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KANSO建築

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スイスの建築士・大工のサシャ・シェア、日本の建築設計士の佐藤欣裕、ドイツの森林・環境コンサルタントの池田憲昭が立ち上げた人と自然と共鳴する建築のプラットフォームの考え方や事業を紹…
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#建築

KANSO ドイツ・スイス視察ツアー2024年春

KANSO ドイツ・スイス視察ツアー2024年春

文:佐藤欣裕

2024春に元祖KANSOの建築、サシャ・シェアのアトリエ兼住居を池田・佐藤のアテンドで11名の方と行ってきました。3月の快晴で光り輝くスイスアルプスの中腹で大きな学びがあったと思います。月並みな表現ですが、実際に建物の中に入って自身で体感することは何よりも説得力があります。シェアの自然建築の哲学が詰まったこの住居兼オフィスは非常に原初的であり、彼のライフスタイルも建築に呼応するか

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KANSO建築をアップグレード!

KANSO建築をアップグレード!

文:佐藤欣裕

美郷アトリエの建設以降、ジワジワとKANSOの建築が広がっています。

先駆けて愛知県、秋田県で設計が終了し、着工を待っている状態です。

このパースは秋田県田沢湖のプロジェクト。石場建て(正確に言うと独立基礎工法)によりセメントを大幅に削減して一般的な住宅の約70%炭素削減となりました。

伝統的な工法とアップサイクルやLCAの知見も入れてKANSOの建築をアップデートしています

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KANSO, SHIRO共同企画: 森から住まいへ、森づくりからものづくりへ 〜多様性をシンプルに楽しむ 2024年7月9日

KANSO, SHIRO共同企画: 森から住まいへ、森づくりからものづくりへ 〜多様性をシンプルに楽しむ 2024年7月9日

イベント案内・申込み: https://kanso-shiro.peatix.com/view

多様性をシンプルに楽しむ
独シュヴァルツヴァルトを拠点に日欧をまたいで活躍する森林環境コンサルタントの池田憲昭。秋田の美郷町を拠点に日欧の建築哲学・技術の融合させて、環境建築に取り組む建築士の佐藤欣裕。北海道砂川市を拠点にコスメティックのブランドSHIROをつくり上げた今井浩恵。住む場所も分野も異なる

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KANSO建築 オンラインセミナー 3月25日16時から

KANSO建築 オンラインセミナー 3月25日16時から

セミナーの案内です。

2022/03/25 (金)  16:00 - 18:00  オンライン
KANSO建築 採光と蓄熱で冬を過ごす —理論と実測データ、感覚と行動
https://kanso-winter1.peatix.com/view

採光と蓄熱で、どれだけ快適に冬を過ごせたか。

KANSO建築の日本第1号「美郷アトリエ」の初冬の興味深い温熱データも紹介します。

また、太陽光を取り

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3月25日ウェビナー: 採光と蓄熱で冬を過ごす —理論と実測データ、感覚と行動

3月25日ウェビナー: 採光と蓄熱で冬を過ごす —理論と実測データ、感覚と行動

KANSOのウェビナーを開催します。
【採光と蓄熱で冬を過ごす —理論と実測データ、感覚と行動】
https://kanso-winter1.peatix.com/view
2022/03/25 (金)  16:00 - 18:00  オンライン
参加費 一般:1700円  学生:800円

(チケット購入者で当日参加できなかった方、希望者には、レクチャーの部分のみ、ウェビナー後、5日間の期間限定

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美はサステイナブル

美はサステイナブル

ドイツの神学・哲学者J.Hartlの本に触発されて、建物の「美しさ」について、考えを巡らせています。

多くの古建築物は、市民も来訪客も、多くの人々を魅了し続けています。現代建築でも、人々の目を引き、感嘆させるものもありますが、人の目に留まらない、立ち止まって写真を撮ろうとは思わない建物が大半なのではないでしょうか?

