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刑法 拡張解釈と類推解釈
拡張解釈とは、条文の文言の意味を、日常的意味よりも広く解釈することをいう。一方、類推解釈は、事件について直接に適用できる規定がない場合、類似した事実に適用される刑罰規定を適用して処罰することをいう。例えば、ある廊下に「サンダル履き禁止」という規則があり、この廊下を「下駄履き」で通行したとする。この場合において、サンダルも下駄も足全体を覆う履物ではないという共通点があるので、「サンダル履き禁止」という規則の効力を下駄履きにも及ぼしてよい、と解釈するのが類推解釈である。
刑法は、その行為を処罰する規定があらかじめ存在しない限りその行為を処罰できないとする罪刑法定主義を採用する。罪刑法定主義の原則の下では、拡張解釈は許されるが、類推解釈は許されない。適用法規の不存在を前提とする類推解釈は、適用法規が存在することを前提とする罪刑法定主義の原則に反するからである。
ただし、例外的に類推解釈が許される場合がある。これは、被告人に有利な方向での類推解釈である。類推解釈の禁止は行為者の処罰予測可能性という観点からの要請である。したがって、犯罪成立を制限する事情は、似た事情があるときに規定されているものと同じ取り扱いをしても、行為者が処罰されない方向に広げる解釈であるから許される。
●参考文献
・佐久間修・橋本正博・上嶌一高(著)『刑法基本講義 総論・各論 第3版』(有斐閣,2019)26~28ページ
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