新人達、「ユートピア症候群」にかかっていないかい?
世の中の若手・新人のみんなへ、とっても大事なことを伝えます。
とっても大事なので、できれば新人の方は最後まで読んで欲しいです。
新人ではない方は過去を思い出しながら、ぜひ気にかけてる新人にこの記事を教えてあげてください。
この世には新人が必ずかかる病気があります
新年度が始まって3ヶ月弱。そろそろ発症してる人がいるでしょう。
この世には君達が必ずかかる、ある病気があります。それは「ユートピア症候群」と呼ばれるものです。
これは君達だけがかかるものではなく、どんなに今凄い人も、若い時にかかったことがあります。
「ユートピア症候群」とは?
「自分にはもっと自分を活かせる環境があるはずだ」と、あるかもしれない理想郷を追い求める病気です。
発症の仕方はいくつかありますが、原因は一つであることが多いです。
「現状の能力」と「期待される能力」との差分があるがその現実を受け止めきれず、差分があるため褒められることが少なく、高い承認欲求が満たされない。
つまり
「承認欲求が高い=自己愛が強い」
「能力不足を受容できない自尊心の状態」
「努力をする確固たる理由が存在しない」
の3つが揃った際に発症します。
発症の仕方 Ⅰ類〜Ⅲ類
一方、発症の仕方は人によって変わります。主にⅠ類〜Ⅲ類の3種類存在します。
Ⅰ類:承認欲求を満たすために「もっと褒められる環境」か「もっと周りに自慢できる環境」を追い求めて転職を検討する。
周囲には「自分のやりたかったことは○○だ」とそれっぽいことを言う。
(その裏には「やりたいこと見つけて凄いね」と言われたい、というインサイトがある)
Ⅱ類:自尊心を満たすために「自分は悪くない」「会社や上司や環境のここが悪い」という発信を陰でする。
その時、話しかける人は共感してくれそうな人のみとなる。
「視座が低い」と強い指摘をされそうな人と話す時は本音を言わなくなる。
(その裏には自分を守るため「自分は正しい」と思いたい、というインサイトがある)
Ⅲ類:現実逃避をするために「"仕事よりプライベート大事"論」を大義名分として掲げ、個人最適となり、目標未達をなんとも思わなくなる。
仕事が未完了でも何の報告もなく退社している人は、Ⅲ類が発症している可能性があります。
(本人は現実逃避をしているという自覚はなく、あくまでプライベートを大事にしているだけという認識である)
なお、これらは同時に発症することもあります。
ちなみに僕はⅠ類Ⅱ類が発症経験有りです。Ⅲ類は有難いことに発症しませんでした。
各症状の発症者へのアドバイス
Ⅰ類:承認欲求充足を目的とした転職活動者の君へ
結論、転職すればいいと思います。僕も発症した時は転職しました。でも僕は転職して満たされることはありませんでした。なぜならそこも求めていたような環境ではなかったのです。そこで色々なことに気づきました。
それまで、周りからは承認欲求で動いていると言われても、自分はそんなことはないと言い張っていました。
認められず、それを「本当にやりたいこと」に脳内変換させてしまっていたことに気づいたのです。
その時こそが、自分が自分を正しく認知できていないという事実に向き合わなければいけない瞬間でした。
転職をすることは否定しません。その経験から挫折を味わい、得られることもありますし、もしかしたら転職先は本当に貴方が思うユートピアかもしれません。
ただどんな環境に行っても、僕の失敗のように、本当の自分自身と向き合えていない限り同じことが繰り返されるだけです。
そして、一つだけそんな君が認識できていないであろうことを伝えます。
それは、周りは自分が思っているより自分のことをわかっているということです。自分が言っていることが承認欲求であると、周りは気づいています。もしそれを言われていないとしたら、貴方が謙虚に受け入れる土壌が出来ていないと思われているからです。要はあきらめられているのです。
もし今の環境で頑張り続けるとしたら「成長のサイクル」に入るまでは苦しいですが歯を食いしばって頑張るしかないです。成長のサイクルに入るには、自分の正しい現在地を認め、周りの意見を聴ける状態になることが入口となります。
先輩や上司に「自分の課題とそれを直すためにすべきことを教えてください」と言えるようになったら、このⅠ類から抜け出したと言えるでしょう。
