インターネットの人権相談
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200808/3.html
 
相談できる内容:インターネット人権相談受付、みんなの人権110番など人権相談窓口があります。インターネットによる人権侵害のほか、様々な人権問題についても相談を受け付けています。
■インターネット人権相談受付窓口
パソコンからの相談はこちら / 携帯電話からの相談はこちら
全国共通人権相談ダイヤル(みんなの人権110番)
電話:0570-003-110(ゼロゼロみんなのひゃくとおばん)
最寄りの法務局につながります。
子どもの人権110番(フリーダイヤル)
電話:0120-007-110(ぜろぜろななのひゃくとおばん)
「いじめ」や虐待など子どもの人権問題に関する専用相談電話です。
女性の人権ホットライン
電話:0570-070-810(ゼロナナゼロのハートライン)
女性の人権問題に関する専用相談電話です。
内閣府 
児童虐待、いじめ、ひきこもり、不登校についての相談窓口
http://www8.cao.go.jp/youth/soudan/map.html
国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/map/
相談できる内容:消費生活全般に関する苦情や問い合わせ。高額請求、ネット詐欺など
JADMA通販110番
http://www.jadma.org/DM110/index.html
  相談できる内容:通信販売のトラブル全般
違法・有害情報相談センター
http://www.ihaho.jp/
相談できる内容:インターネット上の違法有害情報相談窓口
迷惑メール相談センター
http://www.dekyo.or.jp/soudan/
相談できる内容:迷惑メール全般
セーフライン/一般社団法人セーファーインターネット協会
http://www.safe-line.jp/
■通報フォーム
https://www.safe-line.jp/report/
  できる事:違法・有害情報を通報→場合によっては削除
■インターネット・ホットラインセンター http://www.internethotline.jp/
相談できる内容:インターネット上の違法・有害情報の通報受付窓口
 ■一般財団法人インターネット協会 http://www.iajapan.org/hotline/dantai/1-039.html
  相談できる内容:インターネットのルール&マナーに反すると思われること
 ■著作権情報センター/著作権相談室 http://www.cric.or.jp/counsel/index.html#soudan
相談できる内容:著作権全般
web100
http://www.web110.com/
googleからの情報の削除の通報フォーム
https://support.google.com/websearch/troubleshooter/3111061?hl=ja
検索結果から削除してもらう場合の通報フォームです。 必ず削除されるとは限りませんし、元のサイトの情報はそのままです。 元サイトを削除されなければ、さらにコピー拡散もあります。
■Twitterの不適切画像の報告窓口 https://support.twitter.com/forms/cse
 
「クリエイター著作権全般」特定非営利活動法人著作権協会(NCA)


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