にしなこども@As Natural

小児科全般・救急・集中治療・障害児医療など幅広く診療経験を積んできました。ここでは科学…

にしなこども@As Natural

小児科全般・救急・集中治療・障害児医療など幅広く診療経験を積んできました。ここでは科学的根拠および診療経験に基づいた医学情報を保護者のみなさまに提供していきたいと思っています。

最近の記事

もうすぐ開院して1年!

こんにちは。R3.5に開院させていただき早いものでもうすぐ1年になります。患者・患者家族の皆様の御協力もあり無事に1年を迎えることができそうです。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。 今年度からは新たに近隣の小学校・幼稚園の校医や園医も務めさせていただくことになりました。より一層、地域医療に貢献できるように微力ながらも頑張っていきたいと思います。 皆さま引き続きよろしくお願いいたします。 本日、患者のお子さまよりかわいい手紙をいただきました。 スタッフ一同、うれしく

    • 重大発表 ~As Natural ~

      R5年度春 多機能型児童発達支援センターをクリニック横に併設します!! 新年あけましておめでとうございます。今年の冬は寒い日が多いですが、皆様体調はいかがでしょうか? R3.5に「にしなこどもクリニック」を開院させていただき半年以上が経過しました。 地域の皆様、関係各位の皆様の助けもあり、無事にクリニック運営をさせていただけています。改めて感謝するとともに、これからも一生懸命頑張っていくぞ!と気合をいれなおしています! さて今回は、重大発表をさせていただきたいと思います。

      • 心、あたたまる

        おはようございます。昨日の午後診療の際にうれしいことがありました。 幼稚園のミカン狩り遠足の前に肺炎になってしまったこどもが、「元気になってミカン狩りにいけた! 先生、ありがとう!」と、お土産のミカンをもってきてくれました。とても嬉しかったです。 こどもが元気になる姿をみるのは本当にうれしいものです。 心があたたまりました。 ありがとう。

        • 熱中症③ - 対応 熱中症と思ったら –

          - 対応 熱中症と思ったら – こんばんは。今回はいざ熱中症になってしまった時の対応について記事にしていきます。 ① 涼しいところに移動する ② 体温をさげる ③ 意識が悪ければ即救急車をよぶ ④ 自力で水分がとれなければ医療機関に受診する 以上4点が重要な対応になります。 応急処置のフローチャートは以下です。 人間は中枢温が41-42℃になると、1-8時間で全身組織の不可逆的な障害が始まり、体温を少しでもはやく下げたほうが生命予後や機能予後がよいことがわかっています。

        もうすぐ開院して1年!

          熱中症② -予防 水分摂取について-

          -予防 水分摂取について-8月に入りめちゃくちゃ暑い日が続いています。皆さまバテずに過ごされているでしょうか?今回は、熱中症予防の中でも「水分摂取」について記事にしていきます。 まず、予防に大事なこと 水・塩・糖分をとる! これがとても重要です。人が汗をかくとき、水分と同時に塩分も喪失します。一般的に、汗1Lあたりに塩分は0.05- 0.4 g 程度含まれます。 つまり、運動している時や暑い野外にいる時、蒸し暑い室内にいる時など、大量に汗をかくときはただの水やお茶などの塩

          熱中症② -予防 水分摂取について-

          熱中症① - 暑さ指数WBGT 湿度にご注意を! -

          - 暑さ指数WBGT 湿度にご注意を! - こんにちは。梅雨もそろそろ明け、暑くなってきましたね。特にこのムシムシした時期は熱中症にご注意いていただきたいです。 夏のカンカン照りの日に熱中症になりやすいイメージがありますが、実は湿度の高いこの時期も熱中症の発生率が高くなります。 今回からは熱中症についての情報提供と予防・対処法について記事にいていきます。 □ 暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature) 熱中症を予防することを目

          熱中症① - 暑さ指数WBGT 湿度にご注意を! -

          ウイルス迅速検査② - 算数を使って検査の仕組みを理解してみる -

          - 算数を使って検査の仕組みを理解してみる -前回、検査をするには意味のある目的がなければいけないという話をしました。今回は、いざ検査やった際にその検査の結果はどの程度の信憑性があるのか?の話をしていきます。 少し長い話になりますが、ゆっくり読んでみてください。 □ 感度と特異度 ウイルス迅速検査の精度を考える際、100%の確率で陽性・陰性を判定できる検査は存在しないもので、感度と特異度という言葉がでてきます。 感度:疾患ありのうち検査が陽性の割合 特異度:疾患なしのうち

          ウイルス迅速検査② - 算数を使って検査の仕組みを理解してみる -

          ウイルス迅速検査①

          - 検査は何を目的に行うのか? - こんばんは。全国的にもRSウイルスの感染が流行し、私のクリニック周辺の幼稚園・保育園のこども達もRSウイルス感染症で困っている方が大勢いましたがようやく少し落ち着いてきました。 受診されたこどもの親御さんからRSの迅速検査は行わないのですか?とよく聞かれることがありますが、私は重症化リスクのあるこどもにしか検査は行っていません。 なぜなのでしょう。今回からは順をおって、ウイルス迅速検査の検査結果をどう評価するべきなのか?そもそも診断ってなん

