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これからも持続できそうな、おうちごはんの提案

SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標 )について、はじめて本で読んで知ったとき、少し風向きが変わるような期待感をもちました。

ところが、この言葉が浸透するにつれて、その気持ちが高まるのではなく、SDGsって、ただのきれいごとかも、と思うようになりました。

エコバックを使うとか、フードロスを減らす、とか、それまでにも当たり前にやっていたことを、SDGsに向けた取り組みとして語ることへの違和感がありました。

このままではいけないからこそ、ゴールを決めてそれを達成しようとするのが本来のSDGsのはずなのに、と。


それなら、私がSDGsに向けて何をしていたかと言えば、何もしていませんでした。

私は、SDGsが何たるかについて知識があっても、それについて語らないし、何もしない、ただの傍観者。

みんながやっているわけではないし、やったって大した効果は出ないだろうし、やらなくていい理由はいくらでもあるように思いました。

でも、本当はちがいます。

やるべき理由はいくらでもあるのに、やらなくていい理由をつくっていたんです。

私は、どうせ中途半端にしかできないなら、やらなくても同じだと思っていました。

でも、

   0×100=0
   1×100=100
 

です。

たった0と1の差も、100日あれば、これだけ開きます。

1のアクションを増やす人が、1人から、2人、3人…と増えていけば、そのぶんだけ差は大きくなっていきます。



私がはじめたこと

私は、中途半端でもいいから、とりあえず、これまでやってこなかったアクションを1つ起こしてみようと思いました。

それが、毎日のごはんづくりで、SDGsを意識することです。

家庭のごはんづくりというと、とても小さなことにも思えますが、毎日の食事は、健康、衛生、エネルギー、消費と生産、気候変動、海洋資源、陸上資源など、多くのSDGsに関わってくる分野です。

私は、いま、こんなごはんづくりを心がけています。

①(毎朝食+週2回以上の夕食)肉、卵、乳製品を取らない食事に。
②(それ以外の食事)お肉はできるだけ鶏肉、卵は平飼い卵を選択。
③野菜は、できるだけ有機栽培のもの、地元で採れたものに。
④食材は、できるだけ国産のもの、添加物の少ないもの、季節のものを選択。

肉、卵、乳製品の量を減らしているのは、家畜が環境に与える影響が極めて大きいからです。牛から排出されるガスの温室効果、家畜に与える餌のための穀物大量消費による食料不足、また、大気汚染、土壌汚染、水質汚染につながっています。多くの感染症も原因は家畜にあります。家畜由来の食品の消費を減らしていくことで、これらの影響の軽減につながります。

ただし、私の場合は、朝食と週2回の夕食以外では、多少の肉、卵、乳製品をとることもあるし、外食ではなんでも食べるので、完全なベジタリアンやヴィーガンにはなっていません。

私は、お肉も、卵も、乳製品も大好きです。
畜産業に衰退してほしいわけではなくて、より長くつづけられる形にシフトしていくことを応援したい。

これまで、私は安さ重視で商品を選んでいました。
夫が一人稼ぎだったので、安くて栄養価の高いものを提供してくださる生産者の方々に助けられていました。

でも、これからは、私も働くようになるので、経済的には少し余裕が生まれます。
これまでは自分の家計のことを考えるだけで精一杯でしたが、今後はもう少し大きな視点で考えてみたい。
平飼い卵や有機野菜など、より手間がかかるけれども、環境や動物たちの衛生状態に配慮したものを生産してくださっている方々を、より応援したいと思うようになりました。

自分たちがより応援したいと思うモノやコトへお金をつかうことは、単なる消費ではなく、将来への投資にもなると考えます。

そして、環境への配慮をした商品を選ぶことは、環境のためにもなるだけでなく、自分たちの健康を維持することにもつながると期待しています。


海の資源を守るためにできること

畜産が与える影響をすでに述べましたが、漁業はどうなのかというと、乱獲や、養殖のなかでも環境に負荷のかかる方法によっては、生態系を乱したり、環境破壊につながる恐れもあります。

調べていて初めて知ったのですが、環境に配慮した漁業でとれたものであることを示すマークがあるそうです。

それは、MSC/ASCマークといって(MSCは、天然のもの、ASCは養殖のもの)、適切な漁法で獲れたものであることを証明します。

このマークのついた商品を購入する、あるいはこれらのマークのついた商品を購入したいという声を食料品店に届けることで、海の資源を守ることに協力できます。

下記のページは、このマークの説明や、どんな魚を選ぶと環境への負荷が少ないのか学ぶことができます。


私は、海産物についてのラベルしか見つけられませんでしたが、他の食品でもこうしたラベルがあると、食品を選ぶ一つの基準になって、より消費者がSDGsに貢献しやすくなるように感じました。

ヨーロッパのスーパーでは、ViO食品(無添加、オーガニック)のコーナーが充実していましたが、日本でも、もっと導入してもいいのにな、と思います。


持続できそうなごはん

こうした私のアクションは一例であって、最善策ではありません。

経済的理由や、優先すべきもののちがいによって、取り組めるものあれば、取り組めないものもあると思います。

私のアクションは、ベジタリアンやヴィーガンの方々から見たら生ぬるく見えるかもしれませんし、逆に、ほんの少し前の私だったら、今の私の行動をいい子ぶっているような感じで、煙たく思うかもしれません。