Ⅱ類:自尊心を満たすために陰で他者を攻撃する君へ
これは自分が立場を持って気づいたのですが、立場を持つと愚痴を言っている時間もありません。加えて、愚痴を言うことのマイナスの影響が大き過ぎるため、一切の愚痴を言えなくなります。
だからこそ愚痴を言うことは弱い者の特権です。その行為自体を否定はしません。僕もそうしてました。立場が弱い人間は、いくらでも人のせいにして、逃げ道があります。
そしてきっとこの行為に対してもきっといろんな言い訳があるでしょう。
攻撃しているわけではない、おかしいと思うことを提言しているだけだ。
そんなに給与ももらえてないから責任も大きくないからこれぐらい言わせてくれ。
だいたい出てくるのはこんなところでしょうか。その主張を言う人の気持ちはわかりますし、僕もⅡ類発症時はこれを言っていました。
立場が変わった今だからこそ、はっきりわかります。
いかに成果を出していようがパフォーマンスを出していようが、その行動は実は組織にとっても君にとっても害でしかありません。百害あって一利なし。言っている内容は100%意図しない人に伝わりますし、自分の評価が上がることは決してありません。それを理解してまでもその行動をしてしまうのであれば一刻も早く退職をした方がいいです。
なぜなら、正しいことをわかっていても行ってしまう行動には、感情が乗っているからです。プロは感情で仕事をしません。
ファッション(なんとなくイケてる)
テンション(気持ちが乗る)
モチベーション(やる気が出る)
ミッション(やらなければならないことを遂行する)
ビジョン(ミッションが将来の目標や夢と紐づいている)
プロとは4番と5番で仕事をする人のことです。やる気やモチベーションが上がる上がらないと言っている内は、学生のサークルの延長線です。大谷翔平やイチローがテンション上がらんとかモチベ上がらんとか言っている姿が想像できますか?総理大臣がモチベ上がらないのでコロナ対応しませんって言い出したらどう思いますか?
この記事に辿り着いた君は、きっと何かを変えなきゃと踠いているか、何かを変えなきゃと気にかけてくれる人が周りにいるのでしょう。そんな君ならきっと何か素質があるはず。頭も良いはずです。
そんな君なら、本当はわかっているはずです。誰かの愚痴を言っても何も解決しないことを。本当は自分が変わるしかないことを。
既に伝えた通り、逃げ道自体を否定はしません。でも逃げ道を正当化することを自分に許してしまうと、常に人のせいにしてしまう癖がついてしまいます。
今は弱い立場だからこそ、そして責任も大きくないからこそ、逃げられます。だから今本当に苦しかったら逃げてもいいです。逃げることも一つの選択肢です。それが長い目で見ると糧になることもきっとあるでしょう。
でも知っておいて欲しいのは、人生において逃げられない・逃げてはいけない状況が必ず来ます。その時に乗り越え方を知らない人間にはならないでください。
「いつ乗り越え方を知るか」そのタイミングの問題でしかありません。今でもいいし10年後でもいいです。一生知らずに死んでいっても構いません。
変わるための第一歩は「世界は自分を中心に回っておらず、世の中に存在する大半のことは自分の自尊心より大事なことである」ことを認め、何かを指摘されても一切の言い訳をしないで受け入れることです。それがユートピア症候群Ⅱ類を抜け出す条件です。
Ⅲ類:現実逃避のために「仕事よりプライベート大事」を持ち出す君へ
まず大前提ですが、プライベート云々ではなく、仕事より人生の方が大事です。これは間違っていません。
仕事のために人生があるのではなく、人生の中に仕事があります。自分の人生を仕事に捧げ過ぎないでください。
ただ仕事は人生の一部であることは、これも間違いがありません。
そして1年間のうち、定時の時間だけを働くとすると、仕事に捧げる時間は23%です。残りの時間は77%もあります。
君が大事にしようとするしないに関わらず、実は大事にするための時間は多めに存在しています。つまりそれは仕事を頑張らない理由にはならないのです。
さて、ここから重要なことを言います。
なぜ「今頑張らなければいけないのか」です。
今プライベートを大事にすることは簡単で楽な選択肢ですが、その結果スキルが身につかず、年齢を経た時にプライベートを大事にできるレベルのスキルと年収を持てていないため、結局年齢を経てからプライベートを大事にできなくなります。