          ウイルス迅速検査①

          水イボ – とるとらない論争 - 私は早期にとるべき派

          こんにちは。連日雨の日が続いていますが、そろそろこども達もプール開きが始まる時期になってきたかと思います。今回はこの時期に話題になることが多い「水イボ」について記事にしていきます。 □ 水イボとは 伝染性軟属腫ウイルスによって伝染する皮膚感染症です。皮膚がまだ薄く、皮膚のバリア機能が未熟な7歳以下のこどもがかかることが多いです。見た目は水っぽいのですが、中にはモルスクム小体という皮下組織の変性したもとウイルスが混じった白い塊があります。水イボ自体は、体に悪さをすることはなく

          水イボ – とるとらない論争 - 私は早期にとるべき派

          舌下免疫療法①(スギ花粉・ダニアレルギーの根本治療)

          - 舌下免疫療法とは? 概要 -5月10日より開院させていただき、まだまだ不慣れな点で来院された患者様にご不便をおかけしてしまっている状況ではありますが、日々改善させながら「こどもにやさしい」医療を展開していきたいと思っています。 さて、花粉の飛散期もおさまり、花粉症に悩まされてきた方々も少し楽になってきた今日この頃だと思います。6月から花粉症の根本治療である「舌下免疫療法」を当院でも開始致します。今回からはこの舌下免疫療法について記事にしていきたいと思います。 舌下免疫

          舌下免疫療法①(スギ花粉・ダニアレルギーの根本治療)

          内覧会御礼

          ご来場者様各位 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 4月29日に開催いたしました当院の内覧会では、ご多忙にも関わらず、また雨天で足元の悪い中ご来場頂き誠にありがとうございました。おかげ様で、盛況のうちに内覧会を終了することができました。スタッフ一同、心より感謝申し上げます。 多くの方にお越しいただき、その期待の大きさに身の引き締まる思いとともに、地域に根差した「こどもにやさしい」医療を提供するという目標のため、スタッフ一同精進してまいる決意を新たにいたしま

          予防接種③

          予防接種 -接種時の注射の痛み。小児の疼痛コントロールをどう考えるか-「予防接種を病院に受けにいく」これって実は大半のこどもたちにとって、初めて注射の痛みを経験する場になります。注射は痛いものです。こどもは痛みの評価が難しかったり、いざ鎮痛薬を使おうと思っても薬剤の用法用量の知見が乏しく、副作用による呼吸抑制が怖かったりといった理由から、昔はあかちゃんやこどもは痛みを感じない、大人より痛みで苦しむことは少ない、こどもに適切な鎮痛を提供するのには多大な労力や時間がかかる、果ては

          予防接種②

          予防接種 -なぜ接種が必要なのか?-□ 個人防衛と社会防衛 ワクチンはウイルスなどの病原体や細菌のだす毒素の病原性や毒性を弱めたりなくしたものです。接種することにより病気にはならず、免疫反応の記憶だけを体内に残すことができます。病原体や毒素が体内に侵入してきた時、この記憶していた免疫反応が起こり病気にかからず体が守られるという仕組みになっています。 予防接種を受けた人はその感染症から守られますし(個人防衛)、より多くの人が予防接種を受ければ社会全体から感染症が減り、結果的にそ

          予防接種①

          予防接種 - VPDって? -こんにちは。病気が蔓延していないと予防接種の意義自体を考えてこどもにワクチンを接種させるお父さんお母さんは少ないかもしれません。しかし、現在コロナ禍の中、いかにワクチンが重要か、予防しうる病気を確実に予防することがいかに重要なのかを身に染みて考えさせられます。今回からは予防接種についての話を数回にわたって記事にしていきたいと思います。 □ VPD(Vaccine Preventable Disease)の概念 □ ワクチンで予防できる病気のこと

          乳幼児健診④

          乳幼児健診 -9・10か月健診-9・10か月健診で注目すべきポイントについてお話していきます。 9~10か月には運動発達では、姿勢の変化による重心移動に対して姿勢を保つ平衡反応が出現してきます。パラシュート反射が確立し、安定した座位、四つ這い、つかまり立ちができるようになり、多様でなめらかな運動がみられるようになります。精神発達では喃語でさかんに話したり、親のマネをしたりと、かわいさが倍増してくる時期でもあります。 1. 1か月健診  2. 3・4か月健診 先日の記事でお話

          乳幼児健診③

          乳幼児健診 - 3・4か月健診 -今回は3・4か月健診で注目すべきポイントについてお話していきます。 赤ちゃんはこのころになると、Moro反射や把握反射などの原始反射が消失し、頚定(首がすわる)、手の協調運動、追視(ものを目でおう)などの機能を獲得します。これから獲得していく、寝返りやお座り、はいはいなどの準備をし始める時期になります。 1. 1か月健診 先日の記事でお話しました。 2. 3・4か月健診 基本的な身体診察は1か月健診の時と同様で月齢レベルの発育をしているか