岸田隆博

兵庫県丹波市に住んでいる岸田隆博と言います。昨年の5月31日まで教育長をしておりました。退任後、市民目線で教育への思いを書こうと思っています。よろしくお願いします。

岸田隆博

兵庫県丹波市に住んでいる岸田隆博と言います。昨年の5月31日まで教育長をしておりました。退任後、市民目線で教育への思いを書こうと思っています。よろしくお願いします。

最近の記事

きっちゃんのつぶやき「失敗してもいいんだよ」

 「学校は社会の縮図」という言葉があるように、子どもの時代は何事も練習です。子どもたちは、学校という守られた環境の中で、社会に対応できる能力を身につけていきます。学校には、いろんな個性の子どもがいますが、そんな多様な個性がぶつかりあうことで人間関係を学んでいくのです。時には友達とけんかをしたり、悪口を言ったり、仲直りしたり、できないことができるようになったり・・いつも成功ばかりしていたら練習になりません。本当に力になるのは、頭で理解したことではなく、実際に体験したことです。だ

    • きっちゃんのつぶやき「これから求められる”実社会で活用できる能力”」

       アメリカの研究者のキャシー・デビッドソンは、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業につくだろう」と未来予測をしました。グローバル化、情報化、少子高齢化、知識基盤社会などと様々に表現されているこれからの社会の変化は、今まで以上に劇的で激しいということです。  そのような未来社会においては、反復系の手作業は減り、反復系の認識を伴う仕事までもが減少していくそうです。  では、逆に求められるスキルとはどのようなものかとい

      • きっちゃんのつぶやき「子どもとの適度な距離感」

         今の子どもたちは「放ったらかしにされているわけではないけれど、余計なことはされない」という体験が足りないように思います。「放ったらかし」にされているか、「余計なこと」をされているかのどちらかではないでしょうか。  子どもが大人に対して望むことは、「余計な干渉」はされたくない。しかし同時に、「放ったらかし」にもされたくないということです。特に思春期の子どもは、遠くから、あるいはそばに一緒にいて、大人がじっと見守ってくれる。じゃまをしないで見守られて、自分がしたいことができ、

        • きっちゃんのつぶやき「人や物を大切にし、自分も大切にできる子に」

           ある知り合いの話です。  「イチロー選手は、今日まで大きな故障がありません。スランプこそありますが、自分の健康をしっかり管理しているからだと思います。そして、何よりも自分の野球道具を大切に扱っているそうです。毎日のプレーには、うまくプレーできず腹が立つこともあると思います。でも道具にあたったり、粗末に扱ったりしている場面を見たことがありません。うまくプレーできなかった仲間の選手にも、必ず励ましている様子が映像から見てとれます。一流選手という人は、人や物を大切にし、自分も大切

          きっちゃんのつぶやき「一人ひとりの願い事が叶うといいですね」

           今日は、七夕ですね。七夕と言えば、織姫と彦星が年に一度再会が許される日です。この日、願いを書いた短冊を竿竹にくくりつけると祈りが届くとされています。  学校現場にいる頃、短冊に、「お金持ちになれますよう」「背が大きくなりますように」「お花屋さんになりたい」「ケーキ屋さんになれますように」「魔法が使えますよう」等々、いろんな願い事が書かれていたことを思い出します。子どもたち一人ひとりの願い事が叶うといいですね。  そこで思い出すのが、タレントのゴルゴ松本さんが、少年院で話

          きっちゃんのつぶやき「一人ひとりの願い事が叶うといいですね」

          きっちゃんのつぶやき「大切にしたい“いろいろな遊びを考えだし工夫していく力”」

           久しぶりの投稿になります。少しさぼってしまいました。  さて今回は、幼児期の子どもたちが「遊び」の中で何を学ぶのか改めて考えてみたいと思います。  園児たちは、砂場で山を作ったり、積木やブロックを積み上げたりしてよく遊びます。砂場の砂は、そのままでは全く「無秩序」なもので、それを山にすることはひとつの「秩序」ある姿を作ることになります。同じように、積木もばらばらのものを組み立ててひとつの形あるものに仕立てる行為であり、無秩序から秩序を作る作業です。  ままごとでは、「○

          きっちゃんのつぶやき「大切にしたい“いろいろな遊びを考えだし工夫していく力”」

          きっちゃんのつぶやき「仲間とともに育ち、伸びる教育環境を」

           草や木の成長にとって、なくてならないのが雨の日であり、また、よく晴れた日です。どちらもちょうどよいバランスで繰り返されるので、幹や枝は大きくなり、葉は勢いよく生い茂ります。もし、雨ばかり降っていれば、植物は根が腐って育ちません。逆に、晴れの日ばかりでも、水分がなくなって枯れてしまいます。このように、植物の成長には、反対のもの同士が必要です。  子どもの心の成長にも、雨と晴れのように、まったく反対のものが必要です。それは、「やさしさ」と「きびしさ」です。植物と同じように、ど

          きっちゃんのつぶやき「仲間とともに育ち、伸びる教育環境を」

          きっちゃんのつぶやき「失敗しても大丈夫!」

           “「失敗の経験」こそが、成長のチャンス”。これは、星野リゾートの星野佳路代表の言葉です。星野さんは、こう言っています。『失敗したことによって初めて自分の問題点や判断の甘さに気づくことができたし、「次回は同じことを繰り返さないようにしよう」と心がけ、判断力を進化させてきたと思います。「失敗は学びの機会」「失敗の数だけ成長できる」と感じています。逆に、最もやってはいけないことが「失敗を恐れること」。「失敗をしてはいけない」と思った瞬間から、行動が消極的になる。』。つまり、失敗す

          きっちゃんのつぶやき「失敗しても大丈夫!」

          きっちゃんのつぶやき「言葉がけ次第で、子どもは自ら成長していきます!」

           私の好きな言葉に、「木は光をあびて育つ 人は言葉をあびて育つ」というのがあります。できたことを共に喜び、さらに可能性を広げようとする言葉をあびて育ってきた子どもと、「まだここがだめだ」「今度はこうしなさい」と否定的な言葉ばかりあびて育ってきた子どもでは、人としての成長の具合は大きく違ってくるということです。  子どもの成長に最も影響力を持っているのは、親です。親が、どんな言葉をわが子にかけているのかは、その子の成長に大きくかかわってきます。例えば、1学期のあゆみを見て、「

          きっちゃんのつぶやき「言葉がけ次第で、子どもは自ら成長していきます!」

          きっちゃんのつぶやき「”切磋琢磨”と”言霊”」

           「切磋琢磨」という言葉があります。「切」は骨や象牙を切ったり削ったりすることで、「磋」はそれらを研ぐこと。「琢」は玉や石を打ちたたくことで、「磨」はそれらを磨くことを意味しています。骨とか石とか、とても硬いものを削ったり磨いたりするのは大変なことです。短い時間で簡単にできるものではありません。手間をかけて丁寧にやらなければなりません。そういうことから、勉強したり運動に励んだりしながら人間を成長させることや、友だち同士競い合い励まし合って自分を磨くことを「切磋琢磨」と言うよう

          きっちゃんのつぶやき「”切磋琢磨”と”言霊”」

          きっちゃんのつぶやき「子どもの先回りをしていませんか」

           日本には、「出る杭は打たれる」という言葉がありますが、日本人は総じて控えめであることに美徳を感じ、「私が」とか、「オレが」などと、自分が前に出ていくことをよしとしない文化の土壌があります。でも、今の子どもたちが社会に出る頃は、今以上にグローバル化が進み、そうばかり言っていられない世の中になっています。極端に言えば、批判を恐れず、出る杭になれる人間が評価されるようになっているかもしれません。  アメリカのジグ・ジグラーは、「心では感謝しているのに、それを態度で示そうとしない

          きっちゃんのつぶやき「子どもの先回りをしていませんか」

          きっちゃんのつぶやき「習慣づけは自主性、積極性の基盤です」

           あいさつやはきものを揃えるという行動は、自分から物事をやっていく自主性、積極性の基盤になります。家であいさつやはきものが揃えられないのに、「勉強しなさい。」「掃除しなさい。」と言われても、できるはずがありません。「自分からやる」という経験数が足りないからです。人は習慣の動物です。よい習慣を子ども時代にしっかり身につけられるかどうかで、人生は大きく変わってきます。親が子どもにできる最大の贈り物は、しっかりとしたよい習慣を、できるだけ早い時期からつけさせることです。  少し話

          きっちゃんのつぶやき「習慣づけは自主性、積極性の基盤です」

          きっちゃんのつぶやき「よい教師とかけて盆栽と解く。その心は、・・・」

           学びとは、他者とのかかわりを通して、一人ひとりの差異の擦り合わせによって達成される営みです。ですから、子どもの側からの発想でなければなりません。つまり、「授業をつくる」という概念から「子どもの学びをつくる」という概念への転換を図る必要があると考えています。  そのためには、従来の授業のように、教師が期待する正答だけを受け入れて進行しようとしたり、子どもの考えを聴くことよりも、計画通りの進行にこだわったり、子どもの言葉に比して教師の言葉の量が多い授業から、何かを教えたいとい

          きっちゃんのつぶやき「よい教師とかけて盆栽と解く。その心は、・・・」

          きっちゃんのつぶやき「”ぼくは、がんばったぞ!”こう言えるような場面を」

           新学期が始まって約1ヶ月が経とうとしています。先生や子どもたちも全力投球の毎日ではないでしょうか。もうすぐしたらゴールデンウィーク。ちょっとゆっくりするのもいいですね。  さて、子どもたちはそれぞれに進級し、できなかったことができるようになったり、わからなかったことがわかるようになったり、自分の成長を感じていると思います。大人でもそうですが、できなかったことができるようになった時の喜びは何とも言えませんね。  ただ気をつけなければならないこともあります。それは、一つでき

          きっちゃんのつぶやき「”ぼくは、がんばったぞ!”こう言えるような場面を」

          きっちゃんのつぶやき「三度目の正直を信じて挑戦できる生き方」

           子どもの時代は、何事も練習です。「学校は社会の縮図」という言葉があります。子どもたちは、学校という守られた環境の中で、社会に対応できる能力を身につけていきます。学校には、いろんな個性の子どもがいます。そんな多様な個性のぶつかりあいで、人間関係を学んでいくのです。時には友達とけんかをしたり、悪口を言ったり、仲直りしたり、できないことができるようになったり・・いつも成功ばかりしていたら練習になりません。本当に力になるのは、頭で理解したことではなく、実際に体験したことです。だから

          きっちゃんのつぶやき「三度目の正直を信じて挑戦できる生き方」

          きっちゃんのつぶやき「正解のない時代を生きる」

           今日から令和4年度がスタートしました。大人も子どもも新しい一年のスタートです。子どもたちはそれぞれに進級し、新たな気持ちで“ワクワク・ドキドキ”しながら一歩ずつ歩みを進めていくと思いますが、そんな子どもたちをみんなで応援したいですね。  さて話は変わりますが、皆さんならどうされますか?  ”あなたは、避難所の担当者です。避難所には、100人の人が非難してきて   います。そこに支援物資として、おにぎりが60個届きました。あなたはこれを配りますか?配りませんか?”  ど

          きっちゃんのつぶやき「正解のない時代を生きる」