映画『君たちはどう生きるか』をようやく観に行った【ほぼエッセイ】
その日は東京に台風が直撃していて、洗濯機日和だった。
公開されてから1年以上観ることができていなかった『君たちはどう生きるか』の上映館を調べ、下高井戸に向かった。
高いが下にある井戸とは一体何か。
湿気と疑問が交錯する京王線に乗った。
慌ただしい乗り換え。新宿から高幡不動行きへ。
車内は空いている。誰もいない優先席に腰を下ろす。私はふと、いきものがかりの「さよなら青春」を思い出していた。
窓の向こうの雨の街並みにぼんやりと視線をやりながら、けだるい体を起こして映画館まで移動