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【詩】卒業式の夜バイバイと言えなかった

容赦なくわんわんと雨が降り続けている

水たまりにしみる靴
横から濡らされてくシャツ

片腕で抱えてた
色紙は守れなかった

気づいたら
ところどころ水玉になってたメッセージ

そう今日は送別会

今生の別れかもしれないこの会で

結局
君と言葉を交わすことはなかった

電話でお別れされて以来

ほとんど話してないよ私達

なのになんで君は

私の方を見ないの


一言お話したかった

バイバイって言いたかった

お元気でって言いたかった

なのに言葉が出なかった

取り返しのつかない

本日最大の心残り

もう忘れようと

雨を突っ切った一人帰り道


雨を振り切ったあと

見つけた君のメッセージ

湿っぽいその色紙に

優しい字で書いてあったのは

当たり障りない応援と感謝の言葉だったんだ


野乃


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