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秩父に人生を変えに行ってきた


少々時間が経ってしまったが、この前の月曜日に秩父に行ってきた時の事を書きたいと思う。

そもそも何故秩父に行く事になったのかというと、この前の月曜は久しぶりの丸一日休み、予定無し、何か夏の最後に思い出を残したい、これらの事から何処かにちょっと遠出をしようと僕は考えた。

そこで西武池袋線に乗っているとCMが頻繁に流れてくる秩父に行く事にしたのである。

秩父に日帰りひとり旅。

ふむ。

なかなかいい響きである。

秩父に行こうと決めてから僕は当日のスケジュールを考えた。

何せおじさん1人である。

崖っぷち金欠おじさんのひとり旅ほどスケジューリングが難しいものはないのだ。

僕はネットで秩父について調べてみた。

すると、駅前いやほぼ駅中に「祭りの湯」というスーパー銭湯があるらしく、駅のど真ん中にあるスーパー銭湯というのも珍しいのでここは行ってみたいと思った。

あと秩父名物らしい「わらじカツ丼」

これも是非食べてみたい。

この2つはすぐ決まったのだが、この2つだけだと旅行感は正直非常に薄い。

身も蓋もない言い方になるが

おじさんが1人でカツ丼を食べてスーパー銭湯に入っているだけなのだ。

これではひとり旅とは言い難い。

何かちょうどいいスポットはないものか。

悩む僕にある神社が目に入った。

それは「三峯神社」

秩父からさらにバスで1時間半かかるが、この三峯神社、関東屈指のパワースポットらしい。

ここに行く事により人生が変わる人もいるとか。

人生を変える。

崖っぷち金欠おじさんにとっては聞くだけでよだれが出てくるワードである。

「秩父に行って人生を変えよう」

当初はちょっとした休日の気楽な遠出だったはずなのだが、いつの間にか僕の秩父ひとり旅は人生を変える旅に変わっていた。


当日。

僕は朝6時に起き、池袋駅へと向かっていた。

特急ラビューに乗るためである。

この特急ラビュー、池袋駅から約80分で秩父に行ってくれるのだ。

これに乗っていれば秩父にひとっ飛びなのである。

そして割と最近出来たばかりらしく、外装内装共にめちゃくちゃ綺麗。

賞も受賞しているようで非常に洗練されたデザインである。

まあまず車体撮れやという話なのだが、こういうとこ抜けてしまうのが、NISSHANのNISSHANたる所以である。

ちなみにNISSHANに改名して3週間。

まだ自分でスペルを間違ったりします。

慣れる時は来るのでしょうか。

あと「NISSHANて何やねん!お前どう見てもにっしゃんやろが!」って自分でちょっと思ってたりもします。


そんなこんなで僕はラビューに乗り込んだ。

そして座ってみた感想は、、、


最高。


非常に座り心地がいい。

そして席と席のスペースが広く、ひろびろである。

変な言い方になるが、新幹線より新幹線。

これはこの時点で旅行感MAXやで!と僕はテンション爆上がりになった。


ほどなくしてラビューが出発し、僕の秩父ひとり旅が始まった。

このラビュー、座り心地以外にも窓が非常に大きい。

景色がもう丸見えなのだ。

まるで自分が生身で走っているかの様である。

高校時代50m8秒台やったけども。

移り変わっていく景色を最大限に楽しむ事が出来る。

これも最高なポイントの一つと言えるだろう。


こうして約80分。

僕はラビューを堪能し、秩父に到着した。

途中から一気に自然が増し、遠くに来た感が出るのが非常に良かった。

この特急ラビュー、本当にオススメである。

機会があれば是非乗ってもらいたい。


さて、ここからバスで1時間半である。

なかなかの時間である。

ラビューよりバスの方が時間が長い。

このバス、1時間に1本しか出ないので発車時刻が近づいてくるとバス停に長蛇の列が出来る。

僕はそれを見越して早めにバス停にセットしておき、先頭をゲットした。

我ながら用意周到なデブである。

程なくして凄まじい行列が出来上がった。

みんな三峯神社に行く人達である。

僕は列をボーっと見ながら 

「全員、人生変えたいんやなあ、、、」と思った。

そしてその人生を変えたい人達の行列の先頭にいる自分を思い出し、ポッと頬を赤らめた。

わしゃどんだけ人生変えたいねん。

この行列の先頭は人生変えたい感出過ぎやろ。

人生変えたいガチ勢やん。

いや、実際変えたいけども!

この中で絶対一番人生変えなあかん人やけども!


