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『君たちはどう生きるか』の映画感想まとめ

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『君たちはどう生きるか』についてのすてきな映画感想をまとめるマガジンです。 #君たちはどう生きるか
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君たちはどう生きるかを観た

こんばんは〜! お盆を避けて来週くらいに里帰りで孫たちが来るのでジブリのDVDを見ていたら「君たちはどう生きるか」だけがないことに気がついた。 全部揃ってないと気持ち悪いので、アマゾンでポチって 昨日届いたので観てみた。 なんだかとても期待値が大きくてワクワクしている自分がいた。 最初に強烈に、このアオサギの絵が目についた。カッコイイ!!! 同じ題名の本は何冊か読んだことがあるし、漫画でも読んだ。 これは全く違う作品で この作品は、いろんな解釈ができるんだろうなぁと思っ

映画『君たちはどう生きるか』をようやく観に行った【ほぼエッセイ】

その日は東京に台風が直撃していて、洗濯機日和だった。 公開されてから1年以上観ることができていなかった『君たちはどう生きるか』の上映館を調べ、下高井戸に向かった。 高いが下にある井戸とは一体何か。 湿気と疑問が交錯する京王線に乗った。 慌ただしい乗り換え。新宿から高幡不動行きへ。 車内は空いている。誰もいない優先席に腰を下ろす。私はふと、いきものがかりの「さよなら青春」を思い出していた。 窓の向こうの雨の街並みにぼんやりと視線をやりながら、けだるい体を起こして映画館まで移動

宮﨑駿と夏目漱石

 宮﨑さんと漱石。  この二人について語るファン、研究者は多くない(少なくもないが)。実は結構、宮﨑さんに影響している作家の一人である、漱石は。  宮﨑駿と宮沢賢治、手塚治虫、サン=テグジュペリ、ゲド戦記、砂の惑星…、堀田善衛、堀田善衛から宮﨑作品を語る人も少ない。  おそらくきっと、「純文学作品」とされるものと、ファンタジーを作る宮﨑さんを、結びつけるのは難しいのだろう。  …夏目漱石は、と言えば、書くたびに作風(文体)を変える作家で、中には「幻想文学」のようなものも

映画「君たちはどう生きるか」の衝撃から一年

 宮﨑駿監督作品「君たちはどう生きるか」が公開されてから一年が経った。 ということで、私のnoteでは何度か「君たちはどう生きるか」について書いているのだけど、改めて個人的な作品の感想などをこの映画を振り返りながら書いていこうと思う。 ※ネタバレあります。 驚きの映画体験「君たちはどう生きるか」は「宣伝をしない」ことで話題になった。 前情報はあのポスターのみ。 「本当に宣伝なしで行くのか!?」っていう人もいれば宮﨑駿の新作が出ることすら知らないという人もいた。 そして

君たちはどう生きるか から一年。

映画終盤、純白の積み木が登場する。 異世界の創造主いわく、それが世界を形作っているらしい。 このメタファーは、監督が、スタジオ近くの幼稚園の子どもたちを見ながら思いついたのではないだろうか? ドキュメンタリーを観ながら、そんなことを思った。 映画初見中、自分は、友達とサッカーをして過ごすのが好きだったが、一方で時々(なぜかは覚えていないが)、幼稚園の室内で積み木をしていたことを思い出した。 「この丸いのどこで使えばいいんだろう?」 「この三角二つ並べて、上に横長い四角の置

【映画レビュー】「君たちはどう生きるか」

いやまぁしかし、毎日暑くって死にそう。こんなに暑い中でも人間は生きていけるのか!生きていかなければならないと言うのか!そう俺は問いたい!てな訳で無事にソフトも発売したので、そろそろ宮崎駿の「君たちはどう生きるか」の話をしたい。もちろんネタバレ全開で。 〜あらすじ〜 病院の火事により母親を亡くした主人公の眞人。 疎開先で父の再婚相手であり、母親の実の妹でもある夏子に迎えられ、怪しい塔が隣に立つ新居へと移り住む。だがそこに人間の言葉を話す謎の青サギが現れ、眞人は異世界へと誘わ

『スタジオジブリ映画』の原作をすべて紹介!【長編全作品網羅】

 こんにちは! 「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です。  今日は、スタジオジブリ・長編アニメーション映画の原作となった本や、関連する書籍を、公開順に徹底的に紹介していきます。 長いので早速いきましょう! 風の谷のナウシカ 『風の谷のナウシカ』の原作は、宮崎駿による同名の漫画です。1982年から1994年にかけて雑誌「アニメージュ」に連載されました。映画版は、この漫画を元に1984年に公開されましたが、映画では原作のストーリーの一部しか

あまり難しく考えすぎない、「君たちはどう生きるか」の解釈

今回は、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」について書きたいと思う。 これは間違いなく、宮崎駿史上最も難しい作品だよね。 ちょっと変わった作品ともいえる。 鈴木敏夫プロデューサーは、以前にこう言っていた。 「宮さんは、実はただひとりの観客を意識して映画を作っている。 宮崎駿が一番作品を見せたいのは、高畑勲」 その高畑さんが、2018年に逝去。 つまり「君たちはどう生きるか」は、宮崎駿がジブリ史上、初めて高畑さんのことを意識せずに作った作品なんだ。 高畑勲を意識し

【後編】校閲記者がうだうだ考える「宮崎駿」と「宮﨑駿」

前編はこちら▼【以下後編】字体統一のメリットとデメリット新聞のルールで名前の字体を変えた結果、その人が普段使っている表記や他のメディアでの表記と異なることで、「同じ人物」を指すことが分かりにくくなってしまうとすればデメリットと言わざるをえません。 新聞は「分かりやすい」記事を旨とします。普段「臺」を使っている人の名前を「台」にすると、字体は「分かりやす」くなりますが、「臺」と「台」が〈字体が異なる同じ字種である〉という知識を読者に要求する、という点では「分かりにく」くなって

海外へ向けて説明したい『君たちはどう生きるか』のポイント

とあるご縁から、海外向けに『君たちはどう生きるか』の記事を書くことになった。バイリンガルの翻訳家と一緒に映画を鑑賞し、どんなポイントが海外の方にとって伝わりづらいかを話し合ったのだが、いつもと違う視点と考え方で、新鮮かつ非常に面白い。 そこで英語に翻訳される前の日本語記事(少し日本用に整えたもの)を下記に掲載してみた。日本人による日本の解説は「当たり前」と思われる部分もあるかもしれないが、本来は海外向けであるので広い心で読んでいただきたい。 ▼ここから記事(翻訳前) 宮

『風立ちぬ』から考える、魔の山にあった2つの選択肢。

「宮崎駿は『ロード・オブ・ザ・リング』がお嫌い」ーーこんな記事が2年前に書かれている。 悪行があり、それを流血によって罰する物語。悪人を罰する過程で、罪のない無数の人々が殺される物語。宮崎監督からしてみれば、ハリウッド映画とは、概ねそんなものであると。 彼が発した実際の表現としては。「アメリカ人は物を撃って爆発させたりするから、さすがにそういう映画をつくる」「敵なら無限に殺してもいい。ロード・オブ・ザ・リングもそうだ」 これがファンタジー?冗談だろ的な言い方も、したらし

映画「君たちはどう生きるか」の指輪 〈映画の指輪のつくり方〉第84回

生きるに値する世界だと思えますように 2023年公開映画「君たちはどう生きるか(The Boy and the Heron)」の指輪 文・〝美根〟 「賛否両論」「カオス」「難解」「今までの作品を思わせる描写」・・・ 口コミは口コミであって、実際観てみると全然違う!という経験も多くしてきたのに、やはり観る前に口コミを見てしまうし、自分でもこうして観た感想やらを書き留め、紹介している私です。 第96回アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞受賞した「君たちはどう生きるか」も、正

「ジブリ作品」と「宮﨑作品」の違い

 2024年4月18日、スタジオジブリがカンヌ国際映画祭の名誉パルムドールを受賞しました。個人ではなく、団体にこの賞が送られたのは初めてのことであり、またもや快挙を達成しました。  スタジオジブリが生み出した作品たちは、俗に「ジブリ作品」や「宮﨑作品」と呼ばれることがあります。ほとんど同じ意味を持つ2つの呼び名ですが、その細かな違いについて整理したいと思います。  なお、話が煩雑になることを防ぐため、ここでは長編アニメーション作品のみを対象として扱います。 スタジオジブリ

君たちはどう生きるかスピリチュアル的考察!

(※この記事は君たちはどう生きるかが公開された当時アメブロに書いたもののコピーです。) 私は本当にこよなくジブリ作品を愛しています。 めちゃくちゃ好きです♡ 先日「君たちはどう生きるか」鑑賞してきました。 ショッピングモールの映画館でしたが、見た後に速攻で帰宅して6時間爆睡しました。 私の場合、神社仏閣やパワースポットに行ったあとに眠くなるのと同じ現象がおきたわけですね。笑 それくらい高波動な映画であることは間違いないです。 でも、面白いですか?と聞かれたら「うぅ