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【作例あり】フィルムシミュレーションとは 富士フイルムの全20種の色について

富士フイルムのカメラを購入する理由にもなるくらい人気のフィルムシミュレーション。

富士フイルムの色が綺麗と言われる所以の一つでもあり、簡単に色味やコントラストを切り替えられる便利な機能でもあります。そんな切り替えられるフィルムシミュレーションの数は増えに増え、今となってはなんと20種類もあります。

今回はそれぞれの色味の特徴を紹介していこうと思います。


フィルムシミュレーションとは

フィルムシミュレーションとは、富士フイルムのカメラに搭載されている撮影意図に合わせてフィルムを取り替えるように、発色やコントラストを変化させることができる機能です。

富士フイルムでは1934年にフィルムの生産開発を始めてから今日に至るまで富士フイルムは色の研究を続けられてきました。数々のポジフィルム、映画用フィルム、ネガフィルムなど様々な色のノウハウが富士フイルムに蓄えられています。

そのフィルムの色をデジタルカメラでも再現するだけでなく、デジタルに適応した色味となったプロファイルとなっています。RAW現像やレタッチをせずとも撮って出しから手軽に作りこまれた色味を表現することができます。


全20種類のフィルムシミュレーションの作例と色味

それでは全20種のフィルムシミュレーション全ての色味と作例を紹介していきます。

PROVIA/スタンダード

PROVIA/スタンダードはプロ用のリバーサルフィルムのスタンダードタイプ「フジクローム・プロビア」がベースをしており、風景から人物まで、あらゆる被写体に対応するオールマイティなフィルムシミュレーションとされています。

フィルムシミュレーションの中ではスタンダード的ポジションで意識して使っていない人は気づいていないかもしれませんが、れっきとしたフィルムシミュレーションです。

自然な色味を表現しているため、目に写った光景をそのままの色味で記録できとされているため、様々なシチュエーション、様々な被写体に対して何でもフィットするのが特徴です。


Velvia/ビビッド

Velvia/ビビッドとはプロ用超高彩度リバーサルフィルム「フジクローム・ベルビア」がベースで、名前の通り鮮やかな発色とメリハリのある階調が特徴的です。

青空をより青くしたり夕焼けをより赤くしたりと高彩度の表現に最適なフィルムシミュレーションとなっています。

 

ASTIA/ソフト

ASTIA/ソフトはファッション・ポートレート撮影での使用を想定して設計されたリバーサルフィルム「フジクローム・アスティア」がベースとして作られたフィルムシミュレーションです。

ソフトで忠実な肌再現と鮮やかな青空や緑の両立を目指しているため普段使いとして非常に使いやすいのも特徴とされています。


クラシッククローム

クラシッククロームは彩度低め、諧調が硬めに設計されていて、20世紀のグラフジャーナル誌に使われた写真のような色再現を目指したフィルムシミュレーションです。

これまでのフィルムシミュレーションは一つのフィルムを再現するように画作りをしてきましたが、クラシッククロームではプロカメラマンの撮影現場の声を聞きながら作成したため、簡単にプロカメラマンの表現を再現することが可能になりました。

その中でもドキュメンタリータッチの写真集や雑誌から汲み取った雰囲気を再現できるようになり、人の脳内にあるなんとなくのイメージを目指すという意味でクラシッククロームという抽象的な名前を採用したとか。

 

PRO Neg.Hi

PRO Neg.Hiはプロ用ネガフィルム「PRO160NH」をベースとして作られ、メリハリ感のある階調でやや鮮やかな色彩が特徴とされています。

さらに公式ページによるとスタジオポートレートの他、曇天下でのポートレートなど、メリハリをつけたいシーンにオススメとのことです。


PRO Neg.Std

PRO Neg.Stdはプロ用ネガフィルムである「PRO160NS」をベースに作られており、諧調と肌色の柔らかさが特徴で、作りこまれたライティングでのポートレート撮影に適しているとされています。

