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【詞】薄暮

通りの春がきらめいていつか
大きすぎる街を走る
燃えるような言葉がいつか
夢の中に灯る光
声が聞こえても何か分からなくて
夜の底で声を掴んで
返す言葉の糸は
薄暮はくぼに浮かぶことわりの中を
まるで縫うように
薄暮に浮かぶ理の中を
まるで縫うように


僕の話すことは正しくないな
降りる帷 よぎる嘘に身体を預け
君の声が聞こえなくても聞いた気がして
日々の底の影の魚
掬うイメージの網よ
薄暮にゆらぐ理の花を
そこに見るように
一人歩き 夜の鼓動
君を見たように


空の無口な色を見る
街は今日も色付いている
川に映る雲間から
永遠に似た夜が降り
佇む服は春の色
瞳の奥に夜を込め
翳る言葉を手で招く
君の見せたはじまりを


ここで無口な僕を見る
鳥は今日も囀っている
音の響く川面から
降りしきる雨の一昨日おととい
重ねる日々は春の色
重ね着 服は涙色
はじまりはいつかおわりへと翳る
理の中へ消えるよう



久しぶりの詞の新作です!
"薄暮"は夕方の意味合いなので、夕方がテーマになっています

"薄暮に浮かぶ理の中をまるで縫うように" という文章がリズミカルですきです
"理"というワードも、最近の自分の詞の中によく出てきます

"重ね着 服は涙色" というのは、サカナクションの歌詞をイメージしています
サカナクションには、涙がタイトルに付いた曲もあるので、そこからイメージしました

サカナクションの歌詞は、春の描き方が独創的で面白いです^ ^


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