今プライベートを重視したくて仕事との比率を5:5にしたとしても、10年後に周囲が稼いでいる金額に追いつこうとすると、5:5では成立できなくなります。それはプライベートを充足させるために必要な"稼ぐ"スキルが身についていないため、稼ごうと思うと労働集約(時間をかける)しかないため、仕事にかける時間の比重が大きくならざるを得ないためです。
社会では、多くの状況において30代にチャンスは与えてくれないのです。失敗してもいいチャンスをくれるのは実は20代のボーナスステージなのです。つまり20代のうちに失敗をして経験を積んでいないと、30代になって避けるべき失敗がわからない人になってしまいます。
つまりどういうことか、とてつもなく残酷で絶望的な真実を伝えます。
それは、20代で空いた差は一生埋まらないということです。
1人の努力で得られる知識量なんてたかが知れてます。知識を持っている人から教えてもらって成長スピードが高まるのです。つまり成長とは、関わる人に応じて早くも遅くもなるということです。
20代で頑張った人は30代では時間がなくなるため、関わる人を厳選するようになります。得られる物がない人と関わっている時間などないのです。頑張らなかった人から得られる物は、強いて言えば「頑張らない人がなぜ頑張らないのかという行動原理を知ること」ぐらいしかありません。そしてそれは君からでなくても得られるのです。つまり20代で頑張らなかった30代の君と関わる理由は一つもありません。
30代で貴重な情報を持っている人が関わる人は、同じく貴重な情報を持っている人だけなのです。つまりもうそういった人から情報を得られるチャンスはよほどのことがない限り訪れません。
逆に言うと、20代頑張った人はそういった視座の高い方と関わる機会が多くなり、成長のサイクルに入れます。「どのようにしたら楽をして稼げるか」というWebに転がっていない情報も教えてもらえます。
つまり、将来楽をしたいと思ったら、今頑張るしかないのです。それ以外に将来楽をする方法はありません。
もちろん「今」楽をしたくて、将来のことなんか将来考えればいいと思うのであれば別です。ここまで読んでもそう思うのであれば、それは自分の人生なので自分で判断すればいいと思います。
君が"本当に大事にしたいこと"はなんですか?
それは"いつ"大事にしたいことですか?
今頑張るべきかはこれだけで決めればいいと思います。
ユートピア症候群発症者すべてへ伝えたいこと
実はユートピア症候群が発症していながらも、Ⅰ類〜Ⅲ類にも分類されない人がいます。それは「ユートピアは自分で作るべき物である」と思っている人種です。日本の成功していると言われる起業家達の多くはこれです。
つまり、今起きていることや発生していることを、他責にも環境のせいにもせず自責として捉え、自分の考えるユートピアを自分で作り出す物だと本気で心から思っている人です。
本当は君が目指すべきはこの人種になることです。
そしてこの人達の共通項があります。それは「メタ認知力」です。
自分自身が持っている考え方や、その裏にどういう考えを持っているか、人からどう見えるかを正しく認識する力です。
どの仕事においても、他人を理解することが仕事の本質です。顧客のことも、一緒に働く人も、それぞれがどういう想いを抱えているかを理解していないと仕事の成果は上っ面になります。
そのためには、まず自分自身を理解していないと他人を理解することなんてできません。
自己理解を深めて自分を客観視するために、お勧めの本があります。
これを読んで、質問があればぜひTwitterでDMください。
最後に
僕はスタート地点は遅かったです。ネットもない、コンビニもない、スマホもない。そんな環境から努力だけで這い上がってきました。
今でもまだ誰かを幸せにするスキルがあるなんておこがましいことは言えませんが、それでも僕の力を求めてくれる人がいることに心から感謝しています。
自分の過去や自分がしている活動については、こちらがわかりやすいのでぜひお時間がある際にでもご覧になっていただけると嬉しいです。
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