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400字小説

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400字程度で書かれた小説たち。ライフワークであーる。2024年1月1日午前7時オープン!
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#現代アート好きな人と繋がりたい

【400字小説】@塾々

【400字小説】@塾々

沼の浅瀬で半魚人が待ってて。
わたしは抱き締めたかったけれど、
魚臭くならないか期待して、手が出なかった。

「ぎょぎょぎょ」としか
逝ってなかった半魚人の
言葉がなぜかわかった。

「人生二度きりだよ」と言ってたので、
人間の次は半魚人で
生きることを覚悟できなかった。
講師を辞めることは易々と越えられたのに。

寺があった沼の池で
蓮の上に仁王立ちできない。
仏様なんてきっといる。

イルな人

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【400字小説】微妙に通じ合えない

【400字小説】微妙に通じ合えない

はちみつではなく、水だった。
キッスを朝死んだら聴きたい。
ニュ~トラルに生きてえええって長渕剛とは
真逆で、やさしいあなた。
わたしのすべてを伝えたら、あの人とは疎遠になった。

キーボードを叩く音がうるさくて、
隣のお姉さんに睨まれている。
Winkするほど寂しい熱帯魚ではない。
金が必要で最低な男。
借りた金は返さない友永、
パチンコで勝った時だけおごってくれた田川、
貸したギターをメルカリ

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【400字小説】熊谷で会いたくない

【400字小説】熊谷で会いたくない

アフロディーテギャングになりたいって、
一行のLINEを送りつけてきた
雲の彼方のお前に返す言葉はない。
犯罪者であることに間違いない。
一ヶ月、ずっと舐達麻を聴いてるくらいだから
沼ったと言っていいけれど、
だからって移住するには早すぎないかい?

ありがとうの数だけ別れはある。
お前には世話になりっぱなしで、
礼のひとつも返せてない。
俺も俺なりにお前に尽くした。
スタバしょっちゅうおごってや

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【400字小説】性癖不足

【400字小説】性癖不足

足の甲を踏んでほしいという性癖。
行為の最中は、そういう気持ちにならないけれど、
終わった途端、無性に踏んでほしいと思っちゃうんだよね。

歴代の彼氏はベッドから出て、
立ったわたしの足の甲を裸足のそれで
踏んでくれる人たちばかりだった、やさしみ。

でも、オーノくんはしてくれない。
彼の性癖は終わった後、そのまま寝落ちすることで、
果てるとスイッチが入ったかのようにカチッと眠り出す。
寝顔を見て

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【400字小説】犯罪に足を染める

【400字小説】犯罪に足を染める

「駅前で強盗だって。白昼堂々入店して
乱暴に金目のものを奪っていったみたいだよ、
たったの105秒でさ」

「そんなの捕まるだけじゃん」

「捕まりたいんだよ。舐達麻になりたいんだよ」

「なに、なめだるま?」

午後2時のわたしたちの2LDKでの会話。
ゴウくんはやはり舐達麻を知らなかった、
善良な市民だからな。
わたしはどちらかといえば悪い女なので、知ってた。

てゆうか大好き。
そのまっすぐ

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【400字小説】ポテンヒットも狙えない

【400字小説】ポテンヒットも狙えない

ヒットは偶然。
わたしは計算して作品を仕上げるタイプではない。
バズった小説は偶然によって書けてしまった。
だが、それが芸術ってものだし、
人間の深みがあるというもの。
緻密に考えられて作る小説は
AIに任せておけばいいと思っていた。
ラッキーだった、一発屋と揶揄されても構わない。
それで満足。

でも業界人は違った。
次作もヒットさせてくれと懇願。
それまで楽しく書いていただけの小説は
瞬く間に

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【400字小説】聴いたことあるナイフ

【400字小説】聴いたことあるナイフ

メタリカのメロディアスな演奏に酔っていたら、刺された。
ベースがごりごり、ドラムがドンドン。
シュガードーナツ食べたい。
電車のなかで満員。
立って松本駅に向かっていた、最中。
ズブズブと入刀。
鈍い痛みだった。
でも声も出ないくらいの鋭い痛みでもあった。
アドレナリンか何かが脳から放出されたみたい、
原発処理水を垂れ流したあの海のようだ。
わたしは当然のことながら
その場にうずくまってしまって、

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【400字小説】なんとなく感想文

【400字小説】なんとなく感想文

舐めてた、ジューダス・プリース卜『ペインキラー』に
ド*頭をカチ割られて。
古着屋のバイトの同僚Sさんから借りた
4枚のCDのなかではダークホース的存在。
高校野球部時代の最後の夏の新聞に、
我がチームはダークホースと書かれていて悔しかったなあ。

だからジューダス・プリーストに申し訳なくて。
アルバムが発売されたのは1990年。
ちょうど最後の高3の野球部だった年、9月発売。

もっと驚いたのは

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【400字小説】そろそろ夕日も

【400字小説】そろそろ夕日も

ド*平日の午後3時過ぎに車の点検でzoomzoomに。
この間、あの人とこの店の前をトボトボ歩いていた。
夜だった閉店間際で、
担当の顔見知り・ディーラーさんの姿はなかった。
見られても別にやましい関係ではないから、あの人と。

なので、堂々と手を繋がずに歩いた、あの夜。
雨が降りそうで、実際、県民文化会館に
集合したときはひどい雨だった。

今日は青い空が広がっている。
目の前にお山が見える、緑

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【400字小説】フラメンコ・ジャスティス

【400字小説】フラメンコ・ジャスティス

ビセンテ・アミーゴのギターが郷愁を誘ってる店内。
洋食屋『Hola!』はヨーロピアン・テイストのカレーが人気で、
でも、あえてわたしはシーフードパスタを注文。
ビセンテのそれは情熱を増して演奏され、
そこへ人間のものとは思えないほど、
悲しみを帯びた熱い歌声が割り込んできた。

わたしはかなり上機嫌で今日を過ごしていたけれど、
懐かしい思い出に浸ってしまうような
ポジティブでもネガティブでもない気

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