諧調がニュートラルになっているため、撮影後に画像加工を行う際にも最適なフィルムシミュレーションともなっています。

つまりはこのフィルムシミュレーションを使うだけでは写真が作品とならず、ライティングやレタッチでメリハリを作ることが前提とされている異質なフィルムシミュレーションでもあります。


クラシックネガ

クラシックネガとはスナップシューターに愛用されてきたネガフィルム「SUPERIA」をベースとして作られたフィルムシミュレーションです。

メリハリのある明暗の諧調感と、彩度を抑えつつも明部と暗部の色味を変えることで深みを増した色でハイコントラストで立体的な表現が得ることができるとされています。

一部では使い捨てフィルムカメラである「写ルンです」のフィルムを再現したという声も聞こえます。


ETERNA/シネマ

映画用のフィルム「ETERNA」がベースがなっていて、特徴としては特定の色が主張しすぎないように彩度は控えめ、白飛びや黒つぶれを防ぐハイエストとシャドウの非常に柔らかい諧調です。

簡単にシネマ・ルックに仕上げてくれるので写真撮影もいいですが、動画撮影時におすすめのフィルムシミュレーションとなっています。

 

ETERNA ブリーチバイパス

ETERNA ブリーチバイパス映画用フィルムを再現したと言われているETERNAをベースに銀残しのフィルム現像技法を再現したフィルムシミュレーションです。

特徴としては、彩度が低く抑えられつつもコントラストが強めとなっているため銀を残したような風合いになります。


ノスタルジックネガ

ノスタルジックネガは1970年代、芸術として定着させたアメリカンニューカラーを再現させました。

独特の諧調表現がハイライト部を柔らかくアンバーに描写する一方で、シャドウ部はディテールを残したままノリの良い色味を実現し、叙情的に切り取ることが出来ます。


REALA ACE

REALA ACE/リアラ エースはFUJIFILMのリアラフィルムを再現したと言われており、鮮やかで自然な色再現と、細やかな質感、高い解像度で評価を得ていました。

自然でありながら鮮やかな色合いを表現しており、特に青や緑の色域ではその効果が顕著に表れます。

さらに細かなディテールを捉える能力にも優れているため、肌の質感や布の繊細な織り目までまさに"リアル"に再現することが可能です。


ACROS

ACROSは世界最高の粒状性と称賛されたモノクロフィルムであるACROSがベースとなって作られています。

豊かなシャドウディテール、高精細なシャープネスに加え、高感度では粒状性が増し、モノクロフィルムのような質感が得られます。


ACROS + イエロー

通常のACROSに加えて追加してイエロー、グリーン、レッドのフィルターをかけた色味があります。とはいえ、白黒なのでカラーフィルターというわけでなく、特定の色が濃くなる機能です。

ACROS + イエローではコントラストをやや強調し、青空が少し濃くなります。


ACROS + グリーン

ACROS + グリーンでは唇、肌の調子を出しポートレートに適していると言われています。


ACROS + レッド

ACROS + レッドではコントラストを強調し青空が濃くなります。


SEPIA(セピア)

SEPIA(セピア)では時間が経ち色あせた写真を再現したモードです。レトロ感やノスタルジックな雰囲気を演出したい場合に適しています。


モノクロ

モノクロ写真のモードです。

ACROS登場以前の標準のモノクロフィルムシミュレーションであり、ACROSよりも階調やコントラストは控えめとなっています。


モノクロ + イエロー

ACROS + イエローと同じくコントラストをやや強調し、青空が少し濃くなります。


モノクロ + グリーン

モノクロ + グリーンでは唇、肌の調子を出しポートレートに適していると言われています。


モノクロ + レッド

モノクロ + レッドではコントラストを強調し青空が濃くなります。

FUJIFILMの色や質感、従来のフィルムシミュレーションついては以下の書籍にて言語化されています。作例も多く掲載されていて、写真集としてでも楽しめる本となっています。おすすめです。


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