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スマホ、ゲームの長時間利用すると学力が下がるという調査は嘘【疑似相関】

このニュースに関する記事です。

スマホやゲームなどの時間が短いほど正答率が高いという相関関係もあり、家庭内でのルールづくりが求められる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4a8b58d2e5d34e01fe31ba45b2a38aa36b19e47c

とありますが、本当にそうでしょうか。

統計を学んでいない人はそうなんだ!と思ってしまいがちですが、疑似相関という概念を知ると、理解が深まりそうです。

疑似相関とは

2つの事柄の間に一見関連性があるように見えるが、実際には直接的な因果関係がない状態を指します。

例えば、アイスクリームの消費量と溺れる事故の発生件数が同時に増加することがありますが、これは「夏が暑い」という共通の要因によるもので、アイスクリームを食べることが事故を引き起こすわけではありません。

このように、見かけ上は相関があるように見えても、実際には別の要因が影響しているケースが疑似相関です。

なぜ疑似相関なのか

1. 他の要因の影響:

学力は、いろいろな要素から影響を受けます。たとえば、家庭環境や親の教育方針、学校の質などが関わっています。スマホやゲームの利用時間が長い子どもは、もともと家庭学習が少ない習慣や、親があまり監督していない状況にいるかもしれません。こういった他の要因が学力に影響している可能性があり、スマホやゲームが直接の原因とは限りません。

たとえば、ある家庭では親が忙しく、子どもが自由にスマホやゲームを使える状況があるとします。その子どもは家庭学習が少なくなるかもしれませんが、これはスマホやゲームの利用だけが原因ではなく、家庭のサポート不足などが関係しているのです。

2. 逆因果関係の可能性:

因果関係が逆である場合もあります。つまり、学力が低いからこそ、その子どもが勉強に興味を持たず、代わりにスマホやゲームに時間を使っているということです。この場合、スマホやゲームが学力低下の「原因」ではなく、「結果」となっている可能性があります。

ある子どもが勉強が苦手で、授業についていけないと感じているとします。その結果、勉強よりもスマホやゲームに楽しみを見出し、長時間利用するようになるかもしれません。この場合、スマホやゲームの利用は学力低下の「結果」なのです。

3. 相関と因果関係の違い:

相関関係とは、2つのことが一緒に変化するという関係です。しかし、それが直接的な因果関係、つまり「AがBを引き起こす」という関係であるとは限りません。この記事では、「スマホやゲームの利用時間が増えると学力が下がる」という相関関係が示されていますが、これが原因と結果の関係であるとは限りません。

たとえば、雨が降ると傘をさす人が増えます。この2つには相関がありますが、「傘をさすことが雨を降らせる」という因果関係はありません。同様に、スマホやゲームの利用時間と学力の低下が一緒に見られても、他の要因が関係している可能性があります。

まとめ:

この記事で指摘されている相関は、スマホやゲームの利用が直接学力低下を引き起こしているわけではなく、他の要因が関わっている可能性が高いです。スマホやゲームを利用する時間が長いことと学力の低下には関連が見られますが、その背後にある原因を慎重に考える必要があります。相関関係を見て即座に因果関係と判断するのではなく、他の可能性を検討することが重要です。

このように、多角的な視点から理解すると、記事が指摘する相関が疑似相関である可能性があることがわかります。

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