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[学校×教育×文学]挿話閑話

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ほぼ週刊の予定ですが、不定期連載。 学校教育をめぐるあれこれを、言いたい時に、言いたいように書き付けていきます。#学校×教育 文がクソゥあかんわ^^;
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#学校

捨てる―学校が教えてくれないスキル

捨てる―学校が教えてくれないスキル

謎の算数プリント孫の話です。

朝、手を付けていない算数の計算プリントを発見した親が、小学校低学年の孫を問いつめていました。

「これはなに? 宿題じゃないの? なんでやってないの?」

口ごもりながら答えている内容をまとめると、こういうことです。

昨日先生からもらったプリントではあるが、宿題ではないから、やっておく必要はない。

授業用のプリントでもないから、ランドセルに入れて学校に持っていく

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コロナと生きる学校教育のニュー・ノーマル(新常態)

コロナと生きる学校教育のニュー・ノーマル(新常態)

学校教育のニュー・ノーマル(新常態)もともと自由な行動が制限されがちだった学校で、3密を避けるためのさまざまな不自由が常態化しつつあります。

座る場所を指定され、体の向きを指示され、移動できる範囲を制限され、狭い机に向かって黙々と課題をこなすことを強いられる授業。

もちろん学校教育をになう現場の教員は、悪意でやっているわけではありません。むしろ児童や生徒の不自由が、過大なストレスにつながらない

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YouTube教育のすすめ―居眠りして寄りかかってくる隣の乗客への対処法

YouTube教育のすすめ―居眠りして寄りかかってくる隣の乗客への対処法

居眠りする乗客のスペースを消す居眠りして寄りかかってくる隣の乗客が右側にいた場合、左側に身をずらしたくなるのが人情です。

ところが、左側に身をずらすと、事態はいっそう悪化します。寄りかかってくる乗客を押し返して反対側に身をずらしても、隣の乗客はふたたびウトウトしはじめ、またしてもこちらがわに倒れかかってきます。押し返しても押し返しても、ふたたびこちら側に寄りかかってくることを防ぐことはできません

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国立情報学研究所の「データダイエットへの協力のお願い」の危うさ

国立情報学研究所の「データダイエットへの協力のお願い」の危うさ

専門家による「デマ」「フェイクニュース」 厚生労働省が出した「37.5度以上の熱が4日以上」という基準が流布されたせいで、検査を受けられなかったり受診をしなかったりして容体が急変し、新型コロナ感染症で亡くなるケースが相次ぎました。

 WHO(国際保健機関)が「一般市民のマスク着用に何らかの効果があることを示す具体的な証拠はない」という話が、マスクをつけても意味がないと受け止められて、無症状者や軽

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教師の欲望/生徒の希望、そして教師の都合/生徒の苦悩

教師の欲望/生徒の希望、そして教師の都合/生徒の苦悩

オンライン授業はどうすれば? ステイホームが求められている大型連休に、多くの教員が「オンライン授業」の研修会に「オンライン参加」しています。

 オンライン授業というのは、どうやってやればいいのか?

 オンライン授業では、どうやって評価すればいいのか?

 オンライン授業で、児童・生徒に学力はつくのだろうか?

 気持ちはよくわかりますが、これらはあくまでも「授業をしたい!」という「教師の欲望」

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教育改革のムーブメントをしぼませないために

教育改革のムーブメントをしぼませないために

 兄弟げんか、内ゲバ、宗派対立・・・はたから見ると似たもの同士でもう少し仲良くできそうなのに、近親憎悪というか、なぜか激しく対立し、憎み合ってしまうというケースには、枚挙に暇がありません。

 アクティブラーニングが盛んに喧伝された時も、「お前のは本当のアクティブラーニングじゃない!」とか「アクティブラーニングなんて、大昔からやってるわよ。今さら何を言ってるの?」とか「アクティブラーニング的だって

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遠隔授業の不自由と障碍

遠隔授業の不自由と障碍

 2017年5月に川上量生さんの「ネットの高校 N高の取り組みについて」という講演を聞いた時、これはぜひ学生に知らせたいと思い、ドキュメントを共有してコメントを付けさせました。当時の学生たちの反応の中で印象的だったのが、「こんなのは、ほんとうの学校じゃない」という類いのものでした。

 サッカーの元日本代表である秋田豊をコーチに迎えたサッカー部は、ネットの高校であるがゆえに、リアルサッカーではなく

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N高等学校が問いかけていること

N高等学校が問いかけていること

 創立5年目を迎えようとしているN高等学校ですが、4月から加わる新入生の数が、なんと6,000人に達するという噂です。(ちなみに3月の卒業生は3000人強)

 2016年4月に、1学年およそ2,000人という規模でスタートしたN高等学校は、中途入学者が多くて中途退学者がきわめて少ないという「入超」状態が続くことで、昨年の後半には3学年で1万人を超える規模になり、さらに生徒数を増やし続けています。

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