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”命を慈しむファスティング” 株式会社be Organic代表取締役社長 山岡玲子さん

世界的に健康志向が強くなってきている昨今、「ファスティング(断食)」という言葉も巷でよく耳にするようになりました。
 ファスティングを通し、健康や食から1人1人が自分の人生や命を慈しむ社会を創建するために活動されている 株式会社be Organic 代表取締役社長“山岡玲子さん”  にお話をうかがいました。


【山岡玲子さんプロフィール】

出身地:愛知県安城市

活動地域:全国

経歴: オーガニックを使った化粧品販売の仕事をしていたが、突如、会社
を辞め、自費で旅をしながらオーガニックの生産現場である農家へ自身でア
ポをとり、実際に赴き労働を通して生産者の気持ちを実体験。「肌をいかに
美しくするか」という命題に関し、上から塗るものを変えるよりも食べるも
のを変える方が早い!ということに行き着き、医師と組んでデータに基づいたファスティング指導の道へ。きめ細やかに相手に寄り添うサポートを通し、ファスティングを経験した人たちに食や健康に関心を持ってもらいながら、売上の一部を寄付することを通して、発展途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む「Table for two」への支援も精力的に行っている。

現在の職業および活動:Organic Fasting 代表、1級断食指導者としてファスティング(断食)指導と食事指導、株式会社be Organic代表取締役社長


” 国連機関やNPO、NGOではなく、貧困と環境にビジネスとして関わりたかったんです ”


記者:どんな問題意識や心の動きがあって今のお仕事にたどり着いたのか、
 おうかがいできますか?

山岡玲子さん(以下、山岡):多感な中学3年の時に911、高校1年の時にイ
ラク戦争、アフガニスタン侵攻などが起こり、戦争や恵まれない人、心を病んでいる人の手助けがしたく、大学で国際政治学を専攻しました。
 卒業してから、商品に付加価値をつけ、「貧しい国の人が作ってくれたものだから」ということではなく、平等な形の本物のフェアトレードを目指した社会貢献性の高い事業をしている会社に入社が決まっていましたが、リーマンショックが同時期にあって。

記者:それは大変なタイミングでしたね。内定取り消しになったのですか?

山岡:内定取り消しにはならなかったんですが、就きたかった社会貢献性の高いプロジェクトや部署も自然消滅に。結局、配属されたのがオーガニックを使った化粧品の部署でした。
 挫折ではないけれど、どこに向かって歩いて行ったらいいのかわからない状態になりました。
 自分の置かれた環境もですけど世界に目を向けたら、戦争とか貧困とかもあって。そこから勉強していって思ったのは、戦争ってただの喧嘩じゃないんだ、ビジネス(お金儲け)なんだ、ということでした。
 できれば国連機関やNPO、NGOではなくて、貧困と環境にビジネスとして関わりたい。従事する人もちゃんと稼げるし、そのビジネスによって恩恵を受ける人々がちゃんといるようにしたいなと思っていました。


” 逃げたくなる時、「お天道さまはどう思うかな?」って思うんですよね ”


記者:どんな心のあり方や認識の変化が、今の活躍の背景にありましたか?

山岡:自分の力が及ばないサムシンググレート(SG)みたいな存在があるとか言われますが、私はそれは自分の中にいると思っていて。
 何かを決断する時、行動する時、逃げたくなる時に「お天道さまはどう思うかな?」って思うんですよね。
 例えば、道端でポイ捨てされたゴミを見つけたとき。急いでいるからと通り過ぎようと思う時もあるんですけど、その瞬間に「でもお天道さまが見てるよな」みたいな。
 お天道さま、つまり「あぁ逃げたな」というのを自分は知っちゃっているわけだから、それでいいの?と自分に問いかけて、あ!ダメって思う。
 尊敬している経営者とか人生の先輩方とか、“自分の力で成し遂げてきたのではなくて何かコントロールできない力によって恵まれてきた”みたいなことをおっしゃいます。
 対象の事象とか物があったとして、私がいて、それを第3者的に観る “メタ認知” みたいな、そういう認識の仕方やその視点を持つことが大事だと思うんです。