そんなチェンジザフューチャー丸出しの太ったおじさんの元にバスが到着し、行列の人達全員乗り込んだ。

バスは至って普通の路線バスといった雰囲気である。

みんな乗り込んで、すぐにバスは出発した。

直通なので後はゆったり乗っているだけである。

そう思いくつろいでいると、途中からバスの道のりに異変が、、、


すんごい山道なのである。


もう急カーブにつぐ急カーブなのだ。

しれっと落石注意の看板が出てたりもする。

そう。

三峯神社は山のとんでもなく上の方にあるのだ。

何せ人生変えるレベルのパワースポットなのである。

そりゃ山の上等、行くのが困難な場所にあるのは当然なのだ。

バスが橋を通過する。

僕はチラッと窓を覗いた。

すると、、、


高すぎて橋の下が見えなかった。


!?

とんでもない場所走ってる!!

こんな高いとこバス走ってるの見た事あらへん!

この橋、何!?

高すぎて下ほとんど見えへんねんけど!

って言うてたら今度はダムの上走ってる!

え、バスってダムの上走る乗り物やったっけ!?

何このダム!

めちゃくちゃダムやん!

てか、さっきからカーブ凄いねんけど!

これあれや!

「ルパン三世 カリオストロの城」の序盤に出てくるカーチェイスするとこや!

あの道にそっくりや!

あのシーンめちゃくちゃ好き!

あのカーチェイス、全映画のカーチェイスの中で一番面白いと思う!

言うてる場合か!

みんな急カーブ過ぎて体傾いてるて!

え、これ大丈夫!?

人生変わるってそういう意味ちゃうやんな!?

生まれ変わる方ちゃうやんな!?


と、一瞬ドキドキしながらもバスは何事もなく終点に着いた。

アメリカのベテラン刑事の様な見た目の運転手さんが卓越した熟練の技で安全に運転してくれた。

運転手さん、ありがとうございました。

素晴らしい安全運転でした。

心の中で大騒ぎしてすいませんでした。


というわけでついに

三峯神社に到着。


ここで人生を変える。

そう思いながら僕は拝殿に向かって歩き始めた。

この三峯神社、山の上にあるからか、非常に階段が多い。

デブの天敵は階段。

これは人類誕生から脈々と続く常識なのである。

僕はヒイヒイ言いながら階段を登った。

するとまず目の前に鳥居が現れた。

この鳥居かなり珍しい「三ツ鳥居」という鳥居なのである。

何と鳥居が3つくっついているのだ。

みんな真ん中のでかい鳥居をくぐっていく。

その光景を見て僕はほくそ笑んだ。

「ふふ、皆さん知らないんですね」

そう。

僕は事前にネットで調べていたのだ。

三ツ鳥居には特別なくぐり方があるのだ。

真ん中から左、左から真ん中、真ん中から右、右から真ん中、真ん中から左、左から真ん中と

八の字を描く様にしてくぐるのだ。

こうする事によって

受け取るパワーが3倍になるのである。


つまり3倍人生が変わるのだ。

これはやらない手はない。

僕は真ん中から左、左から真ん中と

はじめの一歩のデンプシーロールばりにクルクルと八の字を描いた。

周りの人はこう思っただろう。

「あの太ったおじさん、八の字描いてる、、、」

八の字を描ききった僕は満足して先に進んだ。

そして歩きながらふと気になったので、スマホでもう一度三ツ鳥居のくぐり方について調べてみた。

するとこんな事を書いてるサイトを見つけた。

「八の字を描くというのはネットで広まったデマです。神聖な鳥居を行ったり来たり何度もくぐってはいけません。普通にくぐりましょう」


おい。


めっちゃ八の字描いてもうたやないか。

どうすんねん、これ。

大丈夫なんか。

よう考えたらパワー3倍てなんやねん。

界王拳やないねんから。

あと3倍人生変わるもなんや。

人生3倍変わったら、変わり過ぎて昆虫とかになってんちゃうんか。

あかん。

やってもうた。


出だしからいきなり躓いたが、言っても仕方ないので僕は拝殿を目指した。

ただ帰ってからもう一度調べたのだが、色々なサイトにあの八の字は書いてある。

どちらが本当なのだろうか。

未だに真相は分からずである。

もし分かる方いらっしゃいましたら誰か教えて下さい。


そんなこんなでいよいよ、、、

この三峯神社、とにかく造りが凄い。

豪華絢爛、迫力満点、まさに圧巻である。

見てるだけで時間を忘れるというか。

建造物としての美しさだけでご飯3杯いけるというか。

まあ拝みながら白飯食ってたらバチ当たりそうやけども。


と、あまりの迫力に圧倒されながらも僕はいよいよ参拝の時を迎えた。

拝みに拝んでパワーをもらうのだ。

財布を取り出し、お賽銭を出そうとする。

すると5円がない。

まずい!

5円がないというのは、つまりそういう事!

と、一瞬焦りかけたが、僕はすぐに落ち着いた。

僕には高校ラグビー部の友人であるキャラ(先輩にキャラ作りして媚びていた人)直伝のアレがある。

二十二円である。

二十二円→二重に縁、この様な変換で二重に縁をゲットしてしまうのだ!

僕は二十二円を入れ、ひたすら拝んだ。

お笑いと恋愛、その2つが上手くいく様にひたすら拝んだ。

よだれを流しながら拝んだ。

拝み過ぎて列がちょっと止まった様な気がしたが、そこは許して欲しい。

こちとら人生崖っぷちなのだ。

もうここまできたら拝むしかないのだ。


こうして尋常じゃないぐらい拝んだ僕は、参拝を終えた。

最近とにかく心がしんどかったが、少し心が軽くなった気がする。

その後は石畳に浮き出た龍を見たり、日本武尊を見たり、御神木を拝んだり、縁結びの木にお願いしたりした。

特にこの縁結びの木にはもうひたすら頭を下げて頼んでおいた。

あの光景を見た人はこう思うだろう。

「あの太ったおじさん、めちゃくちゃ縁結ぼうとしてる、、、」

だっていい加減、縁結ばれたいからね。


で、様々な場所を巡った後は、いよいよお待ちかね、、、

わらじカツ丼である!!!


このわらじカツ丼、専門店を探さないといけないかと思いきや、何と三峯神社内で食べれてしまうのだ!

しかもそのお店のわらじカツ丼がめっちゃ美味いと書いてあったのだ!

僕は店に行き、列に並んだ。

順番が回ってきて、注文を聞いている元気なおばあちゃんの店員さんが僕にこう聞いてきた。

「ぼっちゃん!注文、何にする?」

僕は思った。


ぼっちゃん!?

ぼっちゃんって何!?

俺、ぼっちゃん!?

39歳やで!

39歳の太ったおじさん、ぼっちゃんて!

社長の息子やないねんから!

ただ、あれか!

このおばあちゃんからすれば、俺なんてまだまだぼっちゃんみたいなもんか!

そうかそうか!


謎に納得した僕はわらじカツ丼を頼み「じゃあぼっちゃんのテーブルはあっちね!」と案内された。

テーブルに座るぼっちゃん。

待つぼっちゃん。

そんなぼっちゃんの元に比較的すぐわらじカツ丼はやって来た。

これが、、、
こう!!!


このわらじカツ丼、とにかくカツがデカい。

一口食べてみる。

!?

こ、これは、、、

激ウマである。


カツがサクサクしていながらも甘いタレが染み込んで非常に美味い。

大きいが、パクパクいけてしまう。

写真には写っていないが味噌汁も付いていて、きのこ等が入っていてこれまた美味かった。

なかなかのボリュームながらもあまりの美味さに僕はすぐ完食してしまった。

今でもこれを書きながら、味を思い出し、食べたくなっている。

ちなみに今回は残念ながらテラス席が空いてなかったのだが、もし空いていればテラスに座り広大な山々を眺めながらわらじカツ丼が食べれる。

次回来た時は是非テラスに座りたい。


こうして僕はクタクタになりながらも三峯神社とわらじカツ丼を堪能し、帰りのバスに乗って秩父駅に帰ってきた。

帰りのバスは広い神社内を歩き回った疲れで寝ていたので、気が付いたら駅前だった。

元々の予定では、この後町を散策するつもりだったのだが、完全に体力が尽きかけていたので

予定変更で「祭の湯」へ。

疲れてクタクタの状態で入る風呂はこれまた最高だった。

この祭の湯は、値段もリーズナブルで、しかもお風呂の種類も多いので、かなりオススメである。

個人的には寝湯がめっちゃ良かった。


そして帰り支度をし、再びラビューに乗りこみ、僕は秩父を後にした。

非常にコンパクトな日帰り旅行だったが、なかなか満足出来た。

今度来た時は町を散策したい。

あと神社内に旅館があるので、そこに泊まってみたい。

パワースポット内に泊まれば、さすがに開運間違いなしだろう。

ちなみに夕日を眺めながら乗る帰りのラビューも非常に良かった。

こちらもまた乗りたい。


と、後半駆け足になってしまったが、大満足で終わった「秩父人生変えたいひとり旅」

約1週間経った現在、パワースポットの効果はどうかというと、、、

効果アリと言えるのではないだろうか!!!


まずこの前書いた様に、note創作大賞の中間選考通過。

まだ中間選考ではあるが通過するに越した事はない。

そしていつもやってるドラゴンボールのスマホゲームアプリドッカンバトルでの神引き。

どこでパワー発揮してんねんとは思うが、まあテンションは上がる。

そして何より、前よりも心が軽い。

これは非常に重要である。

こんな感じで今のところ行って良かったと言える。

このままもっともっといい事が続いて欲しい。

そうぼっちゃんは願っている。



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