J.Hartlは「 美は通常、よりサスティナブルだ」と主張しています。

大事

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日本の家は木と土と草で造る
〜伝統構法「石場建て」の家造り

日本の家は木と土と草で造る 〜伝統構法「石場建て」の家造り

2021年 10月7日(木) 18:30-20:30
https://miyauchi-kenchiku.peatix.com/view

レクチャー 80分  質疑応答 30分  参加費:1700円/人

NHKの「情熱大陸」にも出演された業界屈指の大工棟梁・宮内寿和さんをゲストスピーカーとして招き、現代における日本の伝統木造建築のついて語ってもらいます。

・伝統構法・石場建ての家
・巨大地震

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KANSOウェビナー 「調熱」と「調湿」で、蒸し暑い夏を乗り切る

KANSOウェビナー 「調熱」と「調湿」で、蒸し暑い夏を乗り切る

2021年9月28日(木)16:30-18:30
https://kanso2.peatix.com/view

レクチャー 80分(40分 x 2人)  質疑応答 30分  
参加費: 1700円/人

講師:
佐藤 欣裕(一級建築士)
池田 憲昭(ドイツ在住の森林コンサルタント)

KANSOは、スイスの建築家/大工のサシャ・シェアと、ドイツ在住の森林コンサルタントの池田憲昭、そして日本の

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夏の暑さとどう付き合うか

夏の暑さとどう付き合うか

KANSOの日本モデルハウス1号「美郷アトリエ」で初めての夏を過ごす、もるくす建築社の佐藤氏からの興味深いレポートです:

秋田というと寒冷地で夏も涼しそうなイメージがあるかもしれませんが残念ながらここは夏も過酷な場所です。夜間こそ温度は幾分下がりますが、日中は真夏日を超える日も多く盆地気候のため風が吹きません。この文章を書いてる8月4日も、外は35℃を超えました。
しかし室内美郷アトリエの室内は

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第6感で感じる快適さ

第6感で感じる快適さ

KANSOモデル棟第1号を新オフィスとして使い始めて3週間が経った頃、もるくす建築社の佐藤欣裕氏に、実感を聞いてみました。

「室温はすごく安定している。自分が住んでいる省エネ建築の自宅と比べて、マテリアルの質感が圧倒的で、何か、第6感で感じる心地よさがある」

という回答をもらいました。

現代の省エネ建築の合言葉は「断熱」ですが、KANSOでは、「蓄熱」と「調湿」を主軸にしています。

「断熱

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外構の自然も大切な要素!

外構の自然も大切な要素!

KANSO日本の実験棟「美郷アトリエ」の外構です。地域の優れた庭園土木業者さんが、素早く、丁寧に仕事をされました。

建物の外まわりの土や石、緑や水のエレメントは、自然の室内環境調整装置です。建物の中の温度、湿度、光を快適な状態に保つ大切な役割があり、KANSOが追求するローテクを実現するための重要なエレメントです。古来から人間が活用してきた知恵です。

KANSOのモデルハウス完成(2021年4月)

KANSOのモデルハウス完成(2021年4月)

KANSOの日本モデルハウス第1号、もるくす建築社(秋田県大仙市)の「美郷アトリエ」が、ほぼ予定どおり完成しました! 家具を入れる前の写真です。

人間が太古の昔から活用してきた自然素材の多面的な性能(蓄熱・断熱・調湿等)を十分に生かして、機械設備(冷暖房や機械換気、レンジフードなど)を使わないで機能するかどうかの実験を開始。

寒い時は、太陽光を取り入れて躯体に蓄熱させ、暑い時は遮光し、蓄熱体に

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三和土の床

三和土の床

秋田のKANSO建築モデル、仕上げにかかっています。現在、素早い蓄熱体として大切な機能を果たす土床の施行中です。

吸熱効果を高めるために色の黒い現地の土(三和土)を3cm、コンクリートのベタ基礎の上に塗ります。冬は、太陽光を素早くたくさん吸収し蓄熱し、室温調整し、夏は、熱気を素早く吸収して、部屋を涼しく保ちます。昔の日本建築にあった土間の効果です。
https://www.kanso-bau.c

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蓄熱と調湿

蓄熱と調湿

KANSO建築の日本モデル棟、2020/2021年冬の施工風景です。

「断熱」偏重の現代建築の発想から頭を解放し、自然のマテリアルが持つ高い蓄熱性能(吸熱と放熱)と調湿(吸湿と放湿)を軸にした建築コンセプトです。それによって最大限のローテクを実現します。

結果的に断熱性能は高いですが、蓄熱と調湿を求めた結果です。

中のマテリアルの蓄熱効果を上げるため、南側のサッシのガラスは、断熱性能を落とし

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