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【詞】海を見ていた

海を見ていた日 その波打ち際で
比喩じゃなく 嘘でもなく 座り込んだ君のこと 
髪をゆらしてる飄飄と 風に声を吹き込んでいた
肩をゆらしてる桃源郷 足下の砂を読み込んでいた

海を見ていた日 その小さな窓で
寄せては返す波の夢 眺めていた君のこと
この部屋から飛び立つものは 鳥の群れを紡いだ言葉
海 空 その紙一重まで 星の無数を紡いだ言葉


あの子は放課後 寂しそうに 石を蹴っていた 楽しそうに
陽射しはふいに 頬を色づく 道の灯りを 両手に握る
何も言わない それだけなのに 何よりもほら 近くなれるみたい
陽射しの鏡 朱い水面に 足が浸かる 二人きりの海


大人になるんだって 気にしてみれば、足下に見る
雲模様に込める理想 誰も知らないほどの理想
君と歩いていけばほら 明日にもなれる想像が
膨らんでいくんだよ きっと今も

海を見ていた 波打ち際のずっと先まで指を差して
耳を澄ます空気にいつも子どもの頃が見えるよう


あの子は放課後 楽しそうに 頬を色づく 道の灯りが
何よりもほら 近くなれる 陽射しの鏡に 二人きり

一人きりの帰り道の空いた分だけ風は包み込む
寄せては返す波の夢 きっと今も海を見ている



詞の新作です
タイトル通り、海を見ているイメージの詞です

最初にある"比喩じゃなく"という言葉は、以前、同じく"海"をテーマにした「比喩じゃない」という詞からの引用です


文の中に出てくる"君"と"あの子"は、同じ人物を差していて、"子どもの頃の海沿いでの青春"みたいな、そのような文章になっています

あとは別れも意識しています
自分の創作は、一人 や 別れ をテーマにしたものが多いです

海を題材にした曲では、米津玄師さんの「海の幽霊」という曲をよく聴いていた時期がありました
サムネがとても綺麗です^ ^



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