記者:国際問題や貧困などに、若い時から興味があったんですね。

山岡:2年前からファスティングの売上の一部1人あたり1,200円を“テーブルフォーツー”というNPOに寄付をしています。誰かがファスティングをし私が寄付をする。1人がファスティングをするごとに約3ヶ月間アフリカの子供が学校に通い、給食を食べる事ができる。
 誰かが食事を手放して我慢してくれたおかげで、遠く離れた誰かがお腹を満たすことができる。ちょうどよくパズルがはまった感じの協力スキームだなと思っています。
 戦争で死ぬ人よりも貧困で死ぬ人の方が多いんですよ。
 社会人になった当時からの考えですが、戦争は戦争のその時に人が殺されますが、貧困も環境もずーっとじわじわ横たわっている問題で、影響が一番大きいと思ってました。


記者:AIが活躍する時代に求められるニーズはなんだと思いますか?

山岡:もちろんAIがすごく進んできたらわかりませんが、人の気持ちを汲み取るとか、相手の立場に立ち気持ちを思いやって何かするなど、温かみや温度感があるコミュニケーションはまださすがに人間じゃないとできないのでは、と思っています。そこが大事なんじゃないかな。
 今、私がやっているファスティングのサポートって、基本、ラインでやっていますけど、温かみがちゃんと伝わる文章で答えなきゃ、というのはすごい意識をしていますね。


” 1人1人が人生や生命を慈しみ、大事にしていける社会を目指したい ”


記者:どんな美しい時代を創っていきたいですか?

山岡1人1人が自分の人生や命を、本当に慈しんで大事にしていけるような社会を一番目指しているし、そういう社会、そういう世界になったらいいなと思っています。そのための1つのメソッドがファスティングだし、食事を大切にするということだと。
 食べるということは他者の命をいただくという行為でもあるし、私たちの血となり肉となる、つまり生命を創り出すことでもあるので、それをやっぱり疎かにして欲しくないですね。
 私を含め現代人は忙しいから、いちいち他者の命を慈しんでいただくことができているか、と言ったらそんなことはないけど、折に触れて思い出さなきゃいけない感覚というか。
 他者の命をもらって。。。言い方をもう少し辛辣に言えば、他者の命を奪って生きているのが私たちなので。
 適当に食べて、適当に済ませて、美味しいとも感じないで、何かしながら食べるとか、そういう食事を大事にしないみたいな習慣って、結果的にその人の体に返ってきます。


記者:未来はどうしていきたいとか、ビジョンを聞かせてください。

山岡:会社を大きくしていこうとはそんなに考えていなくて、でもやっぱりもっとたくさんの人にこのサービスを届けて健康になって欲しいな。
 健康もそうだし美容的な効果も含めて、このサービスを受けて幸せになる人をもっと増やせるし、増やしたい。
 酵素ドリンクを使ったファスティングって、日本オリジナルなんですよ。日本の発酵技術のなせる技で。

記者:なるほど!味噌とか醤油とかですか。

山岡:そうなんです。結構大変らしいんですよ。
 いろんな菌というか、麹菌だけではなくて、酵母菌もいるし酢酸菌もいるしみたいに、いろんな菌が助け合って作られていくものなので、じゃ中国でやります、みたいにそう簡単には出来ないと思うんです。
 なので、この日本オリジナルのメソッドを、ぜひアジアとか欧米の人にも使ってもらいたいなという気持ちはありますね。

記者:いろんな菌が助け合うって、なんか日本っぽいですね。
   今日は素晴らしいお話、ありがとうございました。


山岡玲子さんの活動、連絡については、こちらから↓

●Organic Fasting Program HP :  https://organicfasting.com/

●Facebook :  https://www.facebook.com/yamaokareiko/

●TABLE FOR TWO(開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む、日本発の社会貢献運動): http://jp.tablefor2.org/ 

【編集後記】
インタビューを担当した、秋葉と石塚です。
 ファスティングの種類はたくさんありますが、山岡さんの医師と組んでデータから寄り添う真摯で誠実な向き合い方と、妥協をしたくない生命を慈しむその生き方に感動しました。
食という行為は、死ぬまで関わっていく私たち人間の活動のひとつですが、改めて、”他の命をいただく”という感謝を忘れないでいたいものです。
日本オリジナルの発酵技術の輸出にも、期待したい展開のひとつです。

今後のご活躍が楽しみ!
山岡さん、貴重なお時間とお話をありがとうございました。


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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

 

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