ただ、この中途半端ともいえるアクションにも、意味があると私は思っています。

環境への負荷を考えると、ベジタリアンやヴィーガンの人たちのように徹底した方が効果は大きいです。

でも、それは1人当たりで考えた場合です。

つらくて苦しいことを1人でやるのと、気軽にできることを10人でやるのとでは、後者のほうが大きな成果にもなりえます。

いまの私は「すごい」ことはしていませんが、「私にもできそう」と思ってもらえることをしているつもりです。

それから、私自身、少し前まで、こんなことをやっても、結局何も変わらないなら、おいしいものを好きなだけ食べたほうがいいじゃんと思っていました。

でも、最初に述べたように、1×100=100です。

「点滴も石を穿うがつ」のです。

小さな一滴のしずくも、やがて石に穴をあけます。
動かないと思っている事実も、少しずつ変える力を私たちはもっているはずです。


私のアクションは、SDGsに向けた作戦の一つの叩き台です。

これなら今よりは持続できそうかな、と思うアイデアにすぎません。

いろんな立場の人がいて、守るべきものもそれぞれ違いますし、取れる行動もそれぞれ違ってくると思います。

私自身も知らないことがありすぎるので、いろんな立場の方の意見を聞きながら、勉強して、よりよい行動をとっていきたいです。

そして、ごはんづくりだけでなく、いろんなSDGsへのアプローチがあるでしょう。

私自身も、一つアクションを起こして満足するのではなくて、ほかにもどんなアクションを起こせるだろうかと考えていきます。


以下では、同じようなアクションを起こしたいと思ってくださった方が取り組みやすいように、肉、卵、乳製品を減らすアイデアを紹介します。

取り組みやすいように、カードにしてまとめました。
画像は、良識の範囲内で、自由に保存したり、活用してください。


レシピ

朝ごはん

朝ごはんは、基本的に毎日菜食です。

野菜と豆腐のお味噌汁とごはんが基本。

それで、ビタミン、タンパク質、炭水化物をとれるので、おかずはごはんのおともがあれば十分。

お気に入りのごはんのおともを紹介します。

①なめたけ

ごはんにのせても。
大根おろしやおとうふにのせて、おつまみにも。

②かぶの葉納豆

最近のわが家の朝ごはんは、だいたいこれです。
白菜漬け納豆も好きです。

ほかには、ひじきの煮物とか、とろろ芋、めかぶなどをごはんのおともにしています。夏には、モロヘイヤや、オクラ、山形の郷土料理の「だし」などもいいですね。

朝ごはんは、基本的に菜食にすると決めてから、卵の消費量が半分くらいになりました。最近、卵の値段が高騰しているので、お困りの方にも、菜食朝ごはんはおすすめです。


夕ごはん

夕ごはんは、週に2回以上、菜食ごはんにしています。

まだ、レシピのアイデアが少ないですが、レシピが増やせたら、もう少し菜食ごはんの頻度も高くなりそうです。

①きのこ麻婆豆腐

お肉の麻婆豆腐よりも好きかも、
というくらいおいしいです。
きのこが油を吸うので、
ねぎをたっぷり入れると、
うまく炒められます。


②豆腐丼

お豆腐と油揚げをダブルづかいすると、
満足感があります。

ほかには、きのこのペペロンチーノや、シンプルなトマトパスタ、とろろそば、野菜のあんかけ温麺、などをつくっています。麺類は、肉や卵を使わないとタンパク質が不足するので、木綿豆腐のサラダを添えています。


夕食は、週2回の菜食以外の日も、できるだけ野菜をふんだんに使って、お肉や卵、乳製品、お魚が少量でも、満足感を得られるように工夫しています。

ただ、我慢をしすぎて、途中でやめてしまうことがないように、食べたいなと思ったときは、我慢せずに食べています。でも、野菜たっぷりのごはんは、身体に合っているのか、我慢している感じは今のところありません。

有機野菜や平飼い卵は値段が高めですが、肉と卵の消費量が減ったので、食費はほとんど以前と変わりありません。

たんぱく質不足が気になるときや、小腹が空いて間食をとりたくなったときは、豆乳と甘酒を割って温めて飲んでいます。

普段の夕食の例

かぶのそぼろあんかけ
サバの塩焼き
ブリの照り焼き


これからの課題:昼ごはん

昼ごはんは、家で食べるときは、朝ごはんや夕ごはんと同様ですが、お弁当では菜食ごはんのアイデアがまだなくて、実践できていません。

ただ、加工肉を使うのはやめて、自家製の鶏ハムやベーコンをつかうようになりました。

スープジャーに野菜のお味噌汁と、梅干し入りのおにぎりを持っていこうかな、などとアイデアを練っています。


SDGsの本当のゴール

今回の記事では、SDGsに向けた一つの取り組みを紹介しました。

最後に、大切なことをお話したいと思います。

SDGsとして掲げられた目標は、どれも重要な目標ですが、とりわけ重要なのは「目標16 公正と平和をすべての人に」だと思います。
ほかのすべての目標が、この目標16を最終目標にしていると言ってもよいでしょう。

すべての道はローマに通ず。
小さなアクションも、この目標16に繋がっているのだと、私は思っています。

いま大きな世界で起こっていることに無力感を覚えている人も、小さなことからこれからの世界を変えるチャンスは残されています。


今回記事を公開するまでにも、やっぱりこれはきれいごとなんじゃないかと公開することに、ためらいがありました。

でも、まだほんの小さな一歩だとしても、踏みだしたことを伝えたら、きっと背中を押してくれる人、ついてきてくれる人がいるんじゃないか、と希望をもって、公開することにしました。

SDGsをただのきれいごとだと思っていたら、たぶんそれはきれいごとのままでしかないでしょう。

きれいごとを現実にするには、どうしたらいいのか。

それを、みんなが本気で考えはじめたら、もしかしたらSDGsはきれいごとではなく、現実のものとして見えてくるのかもしれません。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

参考資料

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/center/Sustainable_healthy_diets_guiding_principles_Japanese_Feb21_accept.pdf

https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20220323.pdf


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