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孤独のグルメ seasonN島 第17話

スパ飲みをしながら恐れが敵だと気が付いた


疲労していても9時くらいに目覚ましで一度起きると、いくら横になっていても、意識が落ちてくれないので眠いけど寝れないと言う不眠症の方と同じ類の辛さなんだろうな。

たまにこういった二十代くらいの時はまるで分からなかった現実を突きつけられ、加齢というのは学ぶものなんだなとか思わされる

まあ、なので寝れない中ダラダラするよりはと弘明寺まで来て、弘明寺観音様に俺にラッキーな事しか起きないようにしてくれてありがとうございますと感謝のお参りに行ったあと、みうら湯で疲労を抜いて、食堂でチビリチビリと始めた。

寝湯がいいよね

グラスを傾けながらとりとめもない思考をしていると、経営している飲食店をリニューアルして5営業日くらい経過したが、ちょっと気づいた事があった。

その一つの気づきが次々とパーツを呼び出し、一つの形となった。

多分なんだけど、去年の俺は恐れていたなと。

父が33年続けた店を俺が1年とかで潰したらみっともない的な恐れを感じていたと思う。

だからコロナの影響はあったとは言え、客足の途絶えた赤字の店舗の赤字継続を恐れていた。

結果的に、お客さんを大事にしようとしていたが、やってた事は違っていて、大事にしていたのではなく、ただ客に媚びていたんだとふと思わされた。

それは駄目だなと気づいた瞬間、過去の経験がフラッシュバックし、そうだと気付かされた事がある。

最初に恐れる必要のない事を恐れるのを咎められたのはギャンブルだった。

恐れを抱いた博徒は必ず負ける

負けがこんで、祈るようになったり願うようになったら勝負事は100%に近い近似値で負ける

幸運の女神様は女性なんで、媚びるような者には価値を感じず、残酷なまでに結果で拒絶してくる

だから、真っ向勝負

俺がお相手仕る、かかって参られよくらいの覚悟で挑まないとまず勝負事は負ける

次に恐れを結果に咎められたのは、12年付き合った彼女と別れた後だった

大分ブランクが空いていたので、女の子とご飯に行こうとしても、拒否される事を恐れて、多分媚びるような誘い方をしていたと思うのだ。

だから、恐れが現実になっていた

拒否なんか恐れちゃならないんだよな。

確かにイエスかノーかの選択肢は女の子にあるが、その選択権を与えるのは俺だ

俺が選択権を与えなきゃ、そもそもエントリーすらできない

先に選ぶのは俺なんだから何を恐れる必要がある

自分に媚びるような男に女の子は価値を感じない

価値を感じなきゃ、そりゃ拒否される

と恐れてはならないと二つの分野で学ばされたのに、また間違えたんだよな。

恐れて客に媚びを売るような店に客が価値や魅力を感じるだろうか?

まんま、男に対する女の子同様、店に価値を感じないんじゃないか?

だから、居丈高になるのも違うが、媚びるのも違う

自宅近隣の飲み屋が理解できないレベルに横柄で行く気が俺はしないんだけど、それでも客が多いのは本能的に客に媚びると価値を客が感じない事を分かってるからなんじゃないだろうか

だから、舐めてるとしか思えない接客をして、湯葉よりも薄そうな表面を取り繕い、価値のあるふりをしている

それにまんまとハマる人が多いだけなんじゃないだろうか。

だとしたら、店の営業も同じだよな

客が来ない事を恐れるな

まだ、俺の利き腕は老人の手と違い、何かを失わないために守る手じゃなくて、何かを得ようと掴むための手のはずだ。

客がいないから今いる客を失わないようにしようじゃなく、客がいないなら作れば良い

やれる事全部やりきって、俺が客を集めるんだと。

だから、現状を恐れちゃいけない

望まぬ状況なら望む状況に俺が変えるんだという覚悟を持って、やらなきゃ駄目だなと。

今まで、どんな状況も克服してきたし、営業も長くやってどの会社でもゼロからある程度の成績はコンスタントに出せるようになっている

会社の売りが立てられて、個人店の売上げが立てられないはずがない

今は客がいない状況を恐れる事を止めよう

他の誰でもない、俺が結果を変えるんだと腹を括ろう

だから、客に媚びるようなマインドは捨てよう。

兎にも角にも恐れる必要のない事を恐れるな

そんなことをスパでダラダラと飲みながら思わされた。

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