音楽の好みから、価値観の違いが透けて見えた
この語学学校には、様々な地域から生徒が来ている。
特に多いのは、ブラジルやコロンビア。
ある日の通学路で、ブラジル人のクラスメイトとばったり出くわした。
彼女はフランス語が本当に上手で、ぺらぺらと喋る。
彼女ほどうまく話せないわたしにも、笑顔で話しかけてくれる素敵な人だ。
一緒に学校まで歩く中で、音楽の話になった。
◇◇◇
日本の音楽はJ-POPって呼ぶことが多いかも、韓国の音楽をK-POPって呼ぶような感じで
乏しい知識とフランス語を総動員して説明すると、彼女はあっけらかんと言い放った。
わたし、K-POPなんて好きじゃなーい
さっぱりとした言いっぷりに、吹き出してしまった。
(K-POPファンのみなさん、ごめんなさい。ばかにしているわけではないのです)
えー、なんで?
そう聞くと、彼女は立て板に水のようにぺらぺらと喋った。
だって、みーんな同じ格好をして、同じダンスをするんだもの
そんなの変でしょ?
どうも、歌詞とか音楽そのものじゃなく、ダンスに違和感を覚えているようだった。
わたしもK-POPはよく知らないので、たまーにTVで見かける中でのイメージでしかないのだけど…特に女性メンバーが集まっているようなグループだと、みんな同じ髪型・メイク・衣装で、ぴったりと動きの揃ったダンスをすることがある。
それが、彼女にとっては奇妙らしい。
ブラジルじゃ、みんな自分の好きな格好で、自分の体が動く通りに、好きに踊るよ
みんな同じなんて変だよ
そう言われてみると、確かに、サンバをみんな同じ動きで踊りはしない気がする。
彼女はそのままブラジルの音楽のことをいろいろと話してくれた。
ブラジルの音楽は、アメリカのEDMみたいな感じで、リズムに乗って踊れるような曲が大半だそうだ。
※EDM…電子音でできた音楽で、クラブで流れているような、踊るための曲(参考サイト:http://edmmaxx.com/news/549)
わたしも、踊るのがすき!
音楽が鳴ってたら、自然に踊りだしたくなっちゃう!
わたしは踊ったことなんてないなあ…とぼんやり思っていたら、学校についた。
◇◇◇
音楽のよしあし、好き嫌いは置いておいて、わたしが面白かったのは、彼女がK-POPを好きでない理由だ。
みんな同じなんて変だよ
確かにそうだよね、と噛みしめる。
みんなが同じ髪型に同じメイク、同じ服である必要なんて、ないんだよね。
統率の取れた、秩序のあるカルチャーと同じくらい、みんなばらばらでカオスなカルチャーだって、すてきだ。
そんなことも学べるから、ここに来れてよかったと思う。
最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。