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易経

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2021年3月の記事一覧

3.水雷屯(すいらいちゅん)~産みの苦しみ①

3.水雷屯(すいらいちゅん)~産みの苦しみ①

六十四卦の三番目、水雷屯(すいらいちゅん)の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n426fbc34f1eb

1.序卦伝天地の間に盈(み)つる者は、唯(た)だ万物なり。故に之を受くるに屯(ちゅん)を以てす。屯とは盈つるなり。屯とは物の始めて生ずるなり。

六十四卦の一番目が、純粋の陽である「乾為天(けんいてん)」。二番目が、純粋の陰である「坤

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24.地雷復(ちらいふく)~春の兆し①

六十四卦の二十四番目、地雷復の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n3f510f02db38

1.序卦伝物は以て盡(つ)くるに終わるべからず。剥すること上に窮まれば下に反る。故に之を受くるに復を以てす。

山地剥の卦で全て剥ぎ取られると、堕ちるところまで堕ちた、もうこれ以上堕ちることはなく、再び昇るときを待つのみ、となります。

堕ちること

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23.山地剥(さんちはく)~戦略的撤退①

六十四卦の二十三番目、山地剥の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/nfea5e2bba36a

1.序卦伝飾を致して然る後に亨れば盡(つ)く。故に之を受くるに剥をもってす。剥とは盡くるなり。

前の山火賁の卦は、外面を飾り立てる卦でした。飾るということは、人間関係を円滑ならしめる「礼儀」でもあり、「彩(あや)」でもあります。本質ばかりを剥き出

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22.山火賁(さんかひ)~虚飾と退廃①

六十四卦の二十二番目、山火賁の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n6ce9504987a3

1.序卦伝物は以て苟(いや)しくも合うて已(や)む可からず。故に之を受くるに賁を以てす。賁とは飾るなり。

火雷噬嗑の卦で障害物を嚙み砕き、上顎と下顎の合同するに至るのですが、それで万事解決とするのは何とも味気ないものです。粋(いき)や彩(あや)と

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21.火雷噬嗑(からいぜいごう)~嚙み砕く①

六十四卦の二十一番目、火雷噬嗑の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n0affcf868c42

1.序卦伝観る可くして後に合う所あり。故に之を受くるにを噬嗑を以てす。嗑とは合うなり。

風地観の卦で人々から仰ぎ観られるようになると、次第にその人々が慕い寄って来るようになります。つまり合同するということです。

一方で、異なる者同士の合同は、

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20.風地観(ふうちかん)~大局を観る①

六十四卦の二十番目、風地観の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n3148f4535012

1.序卦伝物大にして然る後に観るべし。故に之を受くるに観を以てす。

地沢臨と風地観は、共に「観る(視る)」ということ、視点に関する示唆を与える卦です。地沢臨は上下の視点であり、風地観は水平的な四方八方への視点です。

風地観によって上下の視点が得ら

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19.地沢臨(ちたくりん)~高所から低きを臨む①

六十四卦の十九番目、地沢臨の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n2f0cf0db71a8

1.序卦伝事有りて後に大なるべし。故に之を受くるに臨を以てす。臨とは大なり。

前の山風蠱の卦は、世の中が腐敗しており、その腐敗を除去するための一仕事をするというものでした。人として、腐敗するような事態は出来るだけ避けたいものですが、しかし天人合一の

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18.山風蠱(さんふうこ)~腐敗の一掃①

六十四卦の十八番目、山風蠱の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n2c3c7a652824

1.序卦伝喜びを以て人に随う者は、必ず事(こと)有り。故に之を受くるに蠱を以てす。蠱とは事なり。

雷地豫は喜ぶこと、沢雷随は随うこと、比較的喜ばしい卦が二つ並んだあとに、腐敗を象徴する山風蠱の卦が来ます。

喜んで人に付き従って行く後には、油断の隙

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17.沢雷随(たくらいずい)~人に付き従う①

六十四卦の十七番目、沢雷随の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n25a79c7ee705

1.序卦伝豫(たのし)めば必ず随(したが)う有り。故に之を受くるに随を以てす。

前の雷地豫の卦は、春が来たりて地上から若芽が萌え、喜び楽しむ卦でした。自分が喜ぶときには、自分に従って来る者がいます。あるいは他に喜ぶ人がいれば、自分はそれに従います。

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16.雷地豫(らいちよ)~始動の時①

六十四卦の十六番目、雷地豫の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n9c7dbb7fee80

1.序卦伝有(たも)つこと大にして能く謙すれば、必ず豫(たのし)む。故に之を受くるに豫を以てす。

火天大有で豊かさを得ながらも、それに溺れることなく地山謙の謙虚さを美徳として保っていれば、財産を失うことなく、我が身も安泰であり、心楽しくいることがで

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15.地山謙(ちざんけん)~謙譲の美徳①

六十四卦の十五番目、地山謙の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n5ce415e33dcd

1.序卦伝有(たも)つこと大なる者は、以て盈つ可からず。故に之を受くるに謙を以てす。

前の火天大有の卦は、勢い盛んで富むこと、大きく有することを意味するもの、天の上に太陽があり、頭上にて四方をあまねく照らすものでした。

これは乾為天でいうところの

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14.火天大有(かてんたいゆう)~大いなる所有①

六十四卦の十四番目、火天大有の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n0b90601241d0

1.序卦伝人と同じき者は、物必ず帰す。故に之を受くるに大有を以てす。

天火同人の卦において、多くの人が野に集まり私心を捨てて一致協力するとき、あらゆるものが帰服してこれに従うものです。その「もの」とは、人ばかりではなく、物資もあり得ます。物心とも

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13.天火同人(てんかどうじん)~同好の士を求む①

六十四卦の十三番目、天火同人の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n9e44ec627d16

1.序卦伝物は以て否(ふさ)がるに終る可からず。故に之を受くるに同人を以てす。

前の卦である天地否は、陰陽の気が交わることなく塞がった状態を意味しておりましたが、世の中はいつまでも塞がっているわけではありません。乱が極まれば治を生じます。

乱が

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12.天地否(てんちひ)~陰陽の不和合①

六十四卦の十二番目、天地否の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/na2fcf31e04f0

1.序卦伝物は以て通ずるに終わる可からず。故に之を受くるに否を以てす。

地天泰は、下に下る傾向のある地すなわち陰の気が上側にあり、上に上る傾向のある天すなわち陽の気が下側にあり、陰陽の気が通じ合って交じり合う理想的な状態を表すものでした。

しかし

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