きっちゃんのつぶやき「”切磋琢磨”と”言霊”」
「切磋琢磨」という言葉があります。「切」は骨や象牙を切ったり削ったりすることで、「磋」はそれらを研ぐこと。「琢」は玉や石を打ちたたくことで、「磨」はそれらを磨くことを意味しています。骨とか石とか、とても硬いものを削ったり磨いたりするのは大変なことです。短い時間で簡単にできるものではありません。手間をかけて丁寧にやらなければなりません。そういうことから、勉強したり運動に励んだりしながら人間を成長させることや、友だち同士競い合い励まし合って自分を磨くことを「切磋琢磨」と言うようになったそうです。
ただ、競い合うといっても、勝ち負けが優先されるものではありません。競い合うことで、自分の得意不得手、長所短所を知り、めざす課題が見えてくるということです。
そしてもう一つ大切にしたいのは、「切磋琢磨」する中で交わされる言葉です。大昔の人々は、「言霊(ことだま)」といって、言葉は使い方によって人の幸せと不幸を左右すると信じていたそうです。この考え方は、今でも通用しています。例えば、一生懸命にうさぎを描いて、「なかなかうまく描けたな。」と満足していたとしましょう。ところが、お家の人や先生、友だちから、「これうさぎ?見えないな。」と心ない一言を言われたらどうでしょう。がっかりしますね。逆に、バレーボールの試合に負けてしょんぼりしているときに、周りから「随分上手になったね。よく球を拾っていたね。次が楽しみだな。」と、励ましの一言を投げかけられたらどうでしょう。元気と勇気が出ますね。
たった一言の言葉で元気や勇気をもらい、たった一言の言葉で自分の将来に夢を持つことがあります。言葉は、本当に不思議な力を持っています。ほんのわずかな一言が、人を傷つけたり、逆に大きな勇気を与えたりするのですから。
最後に、幼児教育の分野で数々の実践や著書で有名な高橋系吾先生の「その一言」を紹介します。
その一言
その一言で励まされ その一言で夢をもち
その一言で腹がたち その一言でがっかりし その一言で泣かされる
ほんのわずかな一言が 不思議に大きな力持つ ほんのちょっとの一言で
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