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211.え?サラリーマンの発明って、〈主わずか44,900円しかもらえないの?ふざけてるなあ~実態!

1.警視庁、容疑者を逮捕『モー娘』写真集を無断でHPに!

 

出版社 ‏ : ‎ 角川書店 (2004/11/17) 発売日 ‏ : ‎ 2004/11/17より

ホームページやブログ、SNS投稿をみると、タレントの写真がよく掲載されていることがある。これは私的な利用だからかまわないと思っている人も以外と多いが、写真や映像には肖像権と著作権が必ずあり、ネット上では無断で使用することはできない。

2002年(平成14年)9月2日、警視庁は、タレントの写真集を無断で引用し、インターネットのホームページ上で見られるようにしたとして、東京は国分寺市の男性を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。

この男は、同日の朝日新聞に実名入りで、住所番地まで記事として掲載された。

このホームページは、人気アイドルグループ「モーニング娘」の写真集など、約500冊から8000枚を無断転載していた。

警視庁の調べでは、この容疑者は、同年6月、3冊から取込んだ画像80枚をプロバイダーの管理するサーバーコンピューター内に置いて、不特定多数の人が見られるようにした疑い。

この「モーニング娘」の写真を撮影した港区のカメラマンが告訴していた。

この容疑者は、「広告収入を得る目的だった」と供述。このホームページには約四十社が広告を出し、約3年間で約950万円を得ていたという。

 

2.「金型にだって著作権がある」日本金型工業会が著作権を守るために団結


https://kumanoseiko.com/advantage/n02.htmlより

 

日本金型工業会が金型の著作権を守るために業界全体が機構を設立。

日本金型工業会西部支部(大阪)は、2002年(平成14年)8月24日、中小・零細の金型メーカーが製作する金型の設計図に著作権を与え、これを保障する「金型著作権機構」を27日に設立した。

これは、納入先の大手家電や自動車メーカーなどが生産拠点の海外移転に伴い、金型のノウハウを海外に流出させることを防ぐ狙いだという。

無断で使用され、金型メーカーの知的財産権が侵された場合の訴訟を支援する基金も早期に設ける考えだという。

当初は、西部市部に加盟する140社を対象とするが、順次、同工業界全体に拡大する予定。

金型の設計図は、著作権法によって保護対象となっているが、認定機関がないことなどから、事実上、野放し状態になっている。

この設立機構では専門家に依頼して、金型の設計図を鑑定し、独自技術を含む著作物と認めた場合は、鑑定書と鑑定番号を発行し、管理し、音楽ソフトのように無断転用を禁止させる。

金型は、部品などを成形する金属などの道具。高品質の工業製品を量産するには高精度の金型が必要で、日本の製造業の高い競争力の源泉にもなってきている。

ところが最近では、発注元企業が金型メーカーに、設計図付きで納品させ、工場の海外移転に伴い、海外の金型メーカーにノウハウを無断で供与することが問題視されていた。

このように工業界や、建築業界、産業界、商業界を含めて、設計図のノウハウ著作権の保護を求める声が強くなってきている。

 

3.サラリーマンの発明は〈主要企業百社アンケート〉わずか4万4千900円の実態!


「職務発明」とは、従業員が勤め先の業務に関し、職務で行った発明のことをいう。

通常は特許権や特許を受ける権利を、会社が「正当な対価」を払って発明者から引き継げる。

しかし、料理人による画期的な調理器具の発明といった場合など発明が職務でない従業員の発明(業務発明)は会社が権利を引き継げない。

「実績報奨(補償)従業員から特許権を引き継いだ会社が、その特許であげた利益や貢献に応じて支払う対価のことをいう。」

会社は従業員に代わって特許を出願・登録した時に対価の一部として報奨金を支払うが、この時点では、その特許がどれほど使われ、収益につながるかが分からないため、その後、実績に応じて対価をきめる例が多い。

サラリーマンが職務上、行なった発明について、日本企業が払っている報酬が、特許権が登録された時点での平均は45,000円程度であることが読売新聞の主要企業100社を対象としアンケート調査を行った。

これによると、大半の企業が「登録された特許を使って収益を上げた時は、これとは別に実績に応じた対価を払う」としているが、報酬を払う制度のない企業も多いという。また業種によって対価に大きな格差があることがわかったという。

たとえば職務上の発明については、島津製作所の田中耕一さんの発明の対価は、信じられないかもしれないが、ノーベル賞が決るまでは1万円だった。

このようなことから元従業員(この場合退社してからでないと訴えずらい部分もある)が正当な対価を求めて勤務していた企業を訴えるケースが相次いでいることでわかる。会社は従業員に定められた給料分を支払っているのだから当り前という考え方が根底にあるからだ。

読売新聞では、主要企業100社に書面でアンケートを行い、職務上の発明の対価については、このうち60社が一部、またはすべての対価を公表。

特許法では、従業員の職務発明に対する特許権については、正当な対価を払って会社が引き継ぐことを認めているわけだが、この60社が特許の出願・登録までに従業員に支払う対価の平均額(幅がある場合は下限算出)は、一件の発明につき、44,900円だったことがわかった。

実際に、その特許を使い製品を開発したり、他の企業からその特許を貸したり、特許使用料を得たりした場合に支払う実績報酬金は、電気、製薬、素材産業が高く、逆に低いのは、造船・重機業界などはこの実績報酬金が低いという。

日本では、現在「知的財産立国宣言」を唱えているが、現実はまだまだ、この知恵に対する評価が低いことがわかる。

また、ほとんどの企業が、職務上での契約や雇用契約の中にこの知的財産権に関する特約条項がないままに、この状況がくり返されている。

今はまだ表に出る部分が少ないが、職務発明だけでなく、職務著作も大切な知的財産権だということを忘れてはならない。


 

最近は、ネット上、特にSNS投稿での著作権トラブルがあいついで起こっています。ホームページ上の問題は、著作権と肖像権が同居していると考えられるもので、顔写真の肖像と、撮影したカメラマンの許可なく無断で掲載していることです。

確かに写真の著作権も「創作性」があるものでなければ認められませんが、ただの顔写真やスナップ写真だからといってSNS投稿に掲載している傾向が多いようですが、特に法律に肖像権としての明文はありませんが、裁判例や学説はその権利を認めています。

肖像権は
①自己の肖像(写真撮影を禁止する)
②権利作成された肖像の公表を禁止する権利、
③肖像を営利目的で利用することを禁止する権利、

この、3つの権利が含まれているとされています。

1996年12月14日の毎日新聞では、ある出版社発行した雑誌の記事に女性72人分のがホームページからコピーした顔写真や氏名、年齢、職業などを無断で掲載し「プライバシーの侵害」「肖像権の侵害」であると抗議された出版社側はあわてて謝罪したという経過もあります。

さて、フェイスブック、ツィッター、インスタ、その他などのSNS投稿している皆さん注意しましょう!


 ※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
                           特非)著作権協会